1. そもそも、なぜ吹きこぼれるの?

鍋をずっと見続けるべき?
キッチンで火を使っている時にその場を離れないことは当然だが、だからと言って鍋などを火にかけている間中ずっと側で見ているワケにはいかない。鍋を火にかけている間に野菜を切ったり洗い物をしたりして効率よく食事の準備を進めるためには、やはり吹きこぼれを防ぐワザを知っておきたいものである。まずは、吹きこぼれてしまう原因を学ぼう。
原因はでんぷん質!
鍋に水だけを入れて火にかけた場合、沸騰するとどうなるだろう?水面にボコボコと大きな泡が立つが、水が吹きこぼれることはない。しかし、パスタやそうめんを茹でる時、雑炊を煮込む時などは、気づかないうちに吹きこぼれてしまうことが多々ある。これはなぜだろう?吹きこぼれの原因は、食材の"でんぷん質"にある。でんぷん質を含む食材を加熱する場合、水の中にでんぷん質が溶け出して湯面に膜を張る。加熱を続けるとその膜の下に気泡がたまり、蒸発できずに湯面を押し上げてしまう。そして、湯面が上がり続けて鍋の縁よりも高くなった時、吹きこぼれが起こるのである。逆に、でんぷん質を含まないものを茹でる際にはこれは起こらない。
2. 木べらや菜箸で簡単に解決!

キッチンにあるツールで解決!
食材に含まれるでんぷん質によって吹きこぼれが起こるということはわかった。火にかけている間ずっとコンロの側にいて、吹きこぼれそうになったら火を弱めれば吹きこぼれは阻止できるが、これでは他の作業ができなくなってしまう。吹きこぼれを防ぐにはどうしたら良いのだろう?実は、吹きこぼれを防ぐには特別なものは必要ない。どの家庭のキッチンにもあるツールを使って簡単に吹きこぼれを防ぐ方法を以下で解説する。
木べらや菜箸を乗せるだけ!
鍋の縁に木べらや菜箸を乗せる。嘘のように簡単な方法だが、これだけで吹きこぼれを防ぐことができる。半信半疑の人は、ぜひ一度試してもらいたい。既に説明したように、水に溶けた食材のでんぷん質が湯面に膜を作り、沸騰によってできる気泡が蒸発できずに膜の下にたまって湯面を押し上げる。これが吹きこぼれの原因である。ここで鍋の縁に菜箸などを乗せておくと何が起こるのかというと、湯面が鍋の縁の高さに達すると気泡が菜箸に触れて壊れるのだ。気泡は次々と上がってくるが、次々と菜箸に触れて壊れる。そのため、火力を弱めなくとも湯面は鍋の縁の高さで止まるのだ。ただし、浅めの鍋では菜箸が焦げてしまうリスクがあることや、火力が強すぎると吹きこぼれてしまう場合もあることを覚えておこう。
3. まだある!吹きこぼれを防ぐワザ

菜箸や木べらなどを使って吹きこぼれを防ぐワザを紹介した。特別なものは必要ない簡単な方法だが、吹きこぼれを阻止する方法は他にもある。ここでまとめて紹介する。
- 大きめ鍋を使う
必要な量の水を入れても、まだ容量の残る鍋を使う。湯面が押し上げられても鍋の縁の高さまで到達しなければ吹きこぼれることはないため、ジャストサイズよりもひと回り大きめの鍋を使うと良い。 - 油を入れる
油を入れると、吹きこぼれの原因となるでんぷん質によって作られる膜ができにくくなる。気泡ができてもすぐに壊れるので、湯面が上がりにくいのだ。サラダ油やオリーブオイルを大さじ1杯ほど入れて茹でてみよう。 - スプーンを入れる
鍋に水を入れ、火にかける前に耐熱性のスプーンを鍋の中央に置く。たったこれだけで吹きこぼれを防ぐことができる。"沸騰した際に水が鍋の中で中央から上昇して外側に流れて沈む"という流れを鍋底に置かれたスプーンが変えるため、吹きこぼれが起こりにくくなるのだ。耐熱性のものであれば、スプーンでなくてもOK。急須の蓋を活用する人も多い。 - 便利グッズを使う
吹きこぼれを防ぐための便利グッズも発売されており、100円ショップやホームセンターなどで購入できる。これは上で説明したスプーンと同じ役割を持ち、鍋の中央に置くことで沸騰中の水の流れを変化させることによって吹きこぼれを防ぐ。
結論
吹きこぼれを防ぐワザについて解説した。ただでさえ掃除の大変なコンロを吹きこぼしで汚してしまうと、後片付けが大変だ。しかし、吹きこぼれないようにずっと鍋を監視していては、食事の準備が進まない。吹きこぼれを防ぐワザを覚えると、食事の準備は効率アップ、後片付けも楽々で一石二鳥!さっそく今日から実行しよう。