1. ライチの種類

ライチは植物学上の分類は、ムクロジ科レイシ属。別名「茘枝(れいし)」の名でも知られる、中国南部が原産とされる熱帯の果実だ。中国では紀元前から栽培されていたそうで、唐の玄宗皇帝の妃・楊貴妃が好んだことでも名高い。世界三大美女としても名高い楊貴妃が美しさの源として愛したライチを、玄宗は遥か福建省から長安まで、8日8晩かけて早馬で運ばせたという故事はあまりにも有名だ。
高さ15m程度の常緑樹になるライチは、冷凍貯蔵も可能なので保存に適し、ビタミン、ミネラル類、葉酸なども豊富なフルーツ。日本には1720年頃に伊豆大島へ伝来。江戸時代の終わり頃には、島津藩にもたらされたといわれている。ライチの栽培品種は多く、中国では100種以上もあるそうだが、ここでは、同じムクロジ科の「ランブータン」「竜眼」とともに紹介する。
高さ15m程度の常緑樹になるライチは、冷凍貯蔵も可能なので保存に適し、ビタミン、ミネラル類、葉酸なども豊富なフルーツ。日本には1720年頃に伊豆大島へ伝来。江戸時代の終わり頃には、島津藩にもたらされたといわれている。ライチの栽培品種は多く、中国では100種以上もあるそうだが、ここでは、同じムクロジ科の「ランブータン」「竜眼」とともに紹介する。
- ライチ
果実の直径は3cm~4cmの球形。熟すと緑色から赤色になる果皮はうろこ状。果肉は乳白色でプルンとした弾力があり、甘さとさっぱりした酸味が美味で、独特の高貴な香りが魅力。果肉の中には大きめの種が1つ。果皮は簡単に手でむくことができる。
品種としては「妃子笑」「黒葉」、熟しても果皮が緑色のままの「玉荷包」など。フロリダで栽培される「ブルースター」、南アフリカなどで栽培される「モーリシャス」も美味だ。 - ランブータン
ライチに似ているが、果皮を柔らかい毛のような肉刺が覆う。果肉は乳白色で多汁。甘くて美味しい、東南アジア諸国ではポピュラーなフルーツだ。 - 竜眼(りゅうがん)
東南アジア諸国、中国南部、沖縄県などで栽培されている。果実は直径1.5cm~3cmと小さく球形で、果皮は黄土色。果肉は乳白色で中に大きめの種があり、果汁が多く甘い。漢方や薬膳にも使われる。
2. ライチの旬と特産地

ライチのほとんどが中国や台湾などからの輸入品で、国内に流通しているものの99%が冷凍品だ。しかし、国内でも鹿児島、宮崎、沖縄などで栽培され、わずかながらも生のライチが、5月下旬~7月頃に出回る。
収穫時期が約1カ月と短く、生のライチは幻のフルーツともいわれるが、フレッシュな味わいは格別だ。宮崎県には1粒50gを超える大きさと、糖度15度以上の甘さを備えた高級ブランド品も。宮崎の特産品である完熟マンゴーの栽培法を応用し、密かな人気を集めている。
また、いち早く江戸時代末期からの栽培が始まったという鹿児島県には、篤姫が好んでライチを食べたという逸話が残っている。島津斉彬公の資料には、13代将軍に嫁いだ姫に、蜂蜜漬けのライチを贈ったという記載も。このライチは、薩摩藩が作らせた薬園に、南方から持ち込んだ竜眼や朝鮮ニンジンなどとともに植えられていたという。
収穫時期が約1カ月と短く、生のライチは幻のフルーツともいわれるが、フレッシュな味わいは格別だ。宮崎県には1粒50gを超える大きさと、糖度15度以上の甘さを備えた高級ブランド品も。宮崎の特産品である完熟マンゴーの栽培法を応用し、密かな人気を集めている。
また、いち早く江戸時代末期からの栽培が始まったという鹿児島県には、篤姫が好んでライチを食べたという逸話が残っている。島津斉彬公の資料には、13代将軍に嫁いだ姫に、蜂蜜漬けのライチを贈ったという記載も。このライチは、薩摩藩が作らせた薬園に、南方から持ち込んだ竜眼や朝鮮ニンジンなどとともに植えられていたという。
3. ライチの選び方&食べ方

収穫後、果皮が次第に茶色く変色してしまうライチ。生のライチを選ぶ場合は、果皮が鮮やかな紅色で、黒ずみのないものを選びたい。うろこ状の表皮のとげが鋭いほど新鮮だ。
生のライチはめったにお目にかかれない貴重品で、しかも味が落ちるのが早いので、入手次第、即座に食してほしい。もしも余ったら冷凍しておこう。自然解凍して食べるか、シャーベットやスムージーに加工しても美味しい。
生のライチはめったにお目にかかれない貴重品で、しかも味が落ちるのが早いので、入手次第、即座に食してほしい。もしも余ったら冷凍しておこう。自然解凍して食べるか、シャーベットやスムージーに加工しても美味しい。
結論
楊貴妃や篤姫も食べたというライチ。初夏の旬の時期、生のライチを密かに産地から取り寄せて、妻や子どもにも贈るのも一興。高雅な香り漂う深紅の美果の美味しさに、きっと喜んでくれるはずだ。