1. うどんの基本
うどんは、小麦粉と水、塩で作られたシンプルな麺のこと。太さは、地方によっても大きく異なり、有名どころでは太めでコシのある香川の讃岐うどん、繊細でしなやかな秋田の稲庭うどん、平べったい愛知のきしめんなどがある。
うどんの発展
うどんが、今のようなうどんとして発展したのは江戸時代。蕎麦も発展した時期で、麺類の元年とも言える。江戸後期には、釜揚げだけでなく、天ぷらうどんや鴨南蛮なども登場していたそうだ。
うどんの美味しさ
うどんの美味しさは、茹で上がりにあり!というのも、うどんのコシは、麺の水分量の差によって起こるものなのだ。茹でたてのうどんは、表面は水分量が多いが、芯の部分は水分量が少ない。この差こそ、コシがあるという食感を生み出すのだ。茹でて時間が経つとこの水分差がなくなり、コシがないうどんになってしまうのだ。
2. 手打ちうどんの材料
基本は3つ
うどんは、古くからあることからもわかるように、とてもシンプルな材料で作られている。使用するのは、小麦粉、水、塩。小麦粉は、中力粉が使われる。中力粉は、一般的に家庭で使われる薄力粉と、パン作りなどに使われる強力粉の中間的な存在だ。中力粉がない場合は、薄力粉と強力粉を半々ずつ、よく混ぜて使うこともできる。
粉の分量
中力粉100gを1人前として考えるといい。できあがりは、100gの中力粉を使うとおよそ200gになる。ただ、100gだと少なく、作りづらいので、最低でも300gからが初心者にはおすすめ。
土三寒六常五杯
「土三寒六常五杯(どさんかんろくじょうごはい)」。これは、うどんの塩分比率を表す口伝。茶碗1杯の塩に対した夏と冬の水分量を表している。夏は3杯、冬は6杯と書かれている。すなわち、夏は冬に比べ、塩分濃度が高くなると示しているのだ。これは気温の高い夏は、どうしても生地がまとまりにくいため、グルテンを引き締めるために塩が多く必要だということを示している。現在では、夏は13~15%、冬は10%が塩分濃度の目安。そもそもの水分量も小麦粉の46~50%と夏と冬で変化を持たせるといい。
3. 手打ちうどんのコツ
ポイントは水回し
手打ちうどんを成功に導く秘訣は、水回しにあるといわれている。これは、小麦粉に水を加えて、そぼろ状にする工程。手打ちうどんというと、どうしても捏ねるイメージがあるが、初めのステップでは捏ねないことが重要。両手の指で撹拌するイメージで、水が満遍なくいきわたるように、混ぜていく。そぼろ状になったらOK。
予備熟成
初心者であれば、うどんを捏ねる前に、1度熟成させるといい。ある程度、塊にしたら、ポリ袋に入れて、空気を抜き、休ませる。このひと手間で、生地にまとまりが生まれるので、後の作業が効率的に行える。また、全体に塩分がいきわたるという意味合いもある。予備熟成の時間には、さまざまな説があり、15分と短いものから、2時間と長いものまである。本格度が増せば、アレンジする必要があるが、まずは、すぐ食べたい!という要望を叶えることも踏まえ、15分で行おう。
本熟成
次は、足で踏み、生地を捏ねる。力ずくで踏むというよりは、指先やかかとでリズムよく踏むといい。ふみ広げ、折りたたむを何度か繰り返し、表面に艶が出てきたら、完成。もう1度、熟成させる。きれいに丸め、閉じ口を下にして、ポリ袋に入れ、20℃前後で2時間寝かす。寝かすことで柔らかく、伸びがよくなる。また科学的変化が起こり、コシが強くなるのだ。
結論
小麦粉と水と塩がうどんになるまでには、当然、さまざまな変化が伴う。その変化をもたらす1つ1つの過程には意味があるのだ。信頼できるレシピを見つけ、しっかり計量し、1度作ってみるとその意味が感じられるはず。
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