1. マヌカハニーの基礎知識
ハチミツはおおよそ、蜂が蜜を集める樹木や花の名前がつけられている。例えば、アカシアやレンゲなどがその代表例である。マヌカハニーは、マヌカという日本人には聞きなれない樹木の花から採れるハチミツのこと。マヌカの木はニュージーランドにしか自生しておらず、そのうえ花を咲かせる期間は、1ヶ月とかなり短い。つまり、ハチがマヌカの花から蜜を採取することができるのは、この1ヶ月のみということ。かなり狭範囲でしか生育しない樹木であり、開花の時期も短い。この2点からもいかにマヌカの希少価値が高いかがうかがえる。
優れた抗菌力
マヌカとはニュージーランドの先住民族マオリ族のことばで「癒しの木」「復活の木」という意味を持つ言葉である。事実、古代より塗り薬、飲み薬など、幅広く薬として珍重されてきた。ただ、なぜさまざまな症状に効くのか?ということについては、長年疑問のままであった。この疑問が解明されたのは、2006年と比較的、最近のことである。そのきっかけとなったのが、ドレスデン大学の研究チームが発見したメチルグリオキサールという成分。メチルグリオキサールは抗菌活性成分で、体内で分解されることがなく、細菌への浸透率も高い。また、光や熱に強いといわれている。これほど高い抗菌力をもつハチミツはほかには存在しない。マヌカハニーがハチミツの王様と呼ばれるゆえんはここにある。
信頼の証
どんなことにもいえることであるが、ものには個体差というものが存在する。マヌカハニーは特にその差が大きく、メチルグリオキサールの含有量に違いが大きくある。そこで、どれくらい抗菌成分が含まれているかを示すグレードシステムが存在する。いくつかあるなかでも信頼度が高く、もっともオフィシャルなものがUMFである。これはUnique Manuka Factorの略称で厳しい検査をクリアしたものにのみ、この認証マークが与えられる。5+、25+、のように表記されるが、これは一般的によく使われる消毒液・フェノール液と比較することで、その抗菌力を表したもの。例えば、UMF25+とあれば、およそ25%のフェノール消毒液と同等の殺菌力があるということを示している。もうひとつの代表的なシステムがMGO。こちらは1kgあたりに含まれているメチルグリオキサールの量を表している。双方とも数値が高いほどに含有量が上がり、殺菌効果が高い。この殺菌効果の程度は値段にも反映されている。
2. マヌカハニーの使い方
味わい
まるで薬のように扱われているマヌカハニーだが、実際はハチミツ。基本的にはほかのハチミツ同様、甘さが主体だ。ただ甘さの質と口当たりが普通のハチミツとは異なる。抗菌力が高ければ高いほど、辛味と独特の風味が口に残る。ただ、これがクセになる。とても濃厚なのでマヌカハニーになれると普通のハチミツでは物足りないと感じることさえあるほどだ。
上手な使い方
マヌカハニーをそのままスプーン1杯をスイーツ代わりに食べるほか、他のハチミツのようにパンに塗る、ヨーグルトに入れるといった使い方ももちろんOK。紅茶の甘み付けにも最適だ。料理やお菓子作りに、砂糖がわりにつかうこともできる。
3. 普通のハチミツとの違いは?
最大の違いは...
そもそも普通のハチミツにもマヌカハニーにも大なり小なり、過酸化水素という殺菌成分が存在する。では、何が異なるのか?その答えは、より強い殺菌成分であるメチルグリオキサールの含有の有無にある。マヌカハニー以外のハチミツには、メチルグリオキサールは含まれていない。これはマヌカハニー固有の成分である。そしてこの成分こそが、マヌカハニーが多くの症状に効くとされるゆえんでもある。
味わいの違い
一般的なハチミツに比べるとマヌカハニーは総じて、色が深く、味わいが濃厚。舌触りもとろっとしているのが特徴だ。いわゆるハチミツの透明感のようなものはない。キャラメルのような色と味わいと表現されることも多い。
結論
我が家では、冬になると風邪の予防に毎朝マヌカハニーをひとすくい食べることにしている。実際に海外では医療現場で使われることもあるそうだ。ただ、ハチミツなので1歳未満の赤ちゃんには与えないこと。味が心配という人は、数値の低いものからトライしてみるといいだろう。