1. ふぐの基本をおさらい

ふぐとは、フグ目フグ科に分類される魚類の総称のこと。そんなふぐは世界に100種以上、日本近海だけでも50種以上存在するとされており、特に食用のとらふぐ、まふぐ、からすふぐなどが有名である。淡白で繊細な味わいと筋肉質で硬い食感が特徴的であり、刺身、鍋料理、揚げ物などさまざまな方法で美味しく食べることが可能だ。近年は高級魚のとらふぐの養殖も盛んになってきている。
2. ふぐの基本的な旬の時期

一般的にはふぐの旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」と言われる。実際、東京都中央卸売市場の「市場統計情報」(※1)を見ても、秋の彼岸(9月頃)に取引量が増え始めて、12月頃にピークを迎えて、春の彼岸(3月頃)に少なくなる。このように冬の取引量が多いのは、ふぐ漁の解禁の時期(5~8月頃)も関係しているが、冬のふぐは身が引き締まって美味いことも関係しているだろう。
3. 主なふぐの1年間の取引量の推移

東京都中央卸売市場の「市場統計情報」(※1)には、とらふぐやまふぐなどのいくつかの種類ごとに取引量がまとめられている。これを参考にとらふぐとまふぐの1年間の取引量を確認しておこう。
とらふぐの1年間の取引量の推移(2021年)
・1月:10,707kg
・2月:13,446kg
・3月:13,645kg
・4月:11,736kg
・5月:8,904kg
・6月:5,692kg
・7月:5,274kg
・8月:4,215kg
・9月:7,117kg
・10月:9,923kg
・11月:15,546kg
・12月:24,451kg
・2月:13,446kg
・3月:13,645kg
・4月:11,736kg
・5月:8,904kg
・6月:5,692kg
・7月:5,274kg
・8月:4,215kg
・9月:7,117kg
・10月:9,923kg
・11月:15,546kg
・12月:24,451kg
まふぐの1年間の取引量の推移(2021年)
・1月:895kg
・2月:507kg
・3月:901kg
・4月:420kg
・5月:952kg
・6月:787kg
・7月:1180kg
・8月:696kg
・9月:912kg
・10月:525kg
・11月:1,154kg
・12月:2,776kg
・2月:507kg
・3月:901kg
・4月:420kg
・5月:952kg
・6月:787kg
・7月:1180kg
・8月:696kg
・9月:912kg
・10月:525kg
・11月:1,154kg
・12月:2,776kg
4. 各地のブランドふぐと旬の時期を紹介

ふぐは北海道から九州地方まで日本全国で漁獲されている。特に有名なのが山口県であり、近年は養殖も盛んになっている。ここではそんなブランドふぐと旬の時期を詳しく紹介しよう。
1.とらふぐ(12月~2月)
全国でも特に有名なのが山口県で、山口県のとらふぐの旬の時期は12月~2月頃となっている。特にとらふぐとの食の歴史が長い下関には、独自の技術が発達していることから全国の約7割のとらふぐが集まっているという。なお、地域ブランドの「下関ふく」とは下関で獲れたとらふぐを指すのではなく、全国から集まってきたとらふぐを独自の技術で処理したものを呼ぶ。(※2)
2.若狭ふぐ(11月~2月)
若狭ふぐは、リアス式海岸の若狭湾で養殖されたとらふぐのこと。越前がにや若狭ぐじなどとともに地域団体商標にも登録されている。自然に近い環境で育てられているため、はじけるような引き締まった身を楽しむことができる。てっさやてっちりといったふぐ料理にしても非常に美味しい。
3.長崎とらふぐ(11月~3月)
長崎とらふぐは、長崎県で養殖されているとらふぐのこと。長崎県のとらふぐの養殖量は日本一で、徹底した管理のもとで高い品質の養殖ふぐが生産されている。その味は天然ふぐにも引けを取らないとされており、一定基準を満たしたものは「長崎ふく」というブランド名で出荷されている。
結論
ふぐの旬の時期は「秋の彼岸から春の彼岸まで」などと言われることが多く、特に冬頃には取引量が多くなっている。しかし、これはあくまで一般論で、産卵期を迎える春から夏の時期のふぐも美味しいとされている。その時々の美味しいふぐ料理を食べるようにしよう。
(参考文献)
- ※:プライドフィッシュ「公式サイト」
https://www.pride-fish.jp/ - ※1:東京都中央卸売市場「市場統計情報」
https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo/ - ※2:下関唐戸魚市場仲卸協同組合「「下関ふく」はGI(地理的表示)登録水産物です」
http://karato-n.axis.or.jp/gi_shimonoseki-fugu/
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