1. 素人がふぐの調理に手を出してはいけない理由

なぜ素人がふぐの調理に手を出してはいけないのか。青梅やこんにゃく芋など、古くから毒性があることを知られつつも調理方法の工夫によって広く一般家庭まで普及していった食材も存在する。その中で、ふぐだけが現在でも資格によって取り扱いを制限されている理由は、毒性の強さとふぐの種類で可食部が異なるという取り扱いの難しさが、ほかの食材とは一線を画しているからである。
ふぐ中毒の原因は、テトロドトキシンだ。テトロドトキシンを摂取してしまうと神経が麻痺し、唇や舌先、指先のしびれから始まり、最後には全身麻痺による呼吸困難に陥ることとなる。ふぐ中毒のおそろしいところは、死の直前、指一本動かすことさえできない状態でも意識は明瞭であることだ。食後30分〜3時間以内に発症し、死亡の半数は4時間以内という速さである。
厚生労働省の発表によれば、平成29年度のふぐによる食中毒の発生件数は19件、患者数にして22人がふぐを食べたことで病院に運ばれたという。平成20年〜29年までに起こったふぐによる食中毒の致死率は1.8%。そのほとんどが、素人が自分で釣ったふぐを調理して食べた結果であることを考えれば、有資格者以外調理すべきではないとされているのも当然の話ではないだろうか。
ふぐ中毒の原因は、テトロドトキシンだ。テトロドトキシンを摂取してしまうと神経が麻痺し、唇や舌先、指先のしびれから始まり、最後には全身麻痺による呼吸困難に陥ることとなる。ふぐ中毒のおそろしいところは、死の直前、指一本動かすことさえできない状態でも意識は明瞭であることだ。食後30分〜3時間以内に発症し、死亡の半数は4時間以内という速さである。
厚生労働省の発表によれば、平成29年度のふぐによる食中毒の発生件数は19件、患者数にして22人がふぐを食べたことで病院に運ばれたという。平成20年〜29年までに起こったふぐによる食中毒の致死率は1.8%。そのほとんどが、素人が自分で釣ったふぐを調理して食べた結果であることを考えれば、有資格者以外調理すべきではないとされているのも当然の話ではないだろうか。
2. 都道府県で名前も内容も違うふぐ調理の資格

これだけ慎重な取り扱いが求められているふぐではあるが、厳密にいうとふぐの調理を規制しているのは日本国の法律ではなく、各都道府県が個別に定めた条例だ。そのため、ふぐ調理師の資格の名称は都道府県によってふぐ処理責任者、ふぐ取扱者、ふぐ調理師、ふぐ処理師などとまちまちである。また、各資格は基本的にはその都道府県内でしか通用せず、資格保持者が他県で就職しようというときや、他県の店舗で調理しようというときはその都度新たに資格を取得しなければいけないのが現状だ。
さらに、現状のふぐ資格は資格試験の内容や受験資格が一様でなく、自治体によっては講習を受けるだけで資格が取れてしまう。厳密な要件が課せられている東京都を例に挙げると、受験資格として調理師免許の保持とふぐ調理師のもとで2年間のふぐの取り扱いに従事していることが前提となっている。試験内容は実技と学科に分かれており、知識と技術のどちらも一定の水準を超えていることが求められる。
このように、現在都道府県にてばらばらに管理されているふぐ調理師免許だが、それを問題視する動きもある。一般社団法人全国ふぐ連盟は、ふぐ免許の全国統一と安全なふぐ食の提供を目標に活動している。ふぐ調理師免許や資格要件が統一され、資格者にとっても消費者にとっても安心できるようになる日が近いかもしれない。
さらに、現状のふぐ資格は資格試験の内容や受験資格が一様でなく、自治体によっては講習を受けるだけで資格が取れてしまう。厳密な要件が課せられている東京都を例に挙げると、受験資格として調理師免許の保持とふぐ調理師のもとで2年間のふぐの取り扱いに従事していることが前提となっている。試験内容は実技と学科に分かれており、知識と技術のどちらも一定の水準を超えていることが求められる。
このように、現在都道府県にてばらばらに管理されているふぐ調理師免許だが、それを問題視する動きもある。一般社団法人全国ふぐ連盟は、ふぐ免許の全国統一と安全なふぐ食の提供を目標に活動している。ふぐ調理師免許や資格要件が統一され、資格者にとっても消費者にとっても安心できるようになる日が近いかもしれない。
3. なぜふぐ中毒はなくならないのか

これだけ毒性の強さが取り沙汰されているにもかかわらず、なぜ素人がふぐを調理して食中毒を起こす事故が無くならないのか。その理由として考えられるのが、同じ種のふぐでも獲れた海域や季節によって毒の強さが大きく変動するということである。
そもそもふぐの毒性は、ふぐが捕食した生物に蓄積されていたテトロドトキシンを体内に蓄積することによるものである。したがって毒の強さには個体差も存在する。実際の研究で、テトロドトキシンを保有する生物から隔離されて育ったふぐは毒素を蓄積しないということも明らかになっている。
これらの理由から、前に食べたときは平気だったという素人判断や誤った経験則によって、毒性の強い個体の毒が蓄積された部位を食べ、中毒を発症するという人が後を絶たないわけだ。
さらに、近年では温暖化の影響でふぐの生息域が変化したことにより、別種のふぐがかけ合わさって有毒部位がわからない雑種のふぐが増えてきている。もともと種類不明のふぐは市場などで除外されるようになっているものの、従来種と見た目が酷似したものを素人が見分けることは不可能と考えたほうがよいだろう。
釣りに出かけて獲れたふぐを、素人判断で調理して食べることの危険性はこんなところにも表れているのだ。
そもそもふぐの毒性は、ふぐが捕食した生物に蓄積されていたテトロドトキシンを体内に蓄積することによるものである。したがって毒の強さには個体差も存在する。実際の研究で、テトロドトキシンを保有する生物から隔離されて育ったふぐは毒素を蓄積しないということも明らかになっている。
これらの理由から、前に食べたときは平気だったという素人判断や誤った経験則によって、毒性の強い個体の毒が蓄積された部位を食べ、中毒を発症するという人が後を絶たないわけだ。
さらに、近年では温暖化の影響でふぐの生息域が変化したことにより、別種のふぐがかけ合わさって有毒部位がわからない雑種のふぐが増えてきている。もともと種類不明のふぐは市場などで除外されるようになっているものの、従来種と見た目が酷似したものを素人が見分けることは不可能と考えたほうがよいだろう。
釣りに出かけて獲れたふぐを、素人判断で調理して食べることの危険性はこんなところにも表れているのだ。
結論
ふぐが釣れたからといって、素人判断で種類を調べ、有毒部位を除去した気になってはならない。捨てることが惜しいのであれば、ふぐ調理師免許のある店に持ち込んでみるのはいかがだろうか。釣った魚を調理してくれる行きつけの店がある。そんな粋な男を目指してみるのも面白い。