1. カレーとらっきょうの食べ合わせ

カレーの付け合わせと言えば、日本ではらっきょうである。カレーの生まれ故郷、インドでも、付け合わせとして酸っぱい漬物のようなものが供されることも多い。そもそも、らっきょうとはどんな野菜か?らっきょうはユリ科ネギ属の植物で、我々が普段食しているのは鱗茎と呼ばれる部分。玉ねぎなどと同じく、地中の茎が大きくなったものである。
らっきょうの栄養
脇役的ならっきょうではあるが、実はかなりの栄養を秘めている。らっきょうは中国では紀元前から食べられていたほど、歴史の古い食べ物である。生のらっきょうが出回るのは5〜7月の限られた期間のみで、季節の風物詩としても知られている。らっきょうには玉ねぎなどと同じく、硫化アリルという成分が含まれるが、これはネギ類特有の匂いの素である。ビタミンB1の吸収をよくする、血液をサラサラにする効果があるなどとして、テレビや雑誌で取り上げられることもある物質だ。
カレーとらっきょうの食べ合わせ
実は、カレールーは油分の塊。カレールーをたっぷり使ったカレーは、胃もたれの原因になることがある。らっきょうに含まれる硫化アリルには、胃を保護するパワーがあると言われるため、一緒に食すことで胃もたれを防いでくれるのである。また多くの場合、カレーに添えられているらっきょうは、甘酢づけである。酢には疲労回復など多くの効果があるが、辛いカレーとの味のコントラストで、食欲増進にも一役買ってくれる。カレーとらっきょうの食べ合わせは、100点満点と言えそうだ。
2. 寿司とガリの食べ合わせ

寿司には、ガリが欠かせない。ガリとは、生姜の甘酢漬けのことである。新生姜と言って、新ものの生姜でつけたものが一般的だ。ほんのりピンクがかった色は、新生姜が本来持っている色。自宅でも簡単につけることができるので、トライしてみるのもよいだろう。
生姜の栄養
漢方のひとつに数えられるほど、栄養が豊富なことで知られる生姜。ショウガ科ショウガ属の植物で、カラダを温めるジンゲロールや、抗酸化作用を持つジンゲロン、痛みを抑えるショウガオールなど、カラダによいとされる物質が多く含まれている。ちなみに新生姜は、新たまねぎや新ジャガイモと同じ意味で、新しいもの。普通の生姜は貯蔵されてから出荷されるのに対し、収穫後すぐに出荷されるものを新生姜と呼ぶ。出回るのは6〜8月ごろがメイン。
寿司とガリの食べ合わせ
ご存知の通り、寿司は生の魚を使うものである。今は流通や冷蔵技術が発展したことにより、不安はあまりないが、昔は、寿司は時期によっては注意が必要な食べ物であったはず。そんな不安をフォローしてくれたのが、ガリである。ガリには、抗菌作用のある酢が使われているのだ。また、生の食材は比較的、消化に時間とパワーが必要である。生姜は消化を促進するので、その面でも◎。こちらも、抜群の食べ合わせということになる。
3. とんかつとキャベツの食べ合わせ

とんかつとキャベツも、必ずと言ってよいほど一緒に供されるセットのひとつ。キャベツは千切りであることが多い。とんかつ屋では、キャベツは食べ放題になっているところも多い。
とんかつとキャベツの食べ合わせ
キャベツには、胃腸の働きを促進する効果や、胃腸の粘膜を整える効果があるとされる。また、ビタミンCと食物繊維も豊富である。とんかつは揚げ物なので、カロリーも高め。食物繊維は、その脂肪の吸収を抑える効果が期待できるのだ。これも、理にかなった食べ合わせであると言えそうだ。
結論
普段、何気なく食べているカレーとらっきょう、寿司とガリ、とんかつとキャベツには、美味しさだけでなく、食べ合わせという意味でも相性が抜群であるということが分かっただろう。このほかにも、サンドウィッチとピクルス、サンマと大根など、食べ合わせがよいと言われる組み合わせは多く存在する。食べる前に一度、調べてみるのも面白いかもしれない。