1. 枝付き干しぶどうとは

干しぶどうの歴史
干しぶどうとは、乾燥させたぶどうのこと。レーズンと呼ばれることも多い。ドライフルーツの1種であり、広く知られる存在だ。ぶどうはリンゴと並び、歴史の古い果物のひとつで、レーズンも古代ギリシアの時代にはすでに生産が始まっていたとされている。その後、ヨーロッパ、新大陸、そして全世界へと広がった。現在、レーズンの一大産地として知られるのは、カリフォルニアである。
そもそもぶどうには種があるので、干しぶどうも無論、種入りが主流であった。1800年後半に、皮が薄く甘い、そして種のないシードレスブドウが開発され、急速に広まった。以来、普通の干しぶどうも枝付き干しぶどうも、種なしぶどうをつかったものがスタンダードとなった。
干しぶどうは栄養の宝庫
生のぶどう1Kgからできる干しぶどうは、わずか数百g。これは、乾燥させることによって体積が小さくなることによるもの。その分、栄養も濃縮されるので、効率的に摂取することが可能となる。干しぶどうは、カリウムやカルシウム、鉄、マンガンをはじめとするミネラルを含有しているので、不規則になりがちな現代人の生活にもぴったり。吸収率のよい果糖、ショ糖が多いため、山登りやスポーツなどの携帯食としても活躍してくれる。食べ過ぎは禁物であるが、適量であれば、とてもいいおやつになると言えそうだ。
2. 枝付き干しぶどうと干しぶどうの違い

味わいの違い
干しぶどうのなかでも、リッチ感のある枝付き干しぶどう。食べてみるとわかるが、普通の干しぶどうとは、まず味が異なる。水分量が多くジューシーで、奥深い甘みが口いっぱいに広がる。価格の面でも、枝付き干しぶどうは、普通の干しぶどうとは比べ物にならないほど高い。
製造方法の違い
この違いは、製造方法によるもの。干しぶどうは、ぶどうを収穫後、天日で数週間乾燥して作られる。そして異物を除去し、洗浄などの過程を経て、袋詰めされる。対して枝付き干しぶどうは、木になったままの状態で乾燥させるものである。収穫まで養分を吸収し続けた枝付き干しぶどうは、言わば完熟状態。さらに房の状態で乾燥させることも、あのジューシーな食感に通じている。ちなみに枝付き干しぶどうは、手作業で収穫されることがほとんど。美しいフォルムを保つためにも、手間暇がかかっているのだ。
3. 枝付き干しぶどうの美味しい食し方

まず、美味しい枝付き干しぶどうを選ぶことが重要だ。普通の干しぶどうの場合は、くっつき防止の目的で、オイルコーティングされているものがある。枝付き干しぶどうにおいても、稀にそのようなものがあるので、ぜひコーティングされていないものをチョイスしてほしい。酸化したオイルはカラダによくない上、味わい的にもややクセが残る。オイルコーティングしたものしかなければ、ギラギラと光っていない、オイル量が少ないものをチョイスすること。
枝付き干しぶどうは、チーズなどとともに、お酒のアテにすると見栄えもおしゃれである。また、味わいが濃厚なので、パンやお菓子作りの素材としても優秀だ。
結論
枝付きの干しぶどうは、干しぶどうの中でも最上級のもの。料理やお菓子に、お酒のアテにと、さまざまな使い道があるところも嬉しい。まだ食べたことがないという人、そしてレーズン嫌いの人にも味わってみてほしい。干しぶどうの概念が変わるはず。