1. アメリカンチェリーとは?
アメリカンチェリー(ダークチェリー)とは、アメリカから輸入されているサクランボの総称のこと。植物としての種は、日本でも作られている佐藤錦と同じ「セイヨウミザクラ」であり、代表的な栽培品種は濃い赤紫色の見た目をしている「ビング(Bing)」と呼ばれるものだ。アメリカからの輸入サクランボのうち、約9割がこのビングとされている。その他に「レイニア」などの種類もある。
アメリカンチェリーの主な産地と旬
アメリカンチェリーは、1875年にオレゴン州に住んでいた園芸家のセス・ルウェリングによって作られたとされている。現在、アメリカンチェリーはオレゴン州をはじめ、カリフォルニア州やワシントン州などのアメリカ西海岸で多く作られている。収穫時期は産地によって少し異なり、カリフォルニア産は5~6月上旬頃、ワシントン州産は6~7月下旬頃に多く出回るとされている。
2. アメリカンチェリー(ビング)の特徴と魅力
前述のとおり、日本に出回っているアメリカンチェリーのほとんどが「ビング」というものだ。このビングの特徴について、日本のサクランボの特徴と比べながら詳しく確認しよう。
特徴1.大きくて赤紫色の見た目をしている
アメリカンチェリー(ビング)の特徴は、その大きさと色味である。通常、日本で作られているサクランボは直径2cm程度の50円玉サイズであるが、アメリカンチェリーは2.5cm以上あり500円玉大のサイズ。また、日本のサクランボは鮮やかな赤色であるが、ビングは黒色に近い赤紫色の見た目をしている。そのため、アメリカンチェリーは「ダークチェリー」と呼ばれることもある。
特徴2.酸味は少なく甘みが強い
アメリカンチェリー(ビング)とサクランボでは食感や味わいも異なる。通常、日本で作られているサクランボは果肉が柔らかくて、甘みの中にほどよい酸味が感じられるものが多い。一方で、アメリカンチェリーは、やや硬めの果肉と強い甘みが特徴となっている。そのため、アメリカンチェリーは生のまま食べることも多いが、缶詰やジャムなどに加工されて出回ることも多くなっている。
3. アメリカンチェリー(ビング)の基本的な栄養価
文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には、「さくらんぼ(米国産)」という名称でアメリカンチェリーの栄養価が収録されている(※1)。そこでここでは「さくらんぼ(米国産/生)」の100gあたりの栄養価を確認しよう。
さくらんぼ(米国産/生)100gの主な栄養価
・エネルギー:64kcal
・たんぱく質:1.2g
・脂質:0.1g
・炭水化物:17.1g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.02g
・一価不飽和脂肪酸:0.02g
・多価不飽和脂肪酸:0.03g
・ビタミン
・βカロテン:20μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.5mg
・ビタミンK:2μg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.03mg
・ナイアシン:0.2mg
・ビタミンB6:0.02mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:42μg
・パントテン酸:0.29mg
・ビオチン:-
・ビタミンC:9mg
・ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:260mg
・カルシウム:15mg
・マグネシウム:12mg
・リン:23mg
・鉄:0.3mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.08mg
・マンガン:0.11mg
・ヨウ素:-
・セレン:-
・クロム:-
・モリブデン:-
・食物繊維:1.4g
(・水溶性食物繊維:0.6g)
(・不溶性食物繊維:0.8g)
・たんぱく質:1.2g
・脂質:0.1g
・炭水化物:17.1g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.02g
・一価不飽和脂肪酸:0.02g
・多価不飽和脂肪酸:0.03g
・ビタミン
・βカロテン:20μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.5mg
・ビタミンK:2μg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.03mg
・ナイアシン:0.2mg
・ビタミンB6:0.02mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:42μg
・パントテン酸:0.29mg
・ビオチン:-
・ビタミンC:9mg
・ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:260mg
・カルシウム:15mg
・マグネシウム:12mg
・リン:23mg
・鉄:0.3mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.08mg
・マンガン:0.11mg
・ヨウ素:-
・セレン:-
・クロム:-
・モリブデン:-
・食物繊維:1.4g
(・水溶性食物繊維:0.6g)
(・不溶性食物繊維:0.8g)
4. 美味しいアメリカンチェリー(ビング)の選び方
アメリカンチェリーは、旬の5~7月頃であれば、スーパーや八百屋などで見かけることも多い。自分で選べるときは、以下のようなポイントを参考に新鮮で美味しいものを購入するようにしよう。
美味しいアメリカンチェリーの特徴
・軸:鮮やかな緑色でハリがあるもの
・果皮:みずみずしさとハリがあるもの
・色味:しっかりとした濃い赤紫色のもの
・果皮:みずみずしさとハリがあるもの
・色味:しっかりとした濃い赤紫色のもの
おすすめできないアメリカンチェリーの特徴
一方で、アメリカンチェリーの軸部分が茶色く変色しているものや、果皮のハリ感が落ちていたり変色したりしているものは鮮度が落ちている可能性が高い。このようなアメリカンチェリーはできる限り避けるようにしよう。
5. アメリカンチェリー(ビング)の美味しい食べ方2選
アメリカンチェリーはそのまま食べても美味しいが、煮詰めてジャムにしたり、パイの具材にしたりするのもおすすめだ。ここでは、アメリカンチェリーの美味しい食べ方を2種類紹介しておこう。
食べ方1.アメリカンチェリーのジャム
アメリカンチェリーの甘みを活かして濃厚なジャムを作るのもおすすめ。ジャムを作るときは、鍋に軸とタネを取り除いたアメリカンチェリーと砂糖を入れる。そのまま30分程度放置してから、中火で10分程度煮詰める。その後、弱火で10~15分程度、お好みのトロミになるまで煮詰めれば完成だ。作ったジャムは煮沸消毒した清潔なビンなどに入れて保存しよう。
食べ方2.アメリカンチェリーのパイ
アメリカンチェリーを使ってパイを作るのもおすすめだ。パイ生地をパイ皿に広げておき、その中にアメリカンチェリーで作ったフィリングを詰める。その後パイ生地の端を内側に折ってから、180℃程度に熱したオーブンで焼ければ完成となる。なお、アメリカンチェリーパイを簡単に作りたいなら、以下に紹介している、キムラカズヒロシェフ「アップルパイ」の作り方も参考にしてみよう。
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6. アメリカンチェリー(ビング)の上手な保存方法
アメリカンチェリーは日持ちする果物ではあるものの、日本に輸入するまでに時間が経っているので購入後2~3日以内に食べるとよい。また、高温に弱いため、常温保存よりは冷蔵保存のほうがおすすめ。冷蔵保存するときは、乾燥を避けるためにポリ袋などに入れてから野菜室で保管しよう。
結論
アメリカンチェリーはアメリカ産のサクランボの総称のことであり、その大部分は「ビング」と呼ばれるものである。そんなビングは日本で作られているサクランボよりも色が濃くて、甘みが強いことが特徴だ。そのまま食べても美味しいし、料理に使っても美味しいので、旬の時期に手に入れたらいろいろな方法で美味しく食べてみよう。
(参考文献)
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
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