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【管理栄養士監修】さくらんぼの栄養価!鉄分やポリフェノールも多い!

【管理栄養士監修】さくらんぼの栄養価!鉄分やポリフェノールも多い!

投稿者:食生活アドバイザー 吉田昌弘

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2022年1月28日

小さくて可愛らしい見た目と甘酸っぱい味わいが特徴的な「さくらんぼ」。春から夏にかけて旬を迎えるフルーツで、そのまま食べてもジャムやソースなどにしても美味しい。また、さくらんぼは糖質をはじめ、ビタミン類やミネラル類なども多く含んでいる。今回はそんなさくらんぼの栄養価や栄養素を、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に紹介する(※1)。

  

1. さくらんぼの基本をおさらい

さくらんぼの栄養
さくらんぼとは、バラ科サクラ属に分類される植物のことであり、その小さくて赤い果実は食用とされている。さくらんぼにはさまざまな種類があるが、日本で最もさくらんぼの栽培が盛んな山形県では、佐藤錦・紅秀峰・紅さやか・紅てまり・紅きらり・紅ゆたか・南陽などの種類を栽培している(※2)。また、山形県以外では、北海道、山梨県、青森県などでもさくらんぼの栽培が盛んだ。
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2. さくらんぼの基本的な栄養価

さくらんぼの栄養
「日本食品標準成分表」には、国産と米国産のさくらんぼなどの栄養価が収録されている。そこでまずは、基本となる「さくらんぼ(国産)」の100gあたりの栄養価を解説する。

さくらんぼ(国産)100gあたりの栄養価

・エネルギー:64kcal
・たんぱく質:1.0g
・脂質:0.2g
・炭水化物:15.2g
・脂肪酸
 ・飽和脂肪酸:0.04g
 ・一価不飽和脂肪酸:0.05g
 ・多価不飽和脂肪酸:0.05g
・ビタミン
 ・βカロテン:81μg
 ・ビタミンD:0μg
 ・ビタミンE:0.5mg
 ・ビタミンK:2μg
 ・ビタミンB1:0.03mg
 ・ビタミンB2:0.03mg
 ・ナイアシン:0.2mg
 ・ビタミンB6:0.02mg
 ・ビタミンB12:0μg
 ・葉酸:38μg
 ・パントテン酸:0.24mg
 ・ビオチン:0.7μg
 ・ビタミンC:10mg
・ミネラル
 ・ナトリウム:1mg
 ・カリウム:210mg
 ・カルシウム:13mg
 ・マグネシウム:6mg
 ・リン:17mg
 ・鉄:0.3mg
 ・亜鉛:0.1mg
 ・銅:0.05mg
 ・マンガン:-
 ・ヨウ素:0μg
 ・セレン:0μg
 ・クロム:Tr
 ・モリブデン:1μg
・食物繊維:1.2g
 (・水溶性食物繊維:0.1g)
 (・不溶性食物繊維:1.1g)

3. さくらんぼの特徴的な栄養素・成分

さくらんぼの栄養
さくらんぼは炭水化物(糖質)を多く含んでいるほか、βカロテンやビタミンCといったビタミン類や、カリウムなどのミネラル類を多く含んでいる。また、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」も含んでいる(※3)。そんなさくらんぼに多く含まれる栄養素・成分を詳しく確認しよう。

その1.炭水化物(糖質)

さくらんぼは、炭水化物を100gあたり15.2g含んでいる。炭水化物は、糖質と食物繊維に分類できるが、糖質量は100gあたり14.0g程度となっている。糖質は、脳や身体を動かすための貴重なエネルギー源として知られている。成人男性(18~64歳)の場合は1日の摂取エネルギーのうち50~65%を炭水化物で摂取するのが目標とされている(※4、※5)。

【ソルビトール】

さくらんぼは、「ソルビトール」と呼ばれる糖アルコールの一種を含んでいる(※3)。ソルビトールはリンゴやプルーン、ナナカマドの実などにも含まれている物質で、果物の爽やかな甘みに関与している。また、機能面で優れており、添加物として食品や医薬品などにも使われている(※6)。

その2.ビタミン類

さくらんぼはビタミンA(βカロテン)、ビタミンE、ビタミンB群、ビタミンCなどのビタミン類もバランスよく含んでいる。これらのビタミン類は、身体の機能を正常に保つのに欠かせない栄養素だ(※4)。ここでは、特にさくらんぼが多く含んでいるβカロテンとビタミンCについて紹介する。

【βカロテン】

さくらんぼは、βカロテンを100gあたり81μg含んでいる。βカロテンは体内でビタミンAに変換されて、皮膚や目を健康な状態に保つために働く。また、βカロテンは抗酸化作用も有しており、体内の活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする働きも有している(※4)。なお、ビタミンA(βカロテン)は脂溶性で体内に蓄積されやすいため、摂り過ぎないように注意しよう。

【ビタミンC】

さくらんぼは、ビタミンCを100gあたり10mg含んでいる。ビタミンCには、皮膚や細胞のコラーゲンの合成をサポートする働きがある。ビタミンCは「抗酸化ビタミン」の一種であり、体内の活性酸素の活動を抑えたり、過酸化脂質の生成を抑えたりする働きがあると考えられている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は85mg、推奨量は100mgとなっている(※4、※5)。

その3.ミネラル類

さくらんぼは、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛といったミネラル類も含んでいる。ミネラル類は互いに影響を与えあいながら、身体の状態を健康に保つよう働いている(※4)。ここではさくらんぼが特に多く含んでいるカリウムと鉄分の特徴について解説する。

【カリウム】

さくらんぼは、カリウムを100gあたり210mg含んでいる。カリウムは細胞の浸透圧を調整する働きを持つミネラル類の一種で、ナトリウムを排出する作用がある。そのため、塩分の摂り過ぎを調整するために必要なミネラルとして知られている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目安量は2,500mg、目標量は3,000mgである(※4、※5)。

【鉄】

さくらんぼは、鉄を100gあたり0.3mg含んでいる。鉄は赤血球を構成するヘモグロビンの成分として知られており、不足すると貧血(鉄欠乏性貧血)などを引き起こす可能性もある。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は6.5mg、推奨量は7.5gとなっている(※4、※5)。

その4.ポリフェノール

さくらんぼ(特にアメリカンチェリー)は、ポリフェノールの一種であり、青紫色の天然色素であるアントシアニンを多く含んでいる。アントシアニンも「抗酸化物質」の一つであり、体内では活性酸素の発生や働きを抑えたり、活性酸素を取り除いたりする働きを持つと考えられている。

4. さくらんぼの栄養を効率よく摂るコツ

さくらんぼの栄養
さくらんぼはそのまま食べることも可能だが、βカロテンや鉄などを効率よく摂取するために工夫するのもおすすめ。脂溶性物質であるβカロテンは油脂と一緒に摂ると吸収効率がよくなるため、バターやオリーブオイルなどと一緒に食べるとよい。また、鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収効率がよくなるため、ビタミンCを多く含むフルーツや野菜などと一緒に食べるとよいとされている。

5. さくらんぼの栄養面に関するよくある質問

さくらんぼの栄養
ここまで、さくらんぼの栄養価や栄養素などを詳しく解説してきた。しかしまだ「さくらんぼは1日にどれくらい食べていいのか」や「アメリカ産のさくらんぼの栄養価はどうか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、さくらんぼの栄養面に関するよくある質問・疑問に回答する。

Q1.さくらんぼは1日にどれくらい食べていい?

さくらんぼの1日あたりの上限量は、明確には決められていない。しかし、農林水産省などが策定した「食事バランスガイド」によると(※7)、果物の1日あたりの目安量は2SV(=200g)となっている。さくらんぼ1粒の重さは8~12g程度なので、多くても15~20粒程度にしておくとよさそうだ。

Q2.米国産のさくらんぼとの栄養面の違いは?

「日本食品標準成分表」には、国産のさくらんぼだけでなく、米国産のさくらんぼの栄養価も収録されている。国産と米国産の栄養価を比較すると、米国産のほうが多くの栄養素で国産の栄養価を上回っている。しかし、βカロテンやビタミンCなどは、国産のさくらんぼのほうが多くなっている。

結論

甘酸っぱくて美味しいさくらんぼは、糖質・ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などをバランスよく含んでいる。また、抗酸化作用が期待できるアントシアニンなども含んでいるのが特徴だ。初夏の時期には美味しくて栄養素も摂れるさくらんぼを食べてみよう。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2017年5月21日

  • 更新日:

    2022年1月28日

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