1. シナノゴールドとは?
シナノゴールドとは、1983年に長野県で作られ、1999年に品種登録された黄色リンゴのことだ。ゴールデンデリシャスと千秋を交配して作られたシナノゴールドは、黄色い果皮と調和の取れた酸味と甘みが特徴。また、ジューシーでリンゴらしい食感を楽しむことができる。秋映(あきばえ)やシナノスイートと一緒に「りんご三兄弟」として知られており、国外からも注目を集めているという。
シナノゴールドの主な産地
シナノゴールドは長野県生まれのリンゴではあるが、農林水産省の「平成30年産特産果樹生産動態等調査」によれば(※1)、現在もっとも栽培が盛んなのは青森県(400.9ha)である。また、長野県(255.1ha)、岩手県(92.2ha)となっており、上位3県で全国の生産面積の約92.3%を占めている。
シナノゴールドの旬と流通時期
シナノゴールドは中生種のリンゴであり、通常は10月頃~11月頃に収穫される。また、最も美味しい時期も10月中旬~12月頃とされている。しかし、シナノゴールドは、貯蔵性が高い品種であるため、翌年6月頃まで流通しているそうだ。夏場を除けば比較的長期間食べられる果物である。
2. シナノゴールドの特徴や魅力とは?
リンゴにはさまざまな品種があり、それぞれ見た目・味わい・食感などが異なる。そこでここではシナノゴールドの特徴や魅力について一つずつ詳しく確認する。
その1.見た目がまん丸のキレイ
シナノゴールドは平均350g前後の重さで、通常は円形~長円形の見た目をしている。一般的なリンゴは300g程度の重さなので、シナノゴールドはやや大玉といえる。また、シナノゴールドは黄色リンゴの一種であり、果皮は熟すにつれて黄色みを帯びるようになる。中には表面に広がる果点(果皮上の点々)が目立つものや、日光をたくさん浴びて薄い赤色に染まっているものもある。
その2.ほどよい甘みと酸味がある
リンゴの糖度は平均13度ほどといわれているが、シナノゴールドは糖度が14~15度と高く甘みが強い。また、黄色のりんごには珍しく酸味が0.4~0.5%あり強いことが特徴だ。甘みの中に爽やかな酸味を感じられるりんごで、その甘みと酸味のバランスを楽しめる。柑橘類のような爽やかな風味が感じられるのも特徴の一つといえるだろう。
その3.サクサクと引き締まった食感
シナノゴールドは、果汁がたっぷりでジューシーさを楽しめる。また、果肉がややかたく緻密であり「サクサク」「パリッ」としたリンゴらしい食感も楽しむことができる。このシナノゴールドの食感は国外(特にヨーロッパ)からも高く評価されており、このことなどがきっかけでイタリアでの本格的な商業栽培が行われるようになったという。
3. 美味しいシナノゴールドの選び方
シナノゴールドは、ネット通販などでも購入することが可能だが、普通のスーパーや八百屋などでも見かけることが多い。もし自分で選べるなら以下で紹介しているような、果皮、重さ、触感などを参考に美味しいシナノゴールドを見つけるようにしよう。
- 果皮:お尻まで鮮やかな黄色のもの
- 重さ:持ったときに重みを感じるもの
- 触感:持った時に表面に粘り気があるもの
シナノゴールドは熟すと果皮が黄色く染まるため、黄緑の場合は未熟である可能性が高い。また、シナノゴールドは果汁が多いリンゴなので、同じ大きさでも持ったときに軽いものはジューシー感が足りない可能性がある。そのため、上記の3つのポイントを参考に美味しいシナノゴールドを選ぼう。
4. シナノゴールドの美味しい食べ方2選
ジューシーな食感と絶妙な味わいが特徴のシナノゴールドは、そのまま生で食べるのがおすすめだ。また、生食以外ではジュースにしたり、リンゴジャムなどに加工したりしてもよい。そこでここでは生食以外のシナノゴールドの美味しい食べ方を2種類紹介しておこう。
食べ方1.ジュースやスムージー
シナノゴールドのみずみずしさを活かして、フレッシュリンゴジュースやスムージーなどを作るのもおすすめだ。ジュースを作る場合は、ミキサーの中に皮を剥いたリンゴ、水、氷、レモン汁を入れて滑らかになるまで攪拌するだけで作れる。強い甘みと爽やかな酸味が楽しめるシナノゴールドを使って、贅沢なフレッシュジュースを作ってみよう。
食べ方2.ジャムや洋菓子
シナノゴールドを使ったジャムや洋菓子などに使うのもおすすめ。シナノゴールドを使うことで、鮮やかな黄色を活かした料理が完成する。ジャムを作る場合は、鍋に薄くスライスしたシナノゴールドと砂糖を入れて火にかける。それから水分がなくなるまで煮詰めたら、レモン汁を加えて完成だ。リンゴの香りと甘みがいっぱいのジャムは、トーストやヨーグルトにトッピングしたりして使おう。
5. シナノゴールドの正しい保存方法
シナノゴールドは日持ちしやすい果物ではあるが、高温や乾燥などには弱く鮮度が落ちやすい。そのため、家庭で保存する際は、1個ずつ新聞紙に包んでビニール袋に入れてから、直射日光を避けて冷暗所や野菜室などで保存しよう。ただし完熟したシナノゴールドは、時間が経つと劣化してしまう。購入後はできるだけ早くシナノゴールドを食べるようにしよう。
結論
シナノゴールドは黄色リンゴの一種で、果皮が鮮やかな黄色であるのが特徴だ。また、触感はシャキシャキとしており、味わいは強い甘みと爽やかな酸味の両方を備えている。生食で食べるのが一番美味しいが、ジュースやジャムなどに加工しても美味しい。10月~6月頃に多く出回るので、興味があるならスーパーや八百屋などで探してみよう。
【参考文献】
- ※JA全農「シナノゴールド」
https://vegemart.net/apple/kind/10_sg.html - ※:JA全農長野「シナノゴールド」
https://www.nn.zennoh.or.jp/products/fruits/more/apple/post-11.php - ※1:農林水産省「特産果樹生産動態等調査」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tokusan_kazyu/
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