1. カロリーゼロ理論とは?
カロリーゼロ理論(0キロカロリー理論)とは、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさんが提唱したカロリーに関する自説である。完全なボケではあるが「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の企画「ついつい食べ過ぎちゃう芸人」などでは、もっともらしい理由と滔々とした語り口から「本当に0キロカロリーなのかも」と思わせてくれる面白さがあった。
カロリーゼロ理論の真相は?
カロリーゼロ理論は伊達さんのボケであるが、巷では信じている人もいたようだ。それもあり栄養士から指摘されたこともあるという。また、所属事務所が運営しているYouTube公式アカウントの動画「【公式】伊達のカロリーゼロ理論は本当か検証」では、管理栄養士の立ち合いのもと事実の検証(科学的な観点からのツッコミ)も行っている。
2. 代表的なカロリーゼロ理論と実際のカロリー
伊達さんが提唱したカロリーゼロ理論には、「ドーナツがゼロカロリーである」などさまざまな種類がある。ここではそんな代表的なカロリーゼロ理論と、実際のカロリーについて確認してみよう。なお、カロリーは文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」を参考にしている(※1)。
その1.ドーナツのカロリーゼロ理論
伊達さんによれば、そもそも甘いもののカロリーは真ん中に集まる性質があるが、ドーナツは中央部分がくり抜かれているためカロリーがないというのだ。しかし、「カロリーは真ん中に集まる」という性質はなく、中央がくり抜かれていることもゼロカロリーとは関係がない。そのため、以下のようにドーナツにはしっかりとカロリーが含まれている。
- イーストドーナッツ:386kcal/100g
- ケーキドーナッツ:375kcal/100g
その2.カステラのカロリーゼロ理論
伊達さんによれば、カロリーは潰すと空気中にふわっと飛んでいく性質があるため、カステラをぎゅっと潰して食べるとカロリーは無くなってしまうそうだ。しかし、「潰すとカロリーが空気に飛散する」という性質はないため、どんなにカステラを小さく潰しても以下のようにカロリーは残っている。
- カステラ:319kcal/100g
その3.アイスのカロリーゼロ理論
伊達さんによれば、カロリーは凍ってしまう性質があるため、アイスのような冷たい食品の場合にはカロリーがなくなってしまうそうだ。しかし、「カロリーが凍る」という現象はないため、冷たいアイスにも当然カロリーがある。また、アイスにはさまざまな種類があり、以下のようになっている。
- アイスクリーム(普通脂肪):180kcal/100g
- アイスミルク:167kcal/100g
- ラクトアイス(普通脂肪):224kcal/100g
- ソフトクリーム:146kcal/100g
3. ゼロカロリーの食品や飲料はある?
現在は「ゼロカロリー食品」も販売されており、本当にカロリーが含まれていない食品も存在する。しかし、実は「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」に掲載されているものの中にも、いくつかゼロカロリーの食品がある。そこでここでは一般の食品の中からゼロカロリーのものも紹介する。
その1.塩(食塩・並塩など)
食塩・並塩・精製塩などの塩はほぼナトリウムで構成されており、炭水化物・たんぱく質・脂質などは一切含まれていないためカロリーは0kcalとなっている。なお、ゼロカロリーだからといって使いすぎてしまうと塩分過多になる可能性があるため注意が必要だ。
その2.お茶(ほうじ茶・玄米茶など)
ほうじ茶・玄米茶・ウーロン茶・番茶などのお茶はほぼ水分で構成されており、ほぼ炭水化物・たんぱく質・脂質などを含んでいないため0kcalとなっている。一方で、紅茶・麦茶・煎茶はわずかに炭水化物などを含んでおり1~2kcalとなっている。なお、0kcalなのはあくまで飲み物の場合であり、茶葉はカロリーを含んでいる。
結論
伊達さんが提唱した「カロリーゼロ理論」は、アメトーク大賞2017&2018で流行語部門1位を獲得するなど人気のボケの一つである。しかし、こちらの理論はあくまでもネタであり、科学的に正しいということはない。そのため、カロリーゼロ理論はボケとして楽しむだけにしておこう。
【参考文献】
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
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