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ゴールドラッシュってどんなとうもろこし?生でも食べられるって本当?

ゴールドラッシュってどんなとうもろこし?生でも食べられるって本当?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 氏家晶子(うじいえあきこ)

鉛筆アイコン 2020年4月 7日

ゴールドラッシュ、なんとも縁起のよさそうな名前である。神奈川県の種苗会社が、初めて日本で販売開始したとうもろこしの品種名だ。2002年頃から市場に流通が始まり、皮が柔らかでさわやかな甘みがある、いまでも人気の定番品種である。今回は、ゴールドラッシュについて紹介する。

  

1. 日本のとうもろこしの来歴

そもそも日本のとうもろこしはどこから来たかというと、1579年にポルトガル人が日本にほかの野菜と一緒に伝えたのが始まりといわれている。九州四国の山間部で定着し、江戸時代にはもう、日本にある程度広がっていたようだ。とくに水田や田畑が展開し難い地域で栽培され、貴重な食糧となっていた。この時期に栽培されていたのはフリントコーン(硬粒種)であった。そののち、本格的にとうもろこしが栽培されるようになったのは、明治時代に入ってからである。
その大きなきっかけのひとつに、北海道開拓があった。北海道農業試験場が、アメリカから、現在の食用とうもろこしの品種であるスィートコーン(甘味種)を導入したのだ。いままでのフリントコーンとは違う味わいに注目が集まった。品種名は「ゴールデンバンダム」。さらに、昭和時代の中ごろに、国内の業者らがこぞってスーパースィート種を輸入販売しはじめ、いまでも食べられている「ハニーバンダム」などが導入された。国内でのスーパースィート種のとうもろこし人気がどんどん高まり、産地は北海道のみならず、日本全土に広がっていった。そして2002年に国内の大手種苗会社から、ゴールドラッシュが販売されたのだ。

2. ゴールドラッシュとは

ゴールドラッシュは、神奈川県の種苗会社が育成栽培した品種で、皮の薄いとうもろこしを目指した。研究開発には10年かかったといわれている。結果として、生でも食べられるほど皮が柔らかで、甘みの強い、大きく育つ品種ができあがった。

味わい

ゴールドラッシュが目指した味は、「とうもろこし本来の美味しさ」。質の高い、さわやかな甘みを感じさせる味わいだ。ゴールドラッシュは皮が柔らかいので、口の中に皮が残りにくく、従来のものに比べて歯に挟まりにくいのが人気の秘密のひとつだ。粒は大きくジュージー。香りもいいので、とうもろこしの特有の青臭いにおいもなく、生で食べることができる画期的な商品だった。

収穫期は5~8月下旬まで、夏の間は楽しむことができる。夏の定番である焼きとうもろこしも、旬の甘いとうもろこしを存分に楽しむことができる調理法である。

姿形と特徴

ゴールデンコーンとは日本では黄粒種という、粒がすべて黄色いとうもろこしを指す。そのせいか、とうもろこしはゴールデンやゴールドという名前が付いたものが多い。もちろんゴールドラッシュも黄粒種である。火を通すとさらに色がのり、確かに黄金色と表現したくなる気持ちもわかるというものだ。サイズは大きめで、Lから2Lサイズが平均。とうもろこしの多くは、穂先にいくほど粒が小さく未熟果がある。これを先端不稔という。だがゴールドラッシュは先端まで粒がぎっしり実っているのも特徴的だ。糖度は環境にもよるが15~18度、最近のとうもろこしは、一般的なメロンやいちごより甘い。

3. 生産地にあわせたゴールドラッシュ

ゴールドラッシュにはいくつか種類がある。環境によって種類を変えることができよう改良されたものだ。

ゴールドラッシュ86

粒柔らかでさわやかな甘み、ゴールドラッシュと同じ特徴をもつ。中早生、収穫日数は86日が目安なので、ゴールドラッシュ86と名前がついた(ゴールドラッシュは83~84日)。
ゴールドラッシュにはあまり向かない、路地マルチング栽培という栽培方法に向いていて、比較的暖かい地方向けの品種だ。またゴールドラッシュより実が一回り大きいのも特徴的だ。

ゴールドラッシュ88

こちらは寒冷地向けの品種だ。中生で収穫まで88日の日数がかかる。ゴールドラッシュ86より甘みがさらに強調されていて、食味もいい。とうもろこしは、品種にあった適期収穫をしなければならないが、適期が非常に短く、2~3日しかない。収穫が早いと実詰まりが悪く水分量が多くて柔らかく、逆に遅いと水分量が少なく、しなびてしまう。見極めが非常に重要なのである。このゴールドラッシュ88は、ゴールドラッシュよりもしなびにくいのも特徴だ。

ゴールドラッシュ90

耐暑性があるので、露地栽培にも向く品種である。中晩生で収穫までの日数は約90日。ゴールドラッシュと同じような特徴をもっているが、これは香りが強くてフルーティーな香りである。これもゴールドラッシュ88と同じく、適期をすぎてもしなびにくい。また非常に茎が伸び2mを超えるが、台風などの強風にも倒れにくく収穫作業が容易であることも特徴だ。病気にも強く、栽培にあまり心配がいらない品種である。

結論

ゴールドラッシュは「みわくのコーン ゴールドラッシュ」で商標登録がされている。2004年に発表されてから、定番品種として定着したが、地域性に応じて、さまざまな改良がほどこされているのだ。夏の風物詩であるとうもろこしもさまざまな種類がある。種類に注目して食べてみるのも面白い。
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  • 公開日:

    2019年10月19日

  • 更新日:

    2020年4月 7日

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