1. ドライイーストとベーキングパウダーの違い

ドライイーストとベーキングパウダーは、いずれもパン作りや焼き菓子作りなどで使われることが多い。しかし、これらは原材料が異なり、生地が膨らむ仕組みや仕上がりも違っている。ここではドライイーストとベーキングパウダーの主な違いについて確認しておこう。
1.原材料が異なる
ドライイーストの原材料はパン酵母(イースト菌)と呼ばれる微生物であり、この生イーストを乾燥させたものを指す。また、予備発酵が不要なものは「インスタントドライイースト」と呼ばれる。一方、ベーキングパウダーとは重曹(ベーキングソーダ)に酸性剤などを加えた膨張剤を指す。
2.仕組みが異なる
ドライイーストもベーキングパウダーも、炭酸ガスの力で生地を膨らませるが、その仕組みはそれぞれ異なる。ドライイーストは、イースト菌(微生物)が生地に含まれる糖分を分解することで炭酸ガスを発生させる。一方、ベーキングパウダーは水分と熱による化学反応で炭酸ガスを発生させる。
3.仕上がりが異なる
ドライイーストとベーキングパウダーでは仕上がりにも違いが見られる。ドライイーストで作ったパンは膨らませる力が強いため、フワフワとした柔らかい生地に仕上がる。一方、ベーキングパウダーは膨らませる力が弱いため、サクサクした軽い食感の生地に仕上がる傾向がある。
2. ドライイーストの基本的な使い方

ドライイーストは予備発酵が不要な「インスタントドライイースト」が主流だが、「サフ ドライイースト」などのように予備発酵が必要なものもある。ここではドライイーストの予備発酵のやり方や使い方を中心に確認しておこう。
ドライイーストの予備発酵のやり方・手順
1.イーストの5倍の量のぬるま湯(38~40℃)を用意する
2.(1)のぬるま湯に少量の砂糖を加えてよくかき混ぜる
3.イーストをぬるま湯にまんべんなく振りかけて7~8分放置する
4.全体をゆっくりと混ぜてペースト状になったら6~7分放置して完了
※ぬるま湯を湯煎して温度を下げないようにするのがポイント
2.(1)のぬるま湯に少量の砂糖を加えてよくかき混ぜる
3.イーストをぬるま湯にまんべんなく振りかけて7~8分放置する
4.全体をゆっくりと混ぜてペースト状になったら6~7分放置して完了
※ぬるま湯を湯煎して温度を下げないようにするのがポイント
ドライイーストの基本的な使い方・手順(パン作り)
1.お湯で戻したドライイーストを生地に混ぜる
2.生地をよく捏ねてから、丸い形に整えておく
3.ボウルに生地を置いて、食品用ラップをかける(一次発酵)
4.生地のガスを抜いてから等分しておき15分程度休ませる
5.丸めた生地を鉄板に並べて、温かい場所に置いておく(二次発酵)
6.余熱しておいたオーブンで生地を焼いたら出来上がり
2.生地をよく捏ねてから、丸い形に整えておく
3.ボウルに生地を置いて、食品用ラップをかける(一次発酵)
4.生地のガスを抜いてから等分しておき15分程度休ませる
5.丸めた生地を鉄板に並べて、温かい場所に置いておく(二次発酵)
6.余熱しておいたオーブンで生地を焼いたら出来上がり
3. ベーキングパウダーの基本的な使い方

ベーキングパウダーは予備発酵が不要であるため、生地に混ぜて使うだけで良い。ここではベーキングパウダーの基本的な使い方について確認しておこう。
ベーキングパウダーの基本的な使い方・手順(クッキー作り)
1.小麦粉と一緒にベーキングパウダーをふるいにかける
2.バターをクリーム状になるまで練る
3.砂糖を加えて滑らかになるまで混ぜる
4.卵を加えて滑らかになるまで混ぜる
5.(1)を加えて全体をよく混ぜ合わせる
6.(4)をラップに包み棒状にしてから冷蔵庫に入れる
7.冷えて固まった生地を包丁で適当な厚みにカットする
8.余熱しておいたオーブンで生地を焼いたら出来上がり
2.バターをクリーム状になるまで練る
3.砂糖を加えて滑らかになるまで混ぜる
4.卵を加えて滑らかになるまで混ぜる
5.(1)を加えて全体をよく混ぜ合わせる
6.(4)をラップに包み棒状にしてから冷蔵庫に入れる
7.冷えて固まった生地を包丁で適当な厚みにカットする
8.余熱しておいたオーブンで生地を焼いたら出来上がり
結論
ドライイーストとベーキングパウダーは同じような働きが期待できるが、生地を膨らませる仕組みや使い方、仕上がりなどが違っている。これらの違いをしっかりと理解しておけば、ドライイーストとベーキングパウダーをそれぞれの材料で代用することもできるだろう。
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