目次
1. ラクトアイスとは?

ラクトアイスとは、アイスクリーム類の1種で、乳固形分3.0%以上のものを指す(※1)。ラクトはラテン語で乳を意味する「lac(lacto)」を語源にしているという。アイスクリームやアイスミルクなどと乳脂肪分に関する規定がなく、乳脂肪分の代わりに植物性油脂が使われているものも多い。また、ほかの2つよりも乳脂肪分が少ないため、ミルクの濃厚さがなく口当たりがサッパリしている。
ラクトアイスの特徴は?
ラクトアイスの特徴には、乳脂肪分を使う必要がないため、ほかの2つよりも安価であること。また、数多くの商品が販売されており、充実のラインナップから好みのアイスを選べることなどがある。例を挙げたらキリがないが、有名な商品でいうと「エッセル スーパーカップ(明治)」「パピコ チョココーヒー(江崎グリコ)」「クーリッシュ(ロッテ)」などがラクトアイスに分類されている。
2. ラクトアイスの基本的な栄養価

文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には(※2)、「ラクトアイス(普通脂肪)」と「ラクトアイス(低脂肪)」という2種類の栄養価が収録されている。ここでは基本となる「ラクトアイス(普通脂肪)」の100gあたりの栄養価を紹介する。
ラクトアイス(普通脂肪)100gあたりの栄養価
・エネルギー:217kcal
・たんぱく質:3.1g
・脂質:13.6g
・炭水化物:22.2g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:9.11g
・一価不飽和脂肪酸:3.67g
・多価不飽和脂肪酸:0.62g
・ビタミン
・ビタミンA(レチノール):10μg
・ビタミンD:Tr
・ビタミンE:0.6mg
・ビタミンK:1μg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.15mg
・ナイアシン:0.4mg
・ビタミンB6:0.01mg
・ビタミンB12:0.2μg
・葉酸:1μg
・パントテン酸:0.51mg
・ビオチン:1.7μg
・ビタミンC:Tr
・ミネラル
・ナトリウム:61mg
・カリウム:150mg
・カルシウム:95mg
・マグネシウム:12mg
・リン:93mg
・鉄:0.1mg
・亜鉛:0.4mg
・銅:0.01mg
・マンガン:0.01mg
・ヨウ素:19μg
・セレン:3μg
・クロム:0μg
・モリブデン:3μg
・食物繊維:0.1g
(・水溶性食物繊維:0.1g)
(・不溶性食物繊維:0g)
・たんぱく質:3.1g
・脂質:13.6g
・炭水化物:22.2g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:9.11g
・一価不飽和脂肪酸:3.67g
・多価不飽和脂肪酸:0.62g
・ビタミン
・ビタミンA(レチノール):10μg
・ビタミンD:Tr
・ビタミンE:0.6mg
・ビタミンK:1μg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.15mg
・ナイアシン:0.4mg
・ビタミンB6:0.01mg
・ビタミンB12:0.2μg
・葉酸:1μg
・パントテン酸:0.51mg
・ビオチン:1.7μg
・ビタミンC:Tr
・ミネラル
・ナトリウム:61mg
・カリウム:150mg
・カルシウム:95mg
・マグネシウム:12mg
・リン:93mg
・鉄:0.1mg
・亜鉛:0.4mg
・銅:0.01mg
・マンガン:0.01mg
・ヨウ素:19μg
・セレン:3μg
・クロム:0μg
・モリブデン:3μg
・食物繊維:0.1g
(・水溶性食物繊維:0.1g)
(・不溶性食物繊維:0g)
3. 皆が大好きな人気のラクトアイス3選

ラクトアイスは、さまざまな食品メーカー・アイスショップなどからたくさんの種類が販売されている。ここでは数多くのラクトアイスの中から、特に人気の商品をいくつか紹介する。
その1.明治「エッセル スーパーカップ 超バニラ」
「エッセル スーパーカップ 超バニラ」は、明治のスーパーカップシリーズの定番アイスである。濃厚なバニラ感、滑らかな舌ざわり、1カップ200mlの大容量が特徴で、ラクトアイスだけでなくバニラアイスの中でも人気が高い。最近はスーパーカップと別の食材(フルーチェなど)を組み合わせた新感覚スイーツにも注目が集まっている。手ごろな価格で満足感があるのが人気の理由のようだ。
その2.有楽製菓「ブラックサンダーアイス」
「ブラックサンダーアイス」は、ブラックサンダーで有名な有楽製菓が販売しているラクトアイスである。ブラックサンダーは若者を中心に人気を集めている、ザクザクとしてクッキーが入ったチョコレート。そんなブラックサンダーのクッキーをゴロゴロとたくさん詰め込んだのが「ブラックサンダーアイス」だ。ブラックサンダーを程よい柔らかさにしたようなアイスを楽しむことができる。
その3.丸永製菓「しろくま」
「しろくま」は、アイスクリーム・氷菓の老舗メーカーである丸永製菓が販売しているラクトアイスである。フルーツ・あずき・練乳の3つが特徴であり、シンプルで飽きのこない味わいが人気となっている。また、アイスバータイプ・カップタイプが販売されており、味付けも定番・トロピカル・練乳いちどなど豊富。複数入っているマルチパックもあるため、買い置きしておくのにも便利である。
4. ダイエッターにおすすめのラクトアイス2選

近年は、低脂肪タイプのようなダイエッター向けのラクトアイスも販売されている。まだあまり商品数は多くないが、以下のような低脂肪ラクトアイスは普通のスーパーでも購入可能だ。ダイエット中の人は探してみるといいかもしれない。
その1.江崎グリコ「SUNAO チョコ&バニラソフト」
江崎グリコは、「SUNAO」という低糖質にこだわったアイスシリーズを展開している。一部アイスミルクの商品もあるが、「チョコ&バニラソフト」などはラクトアイスに分類されている。SUNAOシリーズの特徴は濃厚な味わいはそのままに、豆乳やトウモロコシなどを原材料に使うことで低カロリー・低糖質を実現していること。
その2.ロッテ「ZERO アイスケーキ」
ロッテは、「ZERO」という砂糖ゼロ・糖類ゼロのアイスシリーズを展開している。ラインナップにはアイスケーキや、ビスケットクランチチョコバーなどを販売しており、いずれも砂糖ゼロ・糖類ゼロであることが特徴だ。また、アイスケーキは1個あたり97kcalと比較的低カロリーとなっている。なお、ZEROは砂糖と糖類はゼロだが、糖質は10.7gとなっているので注意しよう。
5. ラクトアイスを食べる際の注意点

美味しくて人気のラクトアイスではあるが、一方で「ラクトアイスは体によくない」などといわれることもある。このように健康上のリスクが指摘されている理由についても確認しておこう。
注意点1.トランス脂肪酸を含んでいる
トランス脂肪酸とは、植物油を使う食品に含まれている脂肪酸の一種である。海外の研究報告によれば、トランス脂肪酸の過剰摂取を続けていると心筋梗塞などのリスクが高まるそうだ。また、厚生労働省によれば「ほとんどの日本人はWHOの定める基準値を下回っているため影響は小さいが、脂質に偏った食事をしている場合は過剰摂取を控えたほうがよい」という(※3)。回答を見る限りただちに摂取を控える必要はなさそうだが、食べ過ぎも健康上よくないので注意したほうがよさそうだ。
注意点2.脂質を多く含んでいる
ラクトアイスは乳脂肪分を含んでいないためカロリーは低いイメージがある。しかし「日本食品標準成分表」によれば、アイスクリームやアイスミルクよりも脂質量を多く含んでおり、100gあたりのカロリーも高くなっている。1回に食べる量でカロリー量は変わってくるが、食べ過ぎるとカロリーオーバーになる可能性もあるので注意しよう。
6. ラクトアイスに関するよくある質問

ここまで、ラクトアイスについて詳しく解説してきた。しかしまだ「アイスクリームにはどんな種類があるのか」や「乳固形分や乳脂肪分とは何か」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、ラクトアイスやアイスクリームなどに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.アイスクリームの種類と意味は?
アイスクリーム類にはアイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイスの3種類があり、これらは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」や「アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約と公正競争規約施行規則」によって以下のように厳密に区分されている(※1、4)。
【アイスクリームの区分方法】
・アイスクリーム:乳固形分15.0%以上(うち乳脂肪分8.0%以上)のもの
・アイスミルク:乳固形分10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)のもの
・ラクトアイス:乳固形分3.0%以上のもの ・氷菓:食用氷を砕いて凍らせた冷菓(※アイスクリームとは区別されている)
・アイスミルク:乳固形分10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)のもの
・ラクトアイス:乳固形分3.0%以上のもの ・氷菓:食用氷を砕いて凍らせた冷菓(※アイスクリームとは区別されている)
乳固形分と乳脂肪分とは?
アイスクリームは乳固形分と乳脂肪分の割合で区分されているが、この乳固形分と乳脂肪分というのは「牛乳に含まれる特定の成分」のことを指す。それぞれの詳細は以下のとおりである(※5)。
【乳固形分と乳脂肪分の違い】
・乳固形分:牛乳に含まれる水分以外の成分。「乳脂肪分」と「無脂乳固形分」に分けられる
・乳脂肪分:牛乳に含まれる脂肪成分のこと。飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸などで構成されている
・(補足)無脂乳固形分:牛乳に含まれるたんぱく質・炭水化物などの成分のこと
・乳脂肪分:牛乳に含まれる脂肪成分のこと。飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸などで構成されている
・(補足)無脂乳固形分:牛乳に含まれるたんぱく質・炭水化物などの成分のこと
結論
ラクトアイスとは、原材料に乳固形分(無脂乳固形分)を3.0%以上含んでいるが、乳脂肪分は特に含んでいないアイスのことである。その特徴には安く買えることや、たくさんのフレーバーを楽しめることなどだ。ここで紹介したラクトアイス以外にも数多くの種類があるので、スーパーやコンビニエンスストア、バラエティーショップなどで好みのものを探してみよう。
(参考文献)
- ※1:厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78333000&dataType=0&pageNo=1 - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※3:厚生労働省「トランス脂肪酸に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091319.html - ※4:アイスクリーム類及び氷菓公正取引協議会「公正競争規約」
https://www.icecream.or.jp/biz/fair/index.html - ※5:日本乳業協会「無脂乳固形分」
https://www.nyukyou.jp/dairy/index.php?rm=4&qa_id=468
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