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【管理栄養士監修】いちじくの栄養価!フィシンってどんな成分?

【管理栄養士監修】いちじくの栄養価!フィシンってどんな成分?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年11月19日

上品な甘みと爽やかな酸味が特徴の「いちじく」。夏頃から秋にかけて多く流通する果物であり、生食だけでなくドライや加工品としても流通している。今回は、そんな甘くて美味しいいちじくの栄養面について、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に解説する(※1)。

  

1. いちじくってどんな果物?

いちじくの栄養
いちじくとは、アラビア半島や南西アジアが原産といわれているクワ科イチジク属の植物のこと。また、その果実は生食されるほか、ドライイチジク(乾燥イチジク)や加工品にされることも多い。品種にもよるが、果糖とクエン酸を含んでおり、上品な甘みと優しい酸味が特徴となっている。日本でも商業栽培が盛んで、特に和歌山県、愛知県、兵庫県などは産地として知られている(※2)。

2. いちじくの基本的な栄養価

いちじくの栄養
「日本食品標準成分表」にはいちじく(生)、いちじく(乾燥)、いちじく(缶詰)の3種類の栄養価が収録されている。ここでは基本となる「いちじく(生)」の100gあたりの栄養価を紹介する。

いちじく(生)100gあたりの栄養価

・エネルギー:57kcal
・たんぱく質:0.6g
・脂質:0.1g
・炭水化物:14.3g
・脂肪酸
 ・飽和脂肪酸:0.02g
 ・一価不飽和脂肪酸:0.02g
 ・多価不飽和脂肪酸:0.05g
・ビタミン
 ・βカロテン:15μg
 ・ビタミンD:0μg
 ・ビタミンE:0.4mg
 ・ビタミンK:3μg
 ・ビタミンB1:0.03mg
 ・ビタミンB2:0.03mg
 ・ナイアシン:0.2mg
 ・ビタミンB6:0.07mg
 ・ビタミンB12:0μg
 ・葉酸:22μg
 ・パントテン酸:0.23mg
 ・ビオチン:0.4μg
 ・ビタミンC:2mg
・ミネラル
 ・ナトリウム:2mg
 ・カリウム:170mg
 ・カルシウム:26mg
 ・マグネシウム:14mg
 ・リン:16mg
 ・鉄:0.3mg
 ・亜鉛:0.2mg
 ・銅:0.06mg
 ・マンガン:0.08mg
 ・ヨウ素:0μg
 ・セレン:0μg
 ・クロム:Tr
 ・モリブデン:4μg
・食物繊維:1.9g
 (・水溶性食物繊維:0.7g)
 (・不溶性食物繊維:1.2g)

3. いちじくに含まれる特徴的な栄養素

いちじくの栄養
いちじくは、突出して多い栄養素は含んでいないものの、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などをバランスよく含んでいる。また「フィシン」というたんぱく質分解酵素を含んでいるのも特徴だ。ここでは、そんないちじくに多く含まれる栄養素・成分について詳しく解説する。

その1.ミネラル類

ミネラル類にはカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などがあるが、いちじくはこういったミネラル類をバランスよく含んでいる。ミネラル類はそれぞれ異なる働きをするが、いずれも身体を健康に保つために欠かせない(※3)。例えば、カリウムや鉄分には以下のような特徴がある。

【カリウム】

いちじくは、カリウムを100gあたり170mg含んでいる。カリウムにはナトリウムを排出する作用があるため、塩分摂取量が多い日本人にとっては重要な栄養素の一つとされている(※3)。なお、成人男性(18~64歳)の1日あたりの目安量は2,500mg、目標量は3,000mgとなっている(※4)。

【鉄分】

いちじくは、鉄を100gあたり0.3mg含んでいる。鉄は、赤血球内にあるヘモグロビンの構成成分となる栄養素だ。そのため、鉄が不足すると、貧血(鉄欠乏性貧血)などを引き起こすこともあるという(※3)。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推奨量は7.5mgである(※4)。

その2.食物繊維

いちじくは、食物繊維を100gあたり1.9g含んでいる。食物繊維は体内で消化・吸収されないものではあるが、ぜん動運動を活発にしたり、脂質・糖・ナトリウムなどを体外に排出したりする働きがあるといわれている(※3)。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目標量は21gである(※4)。

その3.フィシン

いちじくは、たんぱく質分解酵素の一種である「フィシン」を含んでいる。フィシンは、いちじく内に細菌が入ってきたときに、いちじくを守る働きを持つという。また、人間の体内ではたんぱく質の分解をサポートしてくれるため、食後や飲酒後にいちじくを食べるとよいとされている(※5)。

4. ドライいちじくや缶詰いちじくの主な栄養価

いちじくの栄養
「日本食品標準成分表」には「いちじく(生)」のほかに、「いちじく(乾燥)」や「いちじく(缶詰)」の栄養価も収録されている。そこで、100gあたりの主な栄養価をそれぞれ確認しておこう。

いちじく(乾燥)の主な栄養価

・カロリー:272kcal
・たんぱく質:3.0g
・脂質:1.1g
・炭水化物:75.3g
・食物繊維:10.7g

いちじく(缶詰)の主な栄養価

・カロリー:78kcal
・たんぱく質:0.5g
・脂質:0.1g
・炭水化物:19.4g
・食物繊維:1.2g

5. いちじくの栄養面に関するよくある質問

いちじくの栄養
ここまでいちじくの栄養価や栄養素を詳しく解説してきた。しかし中には「いちじくの糖質量はどれくらいか」「1日にどれくらい食べていいのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、いちじくの栄養面に関するよくある質問や疑問に回答する。

Q1.いちじくの糖質量はどれくらい?

「日本食品標準成分表」には、糖質量は記載されていない。しかし、生いちじくの100gあたりの炭水化物量は14.3g、食物繊維量は1.9gであるため、これらの数値から糖質量は12.4gと算出できる。なお、りんご(皮付き/生)の糖質量は14.3g、バナナ(生)の糖質量は21.4gであるため、ほかの果物に比べるといちじくの糖質量は低めとなっている。

Q2.いちじくは1日にどれくらい食べていい?

いちじくの上限量は、明確には決められていない。しかし、農林水産省などが策定した「食事バランスガイド」によると、果物の1日あたりの目安量は「2SV(=200g)」となっている(※6)。いちじくの平均的な重さは60~80g程度であり、可食部は約50~70gである。そのため、1日に2~3個食べれば十分といえる。なお、カリウムを多く含むため、腎臓疾患などがある場合は注意しよう(※7)。

結論

いちじくには目立った栄養素はないものの、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などをバランスよく含んでいる。また、たんぱく質分解酵素の一種である「フィシン」を含んでいるのも特徴である。低カロリー・低糖質であるため、食後のデザートとして食べるのもよいだろう。
【参考文献】
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※2:農林水産省「特産果樹生産動態等調査」
※3:e-ヘルスネット「トップページ」
※4:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
※5:JAグループ福岡「いちじく」
※6:農林水産省「「何を」「どれだけ」材料と料理区分」
※7:腎臓ネット「C.食事中カリウム制限の実践と問題点」
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  • 公開日:

    2020年2月18日

  • 更新日:

    2021年11月19日

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