このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
もりそばとざるそばの違いとは?その歴史や現在の違いなども紹介!

もりそばとざるそばの違いとは?その歴史や現在の違いなども紹介!

投稿者:食生活アドバイザー 吉田昌弘

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2022年5月 3日

1688~1704年の元禄時代に「ぶっかけそば」として広がったそば(蕎麦)。その後、紆余曲折がありかけ・もり・ざる・せいろなど、さまざまなスタイルのそばが誕生する。今回紹介するのは、このうちの「もりそば」と「ざるそば」についてである。いずれもそばをつゆ(汁)につけて食べる料理ではあるが、この2つの違いはどこにあるのだろうか。さっそくこの2つについて確認していこう。

  

1. もりそばとざるそばの違い

もりそばとざるそばの違い
もりそばとざるそばは、いずれもそばをつゆ(汁)につけて食べる料理である。そのため、一見すると同じ料理に思えるが、厳密にいうと「もりそば」と「ざるそば」は異なる料理となっている。そこでそれぞれの料理の特徴を確認しておこう。

もりそばとは?

もりそば(盛り蕎麦)とは、茹でて水で締めたそばをお椀・皿・セイロなどに盛り付けたそばのことである(セイロに盛り付ける場合は「セイロそば」とも呼ぶ)。一般的には器に盛り付けるのはそばだけであり、刻みのりなどはトッピングしない。また、つゆはざるそばに比べるとやや薄めとなっている。なお、もりそばの名前の由来には「器に盛ったから」「高く盛り付けたから」など諸説ある。

ざるそばとは?

ざるそば(笊蕎麦)とは、江戸時代中期に蕎麦屋の「伊勢屋(江東区深川)」がもりそばと区別するために売り始めた商品の一つで、茹でて水で締めたそばをザルに盛り付けたそばのことである。もりそばとの一番の違いは、このように盛り付ける器が異なることだ。その後、ざるそばには刻みのりをトッピングするようになり、つゆ(汁)は濃い目に作るのが一般的となっていった。

2. もりそばとざるそばの歴史

もりそばとざるそばの違い
前述のとおり、先に誕生したのはもりそばのほうであり、後からもりそばと差別化するためにざるそばが誕生したとされている。そんなもりそば・ざるそばを含めて「そばの歴史」を解説しておこう。

鎌倉時代~室町時代初期:そばがき

そば粉の歴史は古く、紀元前7000年頃まで遡るとされている。そんなそば粉を日本で麺料理として食べ始めたのは、鎌倉時代に入ってからだそうだ。しかし、鎌倉時代に食べられていたそばは、そば粉を固めた団子状のもの。現在でいうところの「そばがき」であったといわれている。

室町時代後期(戦国時代):そば切り

麺状のそばが誕生したのは、室町時代の後期(戦国時代)に入ってからだという。当時のそばは「そば切り」と呼ばれており、つなぎに小麦粉などが使われていないため麺を太めに切っていた。これが現在の「そば」のルーツであり、一般的に蕎麦という場合は「そば切り」のことを指す。なお、当時はそばを汁(つゆ)につけて食べていたとされている。

江戸時代:かけそば(ぶっかけそば)

麺状のそばが普及し始めた江戸時代(元禄の頃)には、江戸っ子の間でそばに汁をかけて食べる「ぶっかけそば」が流行する。その後、ぶっかけそばは「ぶっかけ」と呼ばれるようになり、寛政の頃には「かけ」と呼ぶようになった。なお、当時は食べ終わったあとに、器が空っぽになる程度の汁(つゆ)しか使わなかったそうだ。

江戸時代:もりそば

寛政の頃に江戸っ子の間でかけそばが流行ると、これと区別するために汁(つゆ)につけて食べるそばを「もりそば」と呼ぶようになる。室町時代までは「そば(そば切り)=汁(つゆ)につけて食べる」が一般的であったが、かけそばの誕生によって「もりそば」という呼び方が生まれたのだ。

江戸時代初期:セイロそば

江戸時代初期には、茹でるそばではなく「蒸すそば(蒸しそば切り)」が流行ったそうだ。そのときに使われていたのが「蒸籠(せいろう)」で、これが転じてセイロそばと呼ばれるようになったという。現在でもそばにセイロが使われているのは、このセイロそばの名残とされている。

江戸時代中期:ざるそば

江戸時代中期になると、蕎麦屋の「伊勢屋(江東区深川)」がこれまでと異なる趣向の「ざるそば」を提供し始める。器にザルを使うことで、水が溜まらないため最後まで美味しく食べられることが特徴だった。なお、刻みのりなどが使われるようになったのは、明治時代に入ってからである。

3. もりそばとざるそばの現在

もりそばとざるそばの違い
もりそばとざるそばの違いや歴史は前述のとおりだが、現在は「のりが乗っているかどうか」で区別することが多くなっている。それ以外の麺(材料)・つゆなどは同じというそば屋も多いようだ。また、現在はもりそばよりも「ざるそば」という名前が使われることが多い。ただし、ざるそばというメニューであっても、セイロなどに盛り付けている場合もある。

4. かけそばとの違いとは?

もりそばとざるそばの違い
そばには「かけそば」という種類もある。かけそばとは、もりそばやざるそばとは違い、そばに直接つゆをかけて作る料理のこと。基本的には温かいつゆをかけることが多く、冷たいつゆをかける場合には「ぶっかけそば」と呼ぶのが一般的である。また、天かすを加えた「たぬきそば」、油揚げを乗せた「きつねそば」などのように、トッピングによってかけそばのバリエーションがいくつかある。

結論

もりそばとざるそばは、いずれも器に盛り付けたそばを汁(つゆ)につけて食べる料理である。しかし、誕生した当時は盛り付ける器の種類が異なっていた。現在は「のりが乗っているかどうか」で判断することが多く、トッピングが何もなければ「もりそば」、のりがあれば「ざるそば」となっている。そば屋のメニュー表にもりそばとざるそばの2つがあったら、この違いを思い出してみよう。
(参考文献)
この記事もCheck!
  • 公開日:

    2020年2月19日

  • 更新日:

    2022年5月 3日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

人気記事一覧

急上昇
週間

新着記事一覧新着記事一覧