1. 蕎麦の基本

蕎麦は、かなり古くから日本で親しまれてきた食材。記録として残っているものでは、縄文時代にはすでに蕎麦が栽培されていたようだ。蕎麦は日照りや寒冷にも強く、栽培する土地をあまり選ばないので、凶作のときでも収穫を見込むことができると古くから重宝されていたようだ。
麺類としての発展
蕎麦自体は、栽培はされていたものの、現在の麺状のそばとして食べられていたわけでない。当時は、そばがきのようなものが主流だったようだ。麺類として発展したのは、江戸時代になってから。当初は、蕎麦粉オンリーだったが、つなぎに小麦粉を加えるようになるなど、時代に合わせて変化を遂げてきた。
ハレの日のそば
飢饉を支える存在として重宝されてきた蕎麦も江戸中期には、年越し蕎麦や引っ越し蕎麦など、ハレの日に食べる食材として知られるようになっていた。この風習は今でも根強く残っている。蕎麦文化は、江戸で花咲き、さらに進化したと言えそうだ。
2. 蕎麦の映える盛り付け

高く盛る
蕎麦、なかでも冷たい蕎麦は盛り付けが美味しさの鍵を握る。基本の盛り付けは、蕎麦を高く盛ること。いわゆるせいろや蕎麦専用皿がなければ、普通の皿でも問題ない。すっきり高く盛るためには、水洗いしたのち、しっかりと水を切ること。そして蕎麦を手にしたら、ゆるく巻きながら高さを出すのが正解。これは清潔な手で行うのが1番。上に刻み海苔を飾ってもいいだろう。
1口ずつ盛る
新潟県の名産、へぎそばなどでは常識だが、1口ずつ小分けにして盛るのも一考。これなら、女性や子どもにも食べやすい。盛り方は簡単。しっかりと水を切った蕎麦を1口分、手に取り、揃えて並べるだけ。丸めてもよし、手繰りと呼ばれる縦長の円状にしてもいい。また、1口分にまとめ、その上にネギなどの薬味や錦糸卵などをトッピングしてもいいだろう。より華やかになる。
3. 盛り付けと器の関係

蕎麦専用皿なしでもOK
すのこのついた蕎麦専用皿がないと蕎麦を上手に盛り付けることができないと思っている人がいたら、それは間違い。確かに専用皿があれば、それらしくはなるが、おしゃれに盛り付けるなら、逆に普通の和皿の方がいいケースもある。100円均一で販売されている小さめのすのこを用意してもいいだろう。
丸型の和皿に高く盛る
おすすめは、8寸程度の中皿に1人分を盛り付ける方法。1寸はおよそ3cmなので、8寸は24cm。これくらいあれば、周りに余白がしっかりと残り、こなれた表情に仕上がる。小さい皿にぎゅうぎゅうに盛り付けるのは、盛り付けの基礎としてもNG。余白を意識して盛り付けよう。
手持ちの皿を活用する
ガラスの器や皿は、涼しげな雰囲気を演出してくれるので、夏の冷たい蕎麦を盛り付けるのには最適。1口ずつに盛り付けるのなら、豆皿や蕎麦猪口を利用してもいいだろう。近頃では、ジャーと呼ばれるガラス瓶の保存容器に、蕎麦をつけ汁とともに入れる、なんていういかにも映える盛り付け方法も。
結論
茹で上がった蕎麦は、冷水でしっかりと水洗いして、水を切ることが重要。ここをしっかりと守れば、蕎麦専用皿以外でも盛り付けることができる。1口にしたり、高く持ったり、少しの工夫で見た目の美味しさも倍増。ぜひ、ザルのままではなく、きちんと盛り付けて蕎麦を楽しもう。