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「手繰る(たぐる)」のか「すする」のか、江戸で生まれた蕎麦の粋な食し方

「手繰る(たぐる)」のか「すする」のか、江戸で生まれた蕎麦の粋な食し方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2020年4月 7日

江戸時代に「蕎麦がき」から、「蕎麦切り」になって、今のような食べ方になったという蕎麦。江戸の庶民の暮らしを描いた落語の中にもよく出てきて、蕎麦を「手繰る」、蕎麦を「すする」という表現を耳にする。手繰ったり、すすったりされる、蕎麦について少々考察してみよう。

  

1. 江戸庶民の食べ物として愛された蕎麦

江戸の庶民たちの暮らしを描いた落語の中でもお馴染みの蕎麦。なかでも「時そば」は有名で、夜中に天秤をかついで二八蕎麦を売る屋台が出てきて、「おやじ、いま何時でえ」と聞き、蕎麦代をなんとかごまかそうとする、何度聞いても笑える噺(はなし)だ。

そんな落語を聞いていたからか、蕎麦は粋な江戸庶民の食べ物だという印象がある。蕎麦を手繰るというのも、いかにもそんな江戸っ子らしい言い方の1つといえそうだ。それもそのはず、もともと江戸の大工たちが、蕎麦のことを下縄(さげなわ)と呼んでいたことが語源らしい。蕎麦を縄に見立てて食べるを手繰ると言った、ちょっとべらんめえな感じに江戸っ子の気風が感じられる。

2. 蕎麦切りが面倒で生まれた「かけ蕎麦」

手繰るという言葉に合う蕎麦は、なんとなくだが、蕎麦つゆに浸して食す「もりそば」のような気もする。本当の蕎麦好きは、つゆをほんの少しだけしかつけないとはよく聞くが、箸で手繰るたびに口の中に広がる蕎麦の味と香りは、好きな者には実にたまらない食味なのだろう。

一方、熱々のつゆをかけた、かけ蕎麦は、つゆを1回1回つけて食す蕎麦きりは面倒と思った、江戸庶民の間で生まれたもの。熱いつゆをぶっかけたかけ蕎麦は、いかにも汁ごと蕎麦をすするという感じがしなくもない。せっかちな江戸っ子が大急ぎで、小腹を満たした様子を彷彿とさせる。

結論

手繰るもすするも、江戸の庶民が蕎麦の食感を楽しんでいたからこそ生まれた表現。次に友人を蕎麦屋に誘う時には、「ちょいと手繰っていかないか」などと言ってみるのも一興だ。

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  • 公開日:

    2018年11月 5日

  • 更新日:

    2020年4月 7日

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