1. そばの種類

一般にそばとは、そば粉を原料とした麺のことで、「そば切り」「日本そば」とも呼ばれる。そば粉が採れる「そば」という植物はタデ科の1年草。稲作ができない土壌や厳しい気候で育つので救荒作物として活用され、そばの実を挽いたそば粉を熱湯で練って食す「そばがき」にして食していたという。その後、江戸時代の初期あたりから、うどんなどに着想を得て、そば切りという現代に通じる食べ方になった。江戸時代の中期にはそば切り専門の屋台が登場、江戸で広く普及し、現代に至っている。
殻が付いたままのそばの実は「玄そば」、殻を取り除き割れずに原形をとどめているものが「丸抜き」。この丸抜きを挽いてそば粉を作り、打って、切ってそばにしていく訳だが、そば粉だけで打つと切れやすいので、小麦粉やふのり、卵、やまいもなどのつなぎを混ぜて作る場合もある。用いるそば粉の種類、つなぎとの配合、打ち方によって、色も香りも味も多彩なそば。生麺と乾麺もあり様々な種類がある。
殻が付いたままのそばの実は「玄そば」、殻を取り除き割れずに原形をとどめているものが「丸抜き」。この丸抜きを挽いてそば粉を作り、打って、切ってそばにしていく訳だが、そば粉だけで打つと切れやすいので、小麦粉やふのり、卵、やまいもなどのつなぎを混ぜて作る場合もある。用いるそば粉の種類、つなぎとの配合、打ち方によって、色も香りも味も多彩なそば。生麺と乾麺もあり様々な種類がある。
- 更科そば
胚乳部分のみを挽いた、白い粉を用いる。更科粉、または一番粉ともいう。ほのかな香りと甘味があり、喉越しが良いそばに仕上がる。デンプン質が多く色が白いのが特徴。 - いなかそば
一番粉以降に生まれる、甘皮ごとひきこんだ全層粉などで打ったもの。地粉の玄そばを直接石臼などで挽いた自家製の粉を使う場合もある。一般的に色が黒く、野趣あふれるそば本来の香りが強い。 - 十割そば
つなぎを一切使わず、そば粉100%で打ったもの。コシがあり、強いそばの香りと風味が魅力。 - 二八そば
小麦粉2割、そば粉8割の配合バランスで打ったそば。その昔、そばの値段が16文だったので、掛け算の九九「2×8=16」にちなんで、この名が付いたという説もある。 - 変わりそば
更科粉に様々な素材を練り込んで打ったそば。柚子、芥子、紫蘇、菊など、季節それぞれの趣を楽しむもの。 - 茶そば
そば粉に抹茶を練り込み作る。茶の風味と色合いを楽しむそばで、食す前に湯通しすることで、茶とそばの香りが立ちのぼる。 - 寒ざらしそば
真冬の厳寒期に冷たい清流に浸した後、寒風にさらして乾燥させたそばの実を挽いて打ったそば。アクが極めて少なく、甘味が増す。 - 韃靼そば
日本で一般的に食されるそばは、中国では「甘そば」と呼ぶ。その一方で、「苦そば」と呼ばれているのがこの「韃靼そば」だ。ポリフェノールの1つであるルチンが豊富に含まれることから国内での栽培も増え、全粒粉のそば粉で打つ。
2. そばの旬と特産地

そばの旬といえば、そばの実が収穫され、「新そば」の暖簾が蕎麦屋の店頭に掲げられる頃だろうか。一般的にはその年の秋、9月下旬~11月初旬あたりに収穫されたそばの実を挽き、打ったものを指す。また、そばには6~8月あたりに収穫する夏型のものもあり、これらは「夏新そば」と呼ばれている。
そばの産地としては、生産量がダントツで多いのが北海道で、全国シェアの半分に迫る。なかでも幌加内町は作付け面積、生産量共に日本最大級。7月下旬~8月にかけて、そばの可憐な白い花であたり一面が真っ白に染まる風景から、幌加内には2度雪が降るといわれるほどだ。
北海道に続く産地は、長野県や茨城県。他、南北に長い全国各地で栽培されるそばは、地域によって新そばを楽しめる時期が若干異なってくる。北海道では8月下旬頃から、九州から沖縄にかけては1月下旬まで美味しい新そばを楽しめる。
そばの産地としては、生産量がダントツで多いのが北海道で、全国シェアの半分に迫る。なかでも幌加内町は作付け面積、生産量共に日本最大級。7月下旬~8月にかけて、そばの可憐な白い花であたり一面が真っ白に染まる風景から、幌加内には2度雪が降るといわれるほどだ。
北海道に続く産地は、長野県や茨城県。他、南北に長い全国各地で栽培されるそばは、地域によって新そばを楽しめる時期が若干異なってくる。北海道では8月下旬頃から、九州から沖縄にかけては1月下旬まで美味しい新そばを楽しめる。
3. そばの選び方&食べ方

独特の風合いと食感が命とされるそば。風味の劣化も早いため、「ひきたて、うちたて、茹でたて」といった、そばの「三たて」が昔から尊重されている。そばの選び方といえば、できるだけこの3条件が揃う蕎麦屋で食すのが最高だろう。更級か、いなかか、もりか、かけかは、好み次第だといえそうだ。
- もりそば(蒸籠そば)
江戸時代初期は「蒸籠(せいろ)」を使い、蒸しあげていたそば。その後茹でるようになっても、そばを盛り付ける器にそのまま転用したことから、蒸籠に盛られたそばの名称になった。そば本来の風味を存分に堪能できる。 - ざるそば
竹で編まれた笊に冷たいそばを盛って出したことに由来。明治以降、一般的に刻み海苔が載っているものを指す。 - かけそば
温められたそばに、熱い汁をかけて食べるそば。江戸時代、せっかちな江戸っ子がつゆをかけて食べるようになったことが発祥とされる。
結論
江戸時代は、そば通や武士は「もり」、町人は「かけ」、農民は「うどん」といわれていたという。地方ごとにもじつに様々なそばの食べ方があり、語り尽くせないほど奥深い。昼は立ち食いで「かけ」、夜は蕎麦屋で「もり」で一献。そんな使い分けもできて、楽しみは尽きない。