目次
1. 桃の基本的な栄養価

「日本食品標準成分表」には、生の桃(白肉種・黄肉種・ネクタリン)、桃の缶詰、桃の果汁入り飲料などの栄養価が収録されている。まずは基本となる「桃(生/白肉種)」の100gあたりの栄養価を確認しておこう。なお、糖質量は収録されていないため「炭水化物-食物繊維」で計算している。
桃100gあたりのカロリーと糖質量
- エネルギー:38kcal
- 糖質量:8.9g
桃100gあたりの基本的な栄養価
- たんぱく質:0.6g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:10.2g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.01g
・一価不飽和脂肪酸:0.03g
・多価不飽和脂肪酸:0.03g - ビタミン
・βカロテン:0μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.7mg
・ビタミンK:1μg
・ビタミンB1:0.01mg
・ビタミンB2:0.01mg
・ナイアシン:0.6mg
・ビタミンB6:0.02mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:5μg
・パントテン酸:0.13mg
・ビオチン:0.3μg
・ビタミンC:8mg - ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:180mg
・カルシウム:4mg
・マグネシウム:7mg
・リン:18mg
・鉄:0.1mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.05mg
・マンガン:0.04mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:0μg
・クロム:0μg
・モリブデン:1μg - 食物繊維:1.3g
(・水溶性食物繊維:0.6g)
(・不溶性食物繊維:0.7g)
2. 桃に含まれる特徴的な栄養素

桃は少量ではあるが、ビタミン類やミネラル類をバランスよく含んでいるのが特徴である。また、桃の甘みにも関係している炭水化物を多く含んでいる。そんな桃に含まれる主な栄養素を確認しよう。
その1.ビタミン類
桃はビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類を含んでいる。ビタミン類の働きはそれぞれ異なるが、いずれも身体の機能を正常に保つために必要な栄養素となっている。また、ビタミンCやビタミンEなどは「抗酸化ビタミン」と呼ばれており、体内の活性酸素の働きを抑える作用があることで知られている(※2)。桃にはこのようなビタミン類がバランスよく含まれている。
その2.ミネラル類
桃は少量ながらカリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル類も含んでいる。この中で一番多いのはカリウムで、100gあたりの含有量は180mgである。カリウムには体内のナトリウムを排出する働きがあるため(※2)、塩分過多になりやすい日本人にとっては重要な栄養素として知られている。また、そのほかのミネラル類も、身体の健康を保つための作用を担っている。
その3.炭水化物
桃は炭水化物を多く含む。その含有量は100gあたり10.2gとなっている。桃に含まれる炭水化物の種類は、単糖類の一種である「果糖(フルクトース)」と呼ばれるもの。果糖はブドウ糖とは異なりインスリンの影響を受けないため、体内で早くエネルギーとして使われるとされている(※2)。また、果糖は砂糖(ショ糖)やブドウ糖よりも甘みが強いとされている(※3)。
3. 桃の重さ別のカロリーと糖質量

桃の100gあたりの栄養価は前述のとおりだが、市販の桃にはさまざまなサイズがある。重さは地域によって異なるが、ここでは新潟県の「青果物出荷規格基準」を参考に重さ別の桃のカロリーと糖質量をまとめておく(※4)。なお、糖質量は「炭水化物-食物繊維」で算出している。
重さ別の桃のカロリーと糖質量
- 370g:カロリー141kcal、糖質量32.9g
- 330g:カロリー125kcal、糖質量29.4g
- 310g:カロリー118kcal、糖質量27.6g
- 280g:カロリー106kcal、糖質量25.0g
- 250g:カロリー95kcal、糖質量22.2g
- 230g:カロリー87kcal、糖質量20.5g
- 200g:カロリー76kcal、糖質量17.8g
- 180g:カロリー68kcal、糖質量16.1g
4. 桃とほかの果物とのカロリーの比較

一般的なスーパーや八百屋には桃以外にも、みかん・りんご・イチゴなど、さまざまな種類の果物やフルーツが売られている。これらと比べて桃のカロリーはどの程度なのだろうか。以下に主な果物100gあたりのカロリーをまとめて紹介しておく。
主な果物の100gあたりのカロリー
- みかん(100g):49kcal
- りんご(100g):53kcal
- ぶどう(100g):58kcal
- イチゴ(100g):31kcal
- キウイ(100g):51kcal
- バナナ(100g):93kcal
- パイナップル(100g):54kcal
- (参考)桃(100g):38kcal
5. 桃の種類別のカロリーと糖質量

「日本食品標準成分表」には、一般的な桃(白肉種)のほかに「桃(黄肉種)」や「ネクタリン」などの栄養価も収録されている。そこでそれぞれの100gごとのカロリーと糖質量をまとめておく。なお、こちらも糖質量は「炭水化物-食物繊維」で計算している。
種類別の桃のカロリーと糖質量
- 桃(白肉種):カロリー38kcal、糖質量8.9g
- 桃(黄肉種):カロリー48kcal、糖質量11.5g
- ネクタリン:カロリー39kcal、糖質量9.0g
白肉種のほうがカロリーは低い
同じ桃であっても、通常の白肉種に比べると黄肉種のほうがカロリーは高く、糖質量は多くなっている。また、同じ黄肉種の中では、ネクタリンのほうがカロリーと糖質量は少なくなっている。なお、ネクタリンに関しては以下の記事で詳しく解説しているので、興味があったら一緒に確認しておこう。
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6. 桃の加工方法別のカロリーと糖質量

「日本食品標準成分表」には、「桃の缶詰」や「桃の果汁入り飲料」のような桃の加工品の栄養価も収録されている。こちらの100gあたりのカロリーと糖質量を紹介しておく。なお、糖質量には「炭水化物-食物繊維」で計算したものを記載している。
加工方法別の桃のカロリーと糖質量
- 桃の缶詰(白肉種):カロリー82kcal、糖質量19.2g
- 桃の缶詰(黄肉種):カロリー83kcal、糖質量19.2g
- 桃の缶詰(液汁):カロリー81kcal、糖質量19.5g
- ネクター(30%果汁入り飲料):カロリー46kcal、糖質量11.2g
- (参考)桃(生):カロリー38kcal、糖質量8.9g
桃の缶詰はカロリーが高い
この中ではシロップに漬け込んだ桃の缶詰(果肉)が、最も100gあたりのカロリーが高くなっている。また、生の桃に比べると、カロリー・糖質量ともに倍以上の数値になっている。そのため、同じ桃でも桃缶を使うときには、カロリーや糖質量などに注意したほうがよいだろう。
結論
生の桃(白肉種)の100gあたりのカロリーは38kcal程度、糖質量は8.9g程度となっている。これはほかの果物100gに比べると低めのカロリーといえる。ただし、スーパーや八百屋などで売られている桃は、100g以上であることが多いため、カロリーや糖質量は高くなっていることが多い。また、品種や加工方法によってもカロリーや糖質量は異なることにも注意しておこう。
【参考文献】
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:厚生労働省e-ヘルスネット「トップページ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - ※3:JA福岡中央会「甘さにも種類があるの?」
http://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/001/023.html - ※4:新潟県庁「新潟県青果物出荷規格基準」
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/265797.pdf
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