1. 「高砂にくてん」とは? 必ず入る具材がポイント

家庭料理として食べられてきたものから発展したため、「にくてん」はお好み焼きの前身と言われている。「にくてん」には決まった食べ方はないが、その名のルーツともなる食材を入れる。
「にく」とはスジ肉のこと、「てん」とは天かすのことで、一般的な「にくてん」には、スジ肉と天かすが入る。「高砂にくてん」に必ず入る具材はこれだけでない。こんにゃくと、じゃがいもが入るのだ。
史実は定かではないが、「にくてん」は戦前から食べられていたとする考え方がある。おでんを食べた翌日に、残った具材を入れて焼いていたような家庭料理がそのころから食べられていたようだ。そもそも地元では昔からお好み焼きのことを「にくてん」と呼んでいたので、もともとスジ肉と天かすは入っていたのではないかと想像される。
高砂地域でなくでも「にくてん」は存在する。スジ肉・こんにゃく・天かすを入れた薄いねぎ焼きに、ウスターソースを塗ったものが「にくてん」として食べられていた。しかし「高砂にくてん」となると、ここに甘辛く煮込んだじゃがいもが入る。おでんによく入っている具材を応用した名残ではないかと思われる。いまや「にくてん」は発祥地と言われる神戸よりも、高砂の名物となっている。
「にく」とはスジ肉のこと、「てん」とは天かすのことで、一般的な「にくてん」には、スジ肉と天かすが入る。「高砂にくてん」に必ず入る具材はこれだけでない。こんにゃくと、じゃがいもが入るのだ。
史実は定かではないが、「にくてん」は戦前から食べられていたとする考え方がある。おでんを食べた翌日に、残った具材を入れて焼いていたような家庭料理がそのころから食べられていたようだ。そもそも地元では昔からお好み焼きのことを「にくてん」と呼んでいたので、もともとスジ肉と天かすは入っていたのではないかと想像される。
高砂地域でなくでも「にくてん」は存在する。スジ肉・こんにゃく・天かすを入れた薄いねぎ焼きに、ウスターソースを塗ったものが「にくてん」として食べられていた。しかし「高砂にくてん」となると、ここに甘辛く煮込んだじゃがいもが入る。おでんによく入っている具材を応用した名残ではないかと思われる。いまや「にくてん」は発祥地と言われる神戸よりも、高砂の名物となっている。
2. 「にくてん」って何?自分でも作れるの?

お好み焼きの前身と言われているものの、「にくてん」は大阪風お好み焼きとも、広島風お好み焼きとも違った作り方をする。そのため、ときに「神戸風お好み焼き」などと称されることもある。
生地の焼き方に特徴があるため、作り方で確認していこう。
生地の焼き方に特徴があるため、作り方で確認していこう。
(作り方)
1.鉄板を熱し、油を敷いて生地を流す。
2.粉かつお節を生地にまぶす。
3.具材を載せていく。載せる順番は次の通り。
・1cm角に切ったじゃがいもの甘辛煮とこんにゃく
・キャベツ、ネギ
・スジ肉、天かす
4.具材の上から生地を再度かける。
5.ひっくり返して焼く。
6.再度ひっくり返す。
7.上面にソースを塗る。
8.真ん中から2つ折りにする。
9.上面にソースを塗って青海苔・かつお節をかける。
具材が特徴的なことはもちろん、焼き方にも個性が光る。大阪風のお好み焼きの多くは、具材を生地に混ぜて焼く。広島風のお好み焼きの多くは、生地を焼いた後に具材を載せる。「にくてん」は、生地を焼いて具材を載せた後に、半分に折るのだ。また、具材の上から生地をかけた後は、両面をしっかり焼いていくのも特徴。
生地を折った中に別の具材を挟むこともあり、また「高砂にくてん」ではじゃがいもが具材に加わっているため、かなりの食べ応えを誇る一皿となる。
2.粉かつお節を生地にまぶす。
3.具材を載せていく。載せる順番は次の通り。
・1cm角に切ったじゃがいもの甘辛煮とこんにゃく
・キャベツ、ネギ
・スジ肉、天かす
4.具材の上から生地を再度かける。
5.ひっくり返して焼く。
6.再度ひっくり返す。
7.上面にソースを塗る。
8.真ん中から2つ折りにする。
9.上面にソースを塗って青海苔・かつお節をかける。
具材が特徴的なことはもちろん、焼き方にも個性が光る。大阪風のお好み焼きの多くは、具材を生地に混ぜて焼く。広島風のお好み焼きの多くは、生地を焼いた後に具材を載せる。「にくてん」は、生地を焼いて具材を載せた後に、半分に折るのだ。また、具材の上から生地をかけた後は、両面をしっかり焼いていくのも特徴。
生地を折った中に別の具材を挟むこともあり、また「高砂にくてん」ではじゃがいもが具材に加わっているため、かなりの食べ応えを誇る一皿となる。
3. 兵庫県独自の粉もの文化の発展

東京で誕生したお好み焼きが大阪商人の目に留まり、関西に渡って以降、急速に関西の風土になじみ、各地で普及しながら姿を変えていった。
たとえば、関東風では生地に具を混ぜ合わせていたものが、関西風に変貌を遂げながらたくさんの具を載せるスタイルに変貌を遂げた。こうして、具の種類が豊富で、お好み焼きソースと呼ばれるような独特の甘い味わいを持つソースを使い、カウンターで気軽に楽しめるお好み焼きが浸透していったのである。
しかし同じ関西地域といえども、大阪・京都・神戸では違いがあると言われている。大阪では卵やヤマイモを混ぜた生地に、マヨネーズを使って味つけする。京都では「洋食焼き」とも呼ばれ、キャベツは千切りにされることが多かった。さて神戸では、大阪と京都の文化が混ぜ込んだと言われている。サイズは小さめが主流で、卵は生地には混ぜずに目玉焼きでのせる。このように独自のお好み焼き文化が育っていったのである。
兵庫県の2大粉ものといえば、「明石焼き」と「にくてん」である。やわらかい生地にタコや卵黄を入れ、だしまき風に作ったたこ焼きをだし汁につけて食べる、「明石焼き」。たこ焼きでも一捻りある発展を見せている。そして「にくてん」。お好み焼きのようなものでありながら独自スタイルを築き上げ、「お好み焼き」という名が全国的に浸透するまでは兵庫では「にくてん」がお好み焼きを指す言葉であった。
庶民のおやつ、酒の肴として発展したお好み焼きをはじめとする文化は、各地の特色が色濃く出て興味深い。兵庫県の食文化はさすが港のある土地ならではの、日本の独特な文化にとどまらない発展を見せている。
たとえば、関東風では生地に具を混ぜ合わせていたものが、関西風に変貌を遂げながらたくさんの具を載せるスタイルに変貌を遂げた。こうして、具の種類が豊富で、お好み焼きソースと呼ばれるような独特の甘い味わいを持つソースを使い、カウンターで気軽に楽しめるお好み焼きが浸透していったのである。
しかし同じ関西地域といえども、大阪・京都・神戸では違いがあると言われている。大阪では卵やヤマイモを混ぜた生地に、マヨネーズを使って味つけする。京都では「洋食焼き」とも呼ばれ、キャベツは千切りにされることが多かった。さて神戸では、大阪と京都の文化が混ぜ込んだと言われている。サイズは小さめが主流で、卵は生地には混ぜずに目玉焼きでのせる。このように独自のお好み焼き文化が育っていったのである。
兵庫県の2大粉ものといえば、「明石焼き」と「にくてん」である。やわらかい生地にタコや卵黄を入れ、だしまき風に作ったたこ焼きをだし汁につけて食べる、「明石焼き」。たこ焼きでも一捻りある発展を見せている。そして「にくてん」。お好み焼きのようなものでありながら独自スタイルを築き上げ、「お好み焼き」という名が全国的に浸透するまでは兵庫では「にくてん」がお好み焼きを指す言葉であった。
庶民のおやつ、酒の肴として発展したお好み焼きをはじめとする文化は、各地の特色が色濃く出て興味深い。兵庫県の食文化はさすが港のある土地ならではの、日本の独特な文化にとどまらない発展を見せている。
結論
「にくてん」と聞くとメニューを知らない時には揚げ物メニューを想像するが、紐解いてみれば兵庫県で長く愛されてきたお好み焼きであった。それを、高砂市近辺で街おこしとして独自にアレンジしたメニューが展開され、またB級グルメとしても積極的に普及させたことでもはや高砂が本場であるかのような逆転現象を起こした。昔からあるメニューは初めて食べてもどこか懐かしさを感じる。
古くて新しい「高砂にくてん」。ぜひ一度味わってみていただきたい。
古くて新しい「高砂にくてん」。ぜひ一度味わってみていただきたい。