1. 下ごしらえ3つの鉄則

洗わない
下ごしらえ、と聞くとどうしても洗うと思いがちだが、キノコの下ごしらえは洗わないのが基本。洗ってしまうとせっかくの美味しさや香りが半減どころか、まるでなくなってしまう場合もある。泥などの汚れが気になる場合は、布巾やきのこ専用ブラシで優しく拭くのが正解である。湿らせたキッチンペーパーでふき取ると楽チンだ。
軸と石づきを見分ける
キノコの形状は基本的に、かさ部分と軸、石づきに分けられる。石づき部分は硬く、食べづらいため取り除く必要があるが、軸は旨味が最も凝縮する場所なのだ。ここを捨ててしまう人が意外と多いので注意が必要だ。
手で割く
最後の鉄則は、切るときの注意点。シイタケやエノキタケなど、手で割けないものもあるが、できる限り手で割くのが美味しく食べるポイントである。手で割くことで表面積が広がり、味が染みやすくなる。さらに鋭利な刃物を当てないことで、無駄な傷をつける心配がない。キノコは匂いを吸収しやすい性質がある。鉄の包丁で切るとその鉄分を吸収し、味わいに雑味が出る。できる限り手を使おう。
2. キノコ別下ごしらえ図鑑①

シイタケ
その深い香りが持ち味のシイタケ。どんな風に育てられているかご存知だろうか?シイタケの育成方法は、丸太に菌を植える原木栽培とおがくずの培養地で菌を育てる菌床栽培、主にこの2つである。一般的に、原木栽培の方が香りや歯ごたえがよく、値段もやや高めだ。シイタケは、軸と石づきを見分けるのが難しいキノコでもある。シイタケの石づきは、軸の先端にあり、触ると固くやや黒い部分だ。軸自体は旨味があるので、手で細かく割いて料理に使うと良い。
しめじ
リーズナブルで、癖の少ない味わいが人気のしめじ。家庭でも最もポピュラーな存在かもしれない。しめじは、前述の鉄則を守って、下ごしらえすればOK。石づきは、かさとは逆側、軸が密集して固い部分である。ここだけ包丁で切り落とそう。ハリがあり、パリッと割けやすいものが新鮮の証だ。
エノキタケ
エノキタケといえば、白いキノコを思い浮かべがちだが、天然物は茶色で白いものよりも少し大振り。自然食品店などで見かけることもあるかもしれない。一般的にスーパーなどで売られている白いものは人工栽培だ。エノキタケは、通常袋入りで売られているので、そのまま袋の上から切るのが正解。下から1/4くらいのところでまずは切り分ける。袋から出し、切り落とした部分をさらに下から1/2くらいのところで切り分ける。一番下にある固い部分が石づきだ。やや固い軸部分は食べられるので、捨てないこと。購入時は、くれぐれも変色していないものを選ぼう。
3. キノコ別下ごしらえ図鑑②

舞茸
ほぼ捨てるところがなく食べられるのが、舞茸。脆く剥がれたり、割れやすいので、より丁寧に扱いたい。天然物でなければ、石づきはほとんとないが、軸を触って固い部分がある場合は、少し切り落とすと良い。あとは料理に合わせて、手で小房に分けるだけ。購入の際は、軸が肉厚でぽってりとした大振りのものを選ぶと良い。
エリンギ
コリコリとした歯ごたえと高い香りが人気のエリンギ。軸の根元に固い部分があれば、そこだけ切り落とそう。軸の根元に切り込みを入れて、そこから手で割くと良い。かさの部分は、やや潰れたり剥がれやすいので、割くときには注意すると良い。色が白く、表面がツルツルしたものが新鮮だ。
なめこ
ツルツルとしたぬめりある食感が独特ななめこ。天然物も秋に出回るが、通常は袋入りのタイプを選ぶ人も多いだろう。ちなみにこの袋入りのなめこは、鉄則を破り水洗いをオススメしたい。というのも旨味であるぬめりが強すぎると酸味に変わってしまうからである。ざるにあけ、さっと水洗いしてから使うと良いだろう。
結論
下ごしらえ、きちんとできていただろうか?ちなみに、おがくずや泥などの汚れがひどく、止むを得ず水洗いする場合は、調理の直前にすること。水に触れると劣化も進むので、注意したい。今が旬のキノコ。上手に下ごしらえして、美味しくいただきたい。
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