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野菜と果物の違いとは?農水省やJAなどの定義に沿って品種を紹介!

野菜と果物の違いとは?農水省やJAなどの定義に沿って品種を紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

鉛筆アイコン 2020年3月28日

子供に「イチゴって野菜なの?果物なの?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。色々な分類論が展開されているが、日本国内においてイチゴは実は分類上「野菜」である。一体この違いはどこで判断すればいいのだろうか。

  

1. 野菜と果物の色々な定義

実は明確な基準が無いものの、一つの目安とされている物は存在する。それが、農林水産省と全国農業協同組合連合会(JA)の見解である。

農林水産省の見解

生産・流通分野における野菜とは、「田畑で栽培され、副食物であること。加工を前提としないもの。草本性であること」。この定義でいけば、イチゴ・メロン・すいか等は「野菜」ということになる。しかし、どうしても一般的には果物として扱われるため、農林水産省では「果実的野菜」と呼ぶのだそうだ。生産や流通ルート上はあくまで野菜扱いである。

全農連(JA)の見解

全国農業協同組合連合会の意見では、「野菜」は色々な部分を食べるが、基本的に「果物」は実だけを食べるのが特徴とのことだ。なるほど、実だけでなく根、茎、葉などバリエーションに富んだ野菜の可食部に対し、果物はほぼ確実に実しか食べない。特に畑で1~2年しかもたない「草」は野菜、多年生で何年も収穫できる「木」の実は果物、という見解も分かりやすい。

2. 野菜か果物かまぎらわしい品種

特にいつも論争になる品種がある。面白いのは、「野菜かと思っていたら果物だった」ということはあまりなく、その逆の「果物だと思っていたら野菜だった」というパターンばかり目につく点だ。

スイカ、メロン

どう考えても果物と答える人が多いかもしれないが、甘いのは甘くなるよう品種改良された結果である。ウリ科であるし、メロンに至ってはウリ科キュウリ属だ。漬物にしたりサラダとして食べたりすることもあるので、国によっては野菜扱いだったり、「学術上」野菜と言われても仕方ないのかもしれない。

イチゴ

草であり、樹木でない段階で野菜とみなすべきなのだろう。生産や流通上も野菜として分類されている。甘味がある野菜といったところだが、やはり果実的野菜として認識上は果物で問題ないのかもしれない。

トマト

トマトは意外な理由から裁判沙汰になったことがある。1893年、アメリカで輸入野菜にかけられる関税を避けようと、輸入業者は「トマトは果物である」と主張。農商務省と最高裁判所まで争った末、結果は野菜ということで終了した。

3. 野菜か果物か面白い判断をしよう!

学術的、生産流通的な観点は置いておき、もっと柔軟に面白い判断をしてみよう。世間一般的にはこのような判断の方が納得いくに違いない。

ごはんのおかずになるかどうか

あたりまえだが、スイカやメロン、イチゴを白い米のおかずとして平然と食べる人はまずいないだろう。漬物やサラダとなれば微妙かもしれないが、「おかず」か「デザート」かで判断するという説だ。アボカドやカボチャは微妙なラインだが、アボカドは樹木なので果実、カボチャはツル性植物なので野菜といったところか。

お見舞いのフルーツ籠

病院へのお見舞いのフルーツ籠に生のまま入れても違和感が無いものが果物、料理しなければ持っていけないものが野菜。これも面白い考え方だ。確かにフルーツ籠は青果店で買えるが、入っているのは定番のフルーツばかり。メロンだって入っている。イチゴが入らないのは日持ちがしないので避けられているだけで、想像するとフルーツ籠に入れても違和感はない。

結論

はっきりした定義が無い、という結果になったが、世界中を見渡すと国によってそもそもの扱いが違う。日本でも生産・流通・消費の各分野で全て考え方が異なるため、厳密に分けようとせず、自由な解釈で柔軟に考えてもいいのではないだろうか。微妙なラインの食用青果たちを、自宅で仕分けしてみるのも面白い。子供達とは図書館で果物・野菜図鑑を使って調べてみよう。

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  • 更新日:

    2020年3月28日

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