1. 「ナシゴレン」とは?

ナシゴレンは、東南アジアとくにインドネシアやマレーシアで広く食べられている米料理のこと。インドネシア、マレーシア版チャーハンとも言える存在だ。
ナシゴレンの意味
インドネシア語で「ナシ=米」「ゴレン=炒める」という意味の食べ物だ。屋台には必ずといっていいほど存在するメニューで、非常にポピュラーな存在である。
ナシゴレンの味
日本で食べるナシゴレンは辛いという印象が薄いかもしれない。ケチャップ風味の炒め飯と理解している人も多いだろう。ところが実際に現地で食べると、驚くほどに辛い場合があるので注意が必要だ。その辛さの要因は「サンバル」にある。
辛さの秘訣「サンバル」とは
インドネシアの辛味調味料のことで、チリソースとも呼ばれている。唐辛子・エビの発酵調味料トラシやにんにく、玉ねぎ、トマトなどの具材を粉砕し、油で炒めたもののことである。市販品も多く販売されており、家庭にも欠かすことのできない存在だ。このサンバルこそ、本物のナシゴレンには必須の調味料である。このほかに、インドネシア版の魚醤やケチャップマニスと呼ばれる甘味調味料が使われることが多い。具材はチキンや野菜などが一般的だ。
必須の添え物
ナシゴレンにはたいてい、キュウリやトマトなどの生野菜と目玉焼き、エビせんが添えられている。ライムやレモンなどの柑橘類も非常に相性がよく、少し高級なお店に行くと添え物の定番として鎮座している。全体を混ぜながら食べるのが基本だ。生野菜や卵には、辛さをまろやかにするといった意味合いもあるのだろう。
2. ナシゴレンの簡単な作り方

ナシゴレンは、チャーハンを作る感覚で自宅でも簡単に作れる。ぜひチャレンジしてみてほしい。
材料
- ご飯
- サンバル(チリソース)
- ナンプラー
- しょうゆ
- 砂糖
- ごま油
- 卵
- 玉ねぎ・きのこ・もやしなどお好みの具材
ナシゴレンの材料はこれだけでよい。要するに、インドネシア風の調味料で味付けすればアジアンテイストな仕上がりになるというわけだ。
作り方
野菜を炒めてご飯と調味料を加えたら、チャーハンを作るのと同じ要領で炒めていけばあっという間にナシゴレンが完成する。調味料が手に入りにくいときは「ナシゴレンの素」を使ってもOKだ。
3. ナシゴレンに似た料理「ミーゴレン」とは?

ところで、ナシゴレンに似た名前の料理で「ミーゴレン」がある。ミーとはインドネシア語で麺を意味する言葉である。ゴレンはお伝えしたように炒めることなので、インドネシアやマレーシア版の焼きそばと言い換えることもできる。
ミーゴレンの味
ミーゴレンの味付けは、ナシゴレンとは違ってやや甘めなところが特徴だ。日本のソース焼きそばよりもはるかに甘い。ナシゴレンと間違えて注文しないように気をつけよう。ミーゴレンには中華麺が使われるのが基本で、具材はエビやチキン、パプリカなど。卓上のサンバルで味を調節しながら食べるケースも多い。
4. ナシゴレンとミーゴレンの違い

ナシゴレンとミーゴレンの違いは、飯と麺にある。味付けはほぼ同じだが、ナシゴレンの方は辛みが強く、ミーゴレンの方は甘みが強い。
ナシゴレンとミーゴレンは何料理?
ナシゴレンとミーゴレンは、インドネシアやマレーシアでよく食べられている米料理&麺料理だが、インドネシア料理か?と問われると少々、疑問が残る。ナシゴレンやミーゴレンが食べられているのは、主に屋台とチャイニーズレストラン。その起源はどうやらチャイニーズレストランと捉える人が多いのだ。国民食ではあるものの、生まれはチャイニーズレストラン。日本でいうラーメンのような存在なのかもしれない。
多彩なバリエーション
ナシゴレンとミーゴレンは非常にバリエーションが豊富。店によって味付けが異なるのはもちろん、ナシゴレン〇〇、ミーゴレン〇〇のように、具材によって名前が異なることも多い。
結論
ナシゴレンは米料理、ミーゴレンは麺料理。これが両者最大の違い。インドネシア版のチャーハン、焼きそばと捉えて間違いはない。日本のものは食べやすくアレンジされているものが多く、エスニック料理のなかでも比較的食べやすい印象と言えるだろう。
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