1. ジビエの基礎知識

ジビエとは
ジビエはフランス語で狩猟によって、捕獲される野生鳥獣やその肉のこと。ヨーロッパでは、古くから高級素材として親しまれてきた。ちなみに鳥獣保護の観点から、規制がかけられている場合が多く、春夏の繁殖期の捕獲は禁じられている。解禁日は国によってさまざまだが、日本では北海道以外の区域においては、11月15日が解禁日で、狩猟できるのは2月15日まで。
ジビエと感染症
ジビエは、家畜とは異なり寄生虫やウイルスを保有していることが多いので、食べるのには注意が必要だ。厚生省のガイドラインによると直接触れないよう手袋をする、野外で摘出した内臓は食べない、怪我や化膿など、著しい損傷がないかなど、細かなチェック項目がある。基本的には、このチェックをクリアしたものが、食肉処理業者に卸されることとなっている。
安心した業者から
鹿肉を手に入れる場合、きちんとトレーサビリティが取れている業者から手に入れるのが正解。また、感染症など食中毒のリスクがかなり高いので、必ず加熱して食べるのが基本。間違っても生で食べるのは、NG。また調理後、使用した調理器具の殺菌などもきちんと行うことが必要だ。
2. 鹿肉の味

ヘルシーさがウリ
鹿肉は、脂肪が少なく、ヘルシーな食材としても注目を集めている。鉄分が多く含まれているので、貧血にも効果的。自然のものを食べて暮らしているので、質のいいタンパク質が多く含まれている。食べられる部位は、牛肉と似ていて、背ロース、筋、バラ、モモ、ヒレ、すねなど。味わいは、さっぱりとしていて、きちんと処理されたものなら、くせがなく美味しい。
蝦夷鹿と本州鹿
日本で主に食べられるのは、蝦夷鹿と本州鹿。一般的に北海道に生息する蝦夷鹿の方が、より野性味溢れる味を楽しむことができると言われている。ちなみに鹿肉を食べることは、実は生態系の調節にも役立っている。というのも増えすぎた鹿の農作物被害などが問題になっているのだ。上手に食肉として活用することで、被害を食い止めることができ、一石二鳥というわけ
個体差がある味
ジビエは、家畜と比べて個体差がある。さらに狩猟後の処理方法で味に大きな差が出ると言われている。狩猟後に苦しみが大きい、狩猟の弾が内臓を傷つけるなど、手入れが悪いと臭みがぐっと強くなるそうだ。こういったところからもきちんとした業者から手に入れることがいかに大切か、理解できるはず。
3. 鹿肉の調理法

鹿肉はきちんと処理されたものであれば、さっぱりとしてくせがないので、和洋中どんなレシピにも合わせることができる。使い方としては、牛肉をイメージし、調理するといい。シンプルに焼いてもよし、煮込み料理、中華風の炒め物、唐揚げ、ハンバーグなど、守備範囲はとても広い。
初心者はカレーがおすすめ
カレーは、スパイスを使うため、鹿肉の臭みが気になる人でも食べやすい。調理方法は簡単で、他の食肉と同じ。より柔らかい肉質を楽しみたい場合は、ヨーグルトや塩麹などに漬けて、一晩マリネしておくといい。
ワインに合わせたいステーキ
鹿肉の旨味を最もダイレクトに味わうことができるのは、やっぱりシンプルにグリルすること。表面をしっかり焼き、あとはアルミホイルに包み、余熱で火を通すといい。赤ワインを合わせ、塩胡椒で食べるのがおすすめ。
結論
みなさんが思っているよりも格段に食べやすい鹿肉。近頃は通販などでも手に入れることができる。信頼できる業者から美味しい鹿肉を手に入れて、ぜひ食べてみてほしい。