1. ホタテを生で。刺し身やカルパッチョ仕立て

ホタテはタンパク質を豊富に含み、貝類の中でもトップクラスを誇る。冬から春先が旬とされるが、冷凍してもほとんど味が損なわれないことから、通年出回っている。白くて丸い貝柱が魚屋やスーパーの店頭に並んでいると、ついこれで一杯と、手にとってしまう人も多いかと思う。ホタテの貝柱はそのまま生で食べれば、プリプリとした食感の中にほんのり甘さが感じられ、非常に美味だ。
刺し身
生のホタテ貝柱の食べ方は様々だが、まずは何といってもそのまま醤油をかけて食す刺し身があげられる。この際、切り方をひと工夫すると違った美味しさが楽しめるのでぜひお試しを。横にカットすると繊細でなめらかな舌触りになるが、縦方向に繊維にそって切ると一変。よりしっかりした歯ごたえを堪能できるのだ。刺し身の間にレモンの薄切りなどを添えると、さっぱりと爽やかな風味が加わる。
カルパッチョ
洋風仕立てのカルパッチョもホタテによく合う食べ方だ。まずは、ホタテを横に薄くスライスカットしたら塩・胡椒を振る。甘さをより引き立てるなら、さっと湯通しして冷水につけて締めてからスライスしてもよい。カブやビーツ、アボカドなどと共に皿にホタテを美しく並べ、レモン汁、オリーブオイル、塩・胡椒で作ったソースを振りかければ完成だ。バルサミコ酢を用いてもよいだろう。
2. ホタテを焼く。和洋中いろいろなアレンジで

火が入りやすいホタテは、「焼く」という調理法との相性がよい。フライパンや焼き網があれば、簡単&手軽に絶品メインディッシュに仕立てることができる。和洋中と味付けやあしらいなどで多彩なアレンジがきき、応用範囲が広いのも嬉しい。ただし、焼き過ぎると硬くなってしまうので、くれぐれもさっと火を通すよう心掛けたい。
和風
醤油、みりんなどで照り焼き風の下味をつけて、焼き網などで軽く焼く。つけ汁を煮詰め、焼き上がったホタテにかけ、木の芽や
山椒、七味などをあしらうと香り高いひと皿に。
山椒、七味などをあしらうと香り高いひと皿に。
洋風
フライパンを熱し、ホタテをオリーブオイルやバターでさっとソテーしても美味しい。パセリやハーブ、人参の葉やルッコラなどで作った色鮮やかな緑色のソースや、マッシュポテトを添えれば、ごちそう感溢れるフレンチ風のポワレになる。
中華
ゴマ油とオイスターソースを使えば、ホタテの中華風炒めに。一緒に合わせる野菜は、チンゲンサイやブロッコリー、人参、アスパラガス、ネギなどがオススメだ。ワンランク上の美味しさを目指すなら、1つひとつの食材を油通ししてから炒めよう。手間はかかるが、素材本来の味がより引き出され一段と美味しくなるはずだ。沸騰した湯に大さじ2杯程度の油を入れて、さっと茹でても同じ効果が得られるのでやってみよう。
3. ホタテの干し貝柱を出汁に。福島県会津地方の郷土料理

ホタテの貝柱を茹でてから乾燥させた「干し貝柱」。炊き込みご飯などに使う場合も多いが、この干し貝柱で出汁をとった汁ものが、福島県の郷土料理にある。その名も「こづゆ」、会津藩ゆかりのおもてなし料理だ。会津塗りの漆器を用い、正月や冠婚葬祭などのハレの日に不可欠だとされる。
一晩水につけた貝柱から出た出汁を、醤油やみりんで味を調えたすまし汁に。入れる具材は縁起のよい奇数が習わしで、飾り麩、人参、ゴボウ、椎茸、里芋、キクラゲ、糸蒟蒻(こんにゃく)など。何杯でもおかわりできるよう、あっさりした味に仕立てられているそうだ。
こづゆは農林水産省選定の「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれている。
一晩水につけた貝柱から出た出汁を、醤油やみりんで味を調えたすまし汁に。入れる具材は縁起のよい奇数が習わしで、飾り麩、人参、ゴボウ、椎茸、里芋、キクラゲ、糸蒟蒻(こんにゃく)など。何杯でもおかわりできるよう、あっさりした味に仕立てられているそうだ。
こづゆは農林水産省選定の「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれている。
結論
生食、焼く、干して出汁を取る...この他にもフライや天ぷらなど、「揚げる」という調理法にも合うホタテ。淡泊な味わいゆえに、様々な調理法で自在にアレンジできるのが大きな魅力だろう。自分流のホタテ調理法を見つけてみよう。