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【ドギーバッグ】で食品廃棄削減へ!フランス料理のエコな変化とは

【ドギーバッグ】で食品廃棄削減へ!フランス料理のエコな変化とは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2020年10月 1日

単品で頼みすぎたり、出て来たコース料理が多かったり、レストランで食べきれなくて困ることはよくある話だ。弁当文化があり、お土産や持ち帰りに抵抗が少ない日本でも、食べ残しの持ち帰りを頼むのは少し勇気がいる。海外に目をむけると、特にフランスでは、食べ残しを詰める箱を頼むことはタブーだ。しかし、近年そんなフランスの風習に変化がおきている。

  

1. フランス料理の文化

古くから食文化のマナーが厳しいフランス。特にコース料理では、1人ずつ料理が提供されるため、完食が前提となっている。

持ち帰りは恥!?かなりのマナー違反

かつてはタブーとされていた持ち帰り。「教養がなっていない」「しつけが悪い」とされ、食べ残すこと自体がマナー違反だった。コース料理は食事を提供される空間、客人との会話も含めてゆったり楽しむもので、量も調整されている。皿の上でソースも含めて完成された料理を食べ残すことは、ペース配分ができない人とみなされていた。

残すことは暗黙のクレーム

また、食べ残しは店側へのクレームになることがある。日本では考えにくい風習なので注意したい。皿に残された料理は、作ったシェフに「これを食べてみろ」という暗黙のクレームにあたるのだ。どうしても食べきれない場合は、「美味しかったのですがお腹がいっぱいです」と給仕に伝えるようにしたい。
料理ではなくボトルワインの場合、少し残しておくのはソムリエの勉強になるので、マナー違反ではない。

2. 食品廃棄を削減するドギーバッグとは

フランスではマナー違反の食べ残し・持ち帰りだが、世界的には持ち帰りの推奨が進んでいる。古くからの風習に変化が訪れているようだ。

建て前は「犬のエサ」?

アメリカを代表とする欧米の多くでは、今ではほとんどのレストランに「ドギーバッグ」が常備されている。これは食べ残しを持ち帰るための専用容器だ。
さすがに自分で食べますと本音をいうのは恥ずかしかったのだろう。「うちでいい子に留守番している飼い犬に食べさせたいので」、という建て前で残り物を詰めてもらっていたのが、ドギーバッグという通称の由来である。

フランスでは普及しなかった

豪快で量の多いアメリカのレストランでは、実用的なドギーバッグは大歓迎された。しかし、フランス料理はソースなどを多用しており、繊細で持ち帰るのが難しい。
コースでは食べ残しが出ることも多いのだが、それでも「持ち帰りは恥」という意識が強く、フランスではドギーバッグが普及しなかった。フランス人はメニューのシェアも嫌うほど一人で完食することにこだわる人が多く、高級レストランでは食べ残しを詰める箱を頑なに拒否していた。

3. フランスの食品廃棄削減に向けたドギーバッグ法の施行

そんなフランスでもついに施行されたのが、「ドギーバッグ法」。廃棄減少へのフランス政府の本気度が伝わる法律だ。

法律で義務化

2016年1月より、1日あたり180食以上提供する規模のレストランでは、食べ残しを持ち帰るための専用容器を常時用意することが法律で義務化された。その名もずばりドギーバッグ法である。
食に対するこだわりが強いフランスで今後どこまで普及するかは分からないが、年間700万t出ている食品廃棄物を、2025年までに約半分にするのが目標だそうだ。

名称や見た目に工夫

既に高級レストランでは持ち帰り容器の名称や見た目に工夫がこらされ、美しいものがたくさん発表されている。ドギーバッグという名前を嫌い、グルメバッグや持ち帰りボックスと名付けるところが多い。見た目もとてもおしゃれである。
2013年にワインボトルを持ち帰るワインバッグが登場した時も、包装が素晴らしいと話題になった。食べ残し用の箱の進化にも要注目だ。

結論

まだ耳馴染みのないドギーバッグ。日本の食品廃棄量は年間2775万tを超え、世界トップクラスとなっている。衛生面や恥ずかしさからなかなか実現しない食べ残しの持ち帰りだが、専用容器が普及すれば、日本でも大幅に食品廃棄を減らすことができるかもしれない。
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  • 公開日:

    2020年3月28日

  • 更新日:

    2020年10月 1日

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