1. コンビーフの缶詰が台形の理由

ツナ缶やサバ缶、フルーツの缶詰などの形は円柱だが、コンビーフの缶詰はよく見ると台形だ。じつはこの形の違いの秘密は、コンビーフの性質にあるのだ。下側が狭くなっている台形はほぐした肉を詰めるのに非常に適していて、缶の中に隙間なくぎっしりと詰められるのがメリット。現在は機械作業などで詰めていることがほとんどだが、昔は手作業で詰めていたために隙間のできにくい台形が採用されていたのだ。肉を詰めるときに隙間ができてしまうと、肉と空気が触れ合って変色したり、パサついたりしてしまう可能性が高い。品質を保持するためにも、肉をぎっしりと詰める必要があった。コンビーフの缶の形は、昔の人々の知恵からきているのだ。
2. コンビーフ缶の代名詞「巻き取り鍵」が無くなる?

コンビーフの缶詰といえば、台形の缶に巻き取り鍵が付いているのが主流だった。巻き取り鍵を使って開けるのが醍醐味という人も少なくないはずだ。しかし、最近では巻き取り鍵タイプのコンビーフ缶が減ってきている。缶詰の加工技術も進み、手作業で詰めることもなくなったために台形の缶詰の需要が減ってしまったのだろう。また、巻き取り鍵の付いた缶詰はコストがかかってしまうことも要因のひとつとされている。「ノザキのコンビーフ」の缶詰でおなじみの川商フーズでも2020年3月16日から新パッケージを販売している。新パッケージは巻き取り鍵ではなく、アルミック缶と呼ばれる缶にプラスチックのふたがされたもの。巻き取り鍵のように開ける際のコツもいらないため、誰でも簡単に開けられるのがメリットだ。
3. コンビーフの缶詰を正しく開ける方法

巻き取り鍵の付いた缶詰を見かけることも少なくなり、実際に購入しても開け方が分からないという人も多いのではないだろうか。巻き取り鍵タイプの缶詰を開けるときは台形の広いほうを下にし、缶に付いている巻き取り爪と呼ばれる部分に鍵を差し込む。あとは缶の周りを1周まわるようにくるくると鍵を動かしていけば簡単に開けることができるのだ。1周まわったら缶の上を掴み、パカッと開ければOK。くるくると鍵を回していくのが楽しく、それほど力もいらないため子どもでも開けられるだろう。ただし、缶の切り口などでけがをしないように注意する必要がある。
4. 開封済みのコンビーフ缶の保存方法

未開封の缶詰のコンビーフは数年程度日持ちするのがメリットで非常食として購入している人も多いが、注意しなければならないのは開封後である。缶を開けたあとはできるだけその日のうちに食べきるのがおすすめ。しかし、中にはサイズが大きくて一度で食べきれないものもあるだろう。そんなときは冷凍保存をしておくと便利だ。食べやすいサイズや大きさにカットしてからラップで包み、ジッパー付きの袋などに入れてから冷凍しよう。解凍するときは冷蔵庫で自然解凍し、1~2週間で食べきるとよいだろう。コンビーフはそのまま食べてももちろん美味しいが、いろいろな料理にアレンジして楽しめるので工夫しながら楽しんでみてほしい。
結論
コンビーフの缶詰の形には、昔の人々の知恵が詰まっていたとは驚きだ。コンビーフはサンドイッチの具や酒のつまみとしてだけでなく、さまざまなアレンジができるのも魅力。ちなみに、コンビーフ自体を自分で作ることもできるので、興味がある人はぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。
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