1. ミノはどこの部位?
焼肉には肉のさまざまな部位が使われているが、実際にそれがどこの部位に当たるのかを答えられる人は意外に少ない。というのも使われている名称が、直接部位を指すことが少ないから。とくにホルモンは、なかなか覚えづらいところがある。今回、ご紹介するのはミノである。その名前から、どこの部位とはなかなか想像しづらい。
ミノは胃
牛には4つの胃がある。その1つ目の胃がミノである。ちなみに2番目がハチノス、3番目がセンマイ、4番目がギアラとどれも焼肉屋でよく目にする名前が並ぶ。ちなみに胃といっても1〜3番目の胃は前胃と呼ばれ、タンパク質を消化する役割は担っていない。人間でいう胃とは少々役割が違うことがわかる。消化機能を持っているのは、4番目のギアラだけだ。牛は口に入れた草などの植物をうまく消化するために、胃の中に入れた食物を口に戻すことを繰り返している。その作業に1〜3の胃が活用されているのだ。ちなみに1番目の胃であるミノは植物の繊維などを分解する役割があるそうだ。
ミノの特徴
1番目の胃であるミノは、4つの中で一番大きい。肉厚で、色は白色をしている。切り込みを入れて食べることが多く、そのルックスが蓑に似ていたことから、この名がついたという説もあるそうだ。きちんと下処理がなされているものであれば、臭みも少なく、味わいも淡白なので初心者にも食べやすい。
2. 「こりこり」したミノと「柔らかい」ミノがある理由
コリコリの食感
ミノの食感として挙げられる擬音は、おもに「コリコリ」であろう。先に説明した通り、1番目の胃であるミノは、食物を分解するために忙しく動いている。運動をしているのだ。これがコリコリとした食感を作り出す要素のひとつだと考えられている。とくに牧草は消化に時間を要するため、何度も何度も胃と口の中を行ったり来たりする傾向にあるので、コリコリとした食感を強く感じるらしい。
柔らかい食感
牛のなかには牧草ではなく、より消化しやすい穀物を食糧源としているものもあり、適度に脂肪がついた柔らかな肉質に仕上がる。この場合は、牧草中心のものよりはるかに胃の運動量が少ないため、ミノも柔らかくなる傾向にあるようだ。
3. ミノの美味しい食べ方
ミノを自宅で食べるという機会はそうそう巡ってこないので、ここでは焼肉屋での美味しい食べ方を伝授しよう。ミノはそのままだとどうしても噛みきれないので、多くの場合、格子状のカットが入っている。まずはカットを上にして、網に置く。焼き目がついてきたら、ここからはこまめに転がしながら全体を焼いていく。全面に焼き色がついたらOK。大きさや厚みにもよるが、比較的しっかり目に焼いても大丈夫だ。格子状のカットが開いてきたら、焼き上がりのサインである。
ミノの名称
ミノのなかでも、より肉厚なものを上ミノやミノサンドと呼ぶことがある。よりジューシーな味わいと食感を楽しむことができる。普通のミノと食べ比べをしてみるのもよいだろう。
結論
ミノは、牛の4つある胃の中のひとつ、第一胃だ。人間の胃とは少々異なり、タンパク質を消化する機能は持っていない。どちらかといえば、人間の食道に近い役割をしている。美味しく食べるコツは、転がしながらしっかりと焼くこと。特有のコリコリ感がより強くなるのでおすすめだ。
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