1. けんちゃんの食習の機会や時季

けんちゃんは大分県国東市の郷土料理だが、その内容はけんちん汁に近い。和尚が野菜くずを煮込んで食べたのがはじまりといわれている。その和尚がいた鎌倉の建長寺から「建長汁」と名付けられたものが変化し、けんちゃんやけんちん汁という呼び名となったそうだ。
けんちゃんは冬の家庭料理
由来からもわかるように、けんちゃんには高価な食材は使われておらず一般家庭でも広く食べられてきた。とくに、材料となる根菜類が旬の冬によく食べられる料理である。具だくさんなうえ、身体を温めるといわれる根菜がたっぷりと入っていることから、冬には欠かせない家庭料理として位置付けられている。
大鍋で作られることが多い
けんちゃんは一度にたくさんの量を大鍋で仕込んで食べることが多い。大家族でも2~3日は煮返しを食べられるほど大量に作るそうだ。寒い冬に温かいけんちゃんを食べればホッとするし、和風出汁がベースのあっさりとした味付けのため飽きがこないのである。
2. 美味しいけんちゃんの食べ方

けんちゃんは具材を煮込むだけの簡単な料理のため、家庭で楽しめる。豆腐と大根と里芋は必ず入れるが、ほかにはにんじんやごぼう、こんにゃく、油揚げ、鶏肉などを好みで加えよう。
けんちゃん汁という食べ方もある
けんちゃんはけんちん汁とは少し違って、煮物という位置付けである。つまり、汁気がやや少なめなのだ。一方、けんちゃんの汁気を多くした食べ方もあり、けんちゃん汁と呼ばれている。こちらは、よりけんちん汁に近い料理といえるだろう。汁物として食べたいときは、けんちゃん汁にして食べるのがおすすめだ。
国東市のけんちゃんはうどん入り
大分県国東市のけんちゃんには、根菜類のほかうどんが入っているのが特徴的だ。ただし、最近はうどんが入らないけんちゃんも多いため、明確な定義はない。そもそも具材にも厳密な決まりはないため、気分によって汁を多めにしたりうどんを入れたりしながらさまざまな食べ方を楽しめばよいだろう。
3. アレンジしたけんちゃんの食べ方

あっさりとした味付けのけんちゃんは、さまざまなアレンジを楽しめる。具材を好みのものに変えてもよいが、ここでは具材はそのままで味付けをアレンジしたけんちゃんを紹介する。大量に作ったけんちゃんの2日目、3日目のリメイク法としてもおすすめだ。
あんかけけんちゃん
けんちゃんに水溶き片栗粉を加えて軽く煮ればあんかけになる。ごはんや麺にかけて食べるのが一般的だ。
カレーけんちゃん
和風の煮汁にカレールウを溶かして作るカレー味のけんちゃん。大量に作ったけんちゃんをリメイクするのもおすすめだ。うどん入りならカレーうどんとしても食べられる。
豆乳けんちゃん
根菜や和風出汁と豆乳の相性はよいため、けんちゃんに豆乳を加えて豆乳鍋のようにしても美味しい。豆乳を入れる場合、いつものしょうゆ味のほか、みそ味にアレンジしてもよいだろう。
キムチけんちゃん
けんちゃんにキムチを入れるだけで、ピリ辛な味付けとなりごはんが進むおかずに早変わりだ。もちろんうどん入りのけんちゃんでも作れる。
結論
けんちゃんという名前だけではどんな料理かさっぱりわからなかった人も多いのではないだろうか。けんちゃんはけんちん汁と同じような料理で、うどんが入っていることが多いと覚えておけば間違いない。和風な優しい味わいで、アレンジもしやすくさまざまな食べ方が楽しめるけんちゃんを、ぜひ自宅でも楽しんでほしい。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 けんちゃん
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kenchan_oita.html
農林水産省 うちの郷土料理 けんちゃん
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kenchan_oita.html
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