1. べろべろの特徴、歴史や由来

べろべろは、簡単にいえば溶き卵の寒天寄せのことである。江戸時代からあるとされるべろべろは、当時貴重だった卵と砂糖そして日本海の天草を使用して作られ、祝いの席でよく食べられてきた。
石川県ではおせち料理の定番
祝いごとや祭ごとに欠かせない行事食のべろべろは、おせち料理の定番でもある。全国的にはあまり知られていないが、石川県では数の子などとともに一の重におさめられ、当たり前のように親しまれてきた。
名称が地域によって異なる
べろべろの呼称は地域により異なり、えびす、はやべしなどとも呼ばれている。べろべろとえびすは、「べっこう」が由来といわれており、富山県ではべっこうという名で知られている。はやべしは輪島市の郷土料理である柚餅子に似ていることが由来とされており、柚餅子よりも簡単に作れることから「早ゆべし」がはやべしとなったそうだ。
地域によって見ためや味も異なる
金沢や能登のべろべろは砂糖としょうゆで味付けするため、由来の通りべっこう色をしている。一方、小松や加賀のべろべろは、砂糖と塩で味付けされるため白っぽい。また、固さもさまざまだ。地域や家庭によって作り方が若干異なるが、いずれにしても甘じょっぱく不思議な食べ物といわれることも多い。
2. べろべろの主な使用食材、カロリー、栄養

べろべろの使用食材は、主に卵と寒天である。調味料は砂糖としょうゆ、もしくは砂糖と塩、しょうゆと塩といった組み合わせが多い。
カロリーは1人前86kcal
「えびす寒天」としてイオンで販売されているべろべろのデータによると、1人前(170g)あたり86kcalと低カロリーだ。170gのべろべろを一度に食べきるのは難しいかもしれない。1食あたりを半分か1/3ほどの量と考えると20~40kcalしかないことになる。
べろべろの栄養
べろべろ1人前には卵1/2~1個分が含まれている。もう1つの主な使用食材である寒天にはカロリーも栄養もわずかしか含まれないため、栄養に関しても卵由来のものと考えられる。イオンの「えびす寒天」(170g)に含まれる三大栄養素は、たんぱく質が2.3g、脂質が1.8g、炭水化物が15.1gとなっている。ちなみにたんぱく質や脂質は卵由来だが、炭水化物は寒天や砂糖などにも含まれているため多くなっているのだろう。また炭水化物量は食物繊維と糖質の総量である。海藻である寒天には食物繊維も含まれているため、炭水化物量が多くなったとも考えられる。
3. べろべろの食習の機会や時季

かつては砂糖をたっぷり入れてお菓子のように作ることが多かったが、現在は甘さ控えめのものが好まれ、スーパーなどで販売されているものもおかず向きである。
ハレの日の料理だが通年販売される
おせち料理や冠婚葬祭用の料理として食べられるべろべろだが、スーパーなどでは1年中購入することができる。副菜や子どものおやつとして食べられることもあるようだが、家庭で作るのはやはりおせち用など祝いごとの意味合いが強そうだ。
4. 基本のべろべろの作り方

べろべろの作り方はとてもシンプルだ。家で作る際は粉寒天を使うと作りやすい。
粉寒天を少量の水で溶かしながら火にかける。沸騰してしばらくしたら砂糖やしょうゆ、千切りのしょうがを加える。溶き卵を流し入れて、軽くかきまぜ火を止める。粗熱を取ってから容器に移し、冷やし固める。卵を加えたら冷めてから容器に移すが、放置しすぎると鍋の中で固まってしまうため気を付けよう。容器は内側を水で濡らしておくとべろべろを取り出しやすくなる。また、味付けは砂糖としょうゆに限らず、塩など好みの調味料を使ってもよい。
5. べろべろの基本の食べ方、アレンジした食べ方

冷やし固めたべろべろは、一口大に切り分けて皿に盛って食べるのが基本の食べ方である。四角や三角など好みの形に切ろう。卵で模様が作られたような断面も美しい。
べろべろにしらすをトッピング
切り分けたらそのままいただくのが基本の食べ方だが、ほかの食材をプラスするのも味が変わって面白い。おすすめなのは、べろべろにしらすをトッピングする食べ方。べろべろを作るときにしらすを入れて固めても美味しい。
結論
べろべろはべっこう色の卵寒天と覚えておこう。寒天さえ手に入れれば、作り方はとても簡単なのでぜひ自宅でも作ってみてほしい。おせちに入れたり子どものおやつにしたり副菜にしたりと、食べ方はいろいろとある。好みの味付けでべろべろを作って家族で楽しもう。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 えびす/べろべろ
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ebisu_ishikawa.html
農林水産省 うちの郷土料理 えびす/べろべろ
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