1. アンドゥイユってどんな食べ物?

アンドゥイユはフランスで作られるソーセージの一種で、豚の腸が詰められている。一般的なソーセージは腸に肉を詰めて作られているが、中身にまで腸が使われているのは珍しい。腸や胃がアンドゥイユのメイン食材のため独特の風味があるが、地元の人々には広く親しまれている。
■腸でできた大きな燻製ソーセージ
フランスのブルターニュ地方では、昔から豚肉がよく食べられてきた。肉だけでなく内臓まで食べる習慣から、自然とアンドゥイユも考え出されたのだろう。アンドゥイユはソーセージにしてはかなり大きく、長さはまちまちだが直径5~6cmのものが当たり前。なぜこんなに大きいかというと、アンドゥイユは大腸に材料を詰めて作られるからだ。なかでもゲメネのアンドゥイユは腸を幾重にも重ねて作られるため、断面が木の年輪のような模様に見える。
■町のビストロでは付き出しの定番
日本でアンドゥイユを見かけることはめったにないが、フランスの町のビストロでは必ず口にするといっても過言ではない。アンドゥイユは付き出しの定番なのだという。最初の一杯はアンドゥイユとともにいただくのが地元の習慣なのかもしれない。
2. アンドゥイユの小型版!トロアのアンドゥイエットとは

アンドゥイユによく似た食品にアンドゥイエットというものがある。アンドゥイユと同様に、ブルターニュ地方のさまざまなところで作られ親しまれている。アンドゥイエットは大腸ではなく小腸に詰めるため小ぶりだが、ほかの材料はアンドゥイユとほぼ同じだ。アンドゥイユが加熱済でそのまま食べられるのに対し、アンドゥイエットはグリルかボイルして食べるのが一般的である。
■トロアのアンドゥイエットは内臓のみで作られる
アンドゥイユもアンドゥイエットも、地方によって材料が異なる。とくにトロアのアンドゥイエットは、内臓のみで作られるより個性的なソーセージだ。内臓と肉を混ぜて詰めているほかの地方のものに比べクセも強いが、正統派のアンドゥイエットとして支持されている。内臓をたっぷり使うという意味では、とくにゲメネのアンドゥイユとトロアのアンドゥイエットは似ているのではないだろうか。
3. アンドゥイユの美味しい食べ方

アンドゥイエットは切らずにそのまま焼いたり茹でたりして食べるが、アンドゥイユはとても大きいためスライスして食べるのが一般的だ。しかし、あらかじめ加熱されているためアンドゥイエットのように焼いたりする必要はない。
■冷製オードブルとして
ビストロの付き出しとして出されるのも冷やしたアンドゥイユがほとんどだ。ハムのように、冷製オードブルとしていただくのがアンドゥイユの定番な食べ方なのである。単品でも、ピクルスなどを添えて食べても美味しい。
■温める食べ方
アンドゥイユは加熱しなくても食べられるが、冷製だけでなく温めて食べられることも多い。地元では温めたアンドゥイユにじゃがいものピューレを添えたり、料理にアレンジしたりする。豚肉のソーセージとともに厚切りにしたアンドゥイユをバターで炒め、野菜と豆のトマト煮と合わせた料理などもよく食べられているようだ。
結論
アンドゥイユもトロアのアンドゥイエットも、ホルモンの独特な風味が特徴のソーセージである。材料は似ているが見ためや食べ方が異なるため、それぞれに合った食べ方を試すとよいだろう。いままで食べてきたソーセージとはまったく異なる味であることは確かだ。通販で入手できるため、試してみてはどうだろう。
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