1. 世界のスープとは

日本のスープといえば、お味噌汁。家庭の味、おふくろの味、ソウルフードともいえる存在だ。世界でもそれは同じ。各国で、それぞれ愛されている味がある。世界のスープとは、まさにそんな各国のソウルフードのことである。
世界3大スープ
世界3大スープといえば、トムヤムクン、ブイヤベース、ボルシチ、フカヒレスープの4つだといわれている。3大なのに4つというのは、ご愛嬌。どれも甲乙つけがたい存在で決め切ることができず、さまざまな解釈があるのだろう。トムヤムクンはタイ生まれの酸っぱ辛い海老入りスープ、ブイヤベースは南フランス生まれの魚介類とサフランをたっぷり使ったスープ、ボルシチはロシア料理として有名なビーツを使ったスープ、フカヒレスープは中国生まれで高級素材フカヒレがメインのとろみあるスープだ。
2. タイ生まれのトムカーガイ

トムカーガイは、鶏肉とココナッツミルクを使ったスープで、日本でも比較的よく知られる存在。トムは煮る、カーはタイの生姜、ガイは鶏肉を表す言葉。グリーンカレーを彷彿とさせるルックスで、味わいは非常にまろやか。トムヤムクンに比べて、食べやすい印象だ。タイでは屋台でも広く販売されているらしい。
ポイントはハーブ
タイ料理に欠かすことができないさまざまなハーブ。まずタイの生姜であるカー。日本の生姜よりも香りが強いのが特徴。薄くスライスして使おう。レモングラスは根元を潰して使うのが定番でこちらも香り高い。コブミカンの葉っぱ、バイマックルーはさわやかな柑橘系の香りをもたらしてくれる存在。日本でもよく知られるようになったパクチーの根も必須だ。
ココナッツミルクとタイの関係
タイの領土を見てみると縦に長いことがよくわかる。地形の違いにより、南北で料理や素材に違いがある。トムヤムに代表されるスープも大きく2つに分けることができる。北や東北部で食べられているのが、ココナッツミルクの入らないきりりとした辛さが特徴のスープ。対して南では、ココナッツミルクが入ったスープがポピュラー。これはココナッツの産地が中央部から南部に集中していることも大きな理由のひとつであろう。
3. トムカーガイの作り方

材料のメインになるのは鶏肉だ。またタイでは非常にポピュラーなきのこ、フクロタケを入れるのも定番。そのほかの具材はトマトやミニトマト。あとはハーブとココナッツミルク、ナンプラー、レモン汁を合わせるだけと非常に簡単。手羽先や手羽元など、骨つきの鶏肉で作ると出汁が出るので奥深さが増す。ただ、それだけでは出汁が足りないので、鶏ガラスープの素を加えるとよいだろう。
砂糖が決め手
タイ料理には、砂糖が使われることが多い。仕上げやドレッシングのベースに加えられるのが一般的で、これは味を引き締める効果がある。トムカーガイにも砂糖を少量入れるとぐっと味わいが締まる。
作り方
鍋にスープとハーブ類を入れて、沸騰させて煮立てる。あとは、具材を順に入れて火を通し、ナンプラー、レモン汁、砂糖で味を調え、ココナッツミルクを加えれば完成。ココナッツミルクは、煮立てると分離することがあるので、最後に加えるのが正解だ。パクチーを散らすと見栄えもよい。唐辛子を入れる場合は、ハーブと一緒または飾りに。ただし、このスープはまろやかな味わいが特徴なので、唐辛子の入れすぎには注意しよう。
結論
今回は、世界のスープのなかからトムカーガイを紹介した。トムカーガイは、ココナッツミルクを使った鶏肉のまろやかなスープ。世界のスープを学ぶと毎日の食卓のバリエーションが広がる。タイ料理の中でも食べやすい部類に入るので、ぜひ作ってみてはいかがだろう。
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