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【コッペパン】はどこから生まれた?給食の定番の歴史を紹介!

【コッペパン】はどこから生まれた?給食の定番の歴史を紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 小林里穂(こばやしりほ)

鉛筆アイコン 2020年10月26日

焼きそばや唐揚げ、クリーム、ジャムなど、いろいろなものを挟んで楽しめるコッペパン。生地は柔らかく、シンプルな味わいで広く親しまれている。コッペパンを懐かしいと感じる世代もあるようだが、一体コッペパンとはいつどこで生まれたのだろうか。ここではコッペパンの発祥や歴史について詳しくみていきたい。

  

1. コッペパンはどこで生まれたパン?

コッペパンは、戦後の日本の給食を象徴する食べ物である。いまでこそごはんが主食の給食がメジャーとなっているが、戦後の給食といえばパンばかりだった。このころにコッペパンが認知されてきたのは間違いないが、いつ、どこで生まれたのかについてなど、詳しいことは不明な点が多いようだ。

あくまで憶測に過ぎないが、コッペパン発祥の有力な説として、フランス語の「クーペ」が考えられている。クーペはcoupeと書き、「切る」や「切り込みを入れる」という意味をもつ言葉だ。フランスパンのなかにもクーペというパンが存在する。

クーペは小型のフランスパンで、コッペパンと形が似ている。クーペは皮が香ばしく硬めのパンであり、柔らかくて食べやすいコッペパンとは異なる食感だ。硬いクーペは学校給食には適さないため、形だけを参考にしてコッペパンの形となったと考えるのが、いまのところは正解なのかもしれない。

2. 学校給食でコッペパンが広まったのはなぜ?

それでは、なぜ学校給食でコッペパンが広まっていったのか、その理由について解説していきたい。理由としては主に次の2点が挙げられる。

・給食設備が整っていなかった

パン給食が主流だった1つの理由として、まず戦後は給食を作るための設備が整っていなかったことが挙げられる。子どもの人数分の白米を炊くには、大きな釜やガス、人員が必要だ。パン給食なら手間を大きく省け、経費の削減になったのだ。

・余剰小麦消費のため

この時期アメリカでは小麦の在庫を大量に抱えていた。学校給食用にその小麦粉が寄贈されたり、余剰農産物について協定が結ばれたりしたことから、小麦を原料として作るパンが給食に普及したのである。

また、パンを製造していたのは給食センターのような場所ではなく街のパン屋であった。学校給食のパンは、人々の雇用を促し経済を回すことで、戦後の復興に一役買ったと考えることもできるだろう。

3. 給食の人気メニュー「揚げパン」が生まれたわけ

昭和時代の給食では、子どもに大人気の「揚げパン」というメニューが生まれた。その時代の給食を食べていた世代には、いまでも思い出のメニューとして揚げパンを挙げる人も多い。

揚げパンとはコッペパンを揚げて周りに砂糖をまぶしたもの。揚げパンの発祥は東京の小学校で、その学校に勤めていた調理師によって考案されたものだとの文献が残っている。1954年にインフルエンザが流行したとき、生徒が食べるはずだったコッペパンが大量に余ってしまった。パンは長く日持ちするものではなく、乾燥して硬くなってしまう。この硬くなったコッペパンを活用できないかと考えたときに生まれたのが、揚げパンだったのである。揚げたパンの周りに甘い砂糖がまぶしていることにも理由がある。学校を休んでいた友達に給食を届けるという習慣が定着し始め、時間が経っても美味しく食べられるための工夫として、揚げたパンの周りに砂糖をまぶすようになったそうだ。

揚げパンなくしては給食を語れないほど、揚げパンは人気メニューであった。食糧難によって質素な食事を強いられるなか、揚げ物と砂糖という組み合わせは当時の子どもたちには大変魅力的なものに映ったことだろう。現在でも給食で揚げパンを提供される地域があり、昔と変わらず子どもたちからの人気は高い。揚げパンは日本の給食の歴史を探る手がかりにもなるのではないだろうか。

結論

コッペパンはそのまま食べることはもちろん、切れ目を入れて具材を挟んでいろいろな食べ方を楽しめるパンである。はっきりとした由来はわかっていないが、小型のフランスパンのクーペを日本の子どもたちが食べやすいように改良した説が有力である。日本の給食にも大いに貢献したコッペパン。これからも日本独自のパンとして、日本人の食卓を支えてくれるに違いない。
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  • 公開日:

    2020年7月24日

  • 更新日:

    2020年10月26日

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