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発酵と腐敗の本当の違いに迫る!実は同じ現象って知ってる?

発酵と腐敗の本当の違いに迫る!実は同じ現象って知ってる?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2020年8月16日

発酵食品ブームの後押しを受け、発酵はライフスタイルの大きなキーワードになりつつある。日本は、伝統的な発酵食品が非常に多く、親しみが深いものでもある。さて、その発酵とよくセットで語られるのが腐敗だ。じつは両者は、ある意味同じものともいえる。では違いは、一体何なのか?その真相に迫っていこう。

  

1. 発酵とは

発酵とは、微生物が活動することにより、食品が変化することを指す言葉である。変化はさまざまだが、人間にとって有効な変化を発酵と呼ぶのが普通。中でも乳酸発酵は、人間との関わりが非常に深い発酵のひとつである。乳酸発酵では、菌(乳酸菌)が糖を分解し、乳酸を生成させる。この結果、有機酸、アミノ酸、香りなど、私たち人間にとって旨みや栄養価が加わるだけでなく、物によっては保存性が向上する場合もある。

発酵食品の例

発酵をした食べられるものを発酵食品と呼ぶ。とくに乳酸発酵をした食品は、私たちの間で非常にポピュラー。とくに和食に欠かせない醤油や味噌、酢、みりんなど、多くの調味料が発酵を経て生成されるものだ。そのほかにもキムチ、ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、ピクルスなど、見渡すと暮らしのなかには、発酵食品が溢れている。

発酵食品の罠

ただし、発酵食品であれば、なんでもよいというわけではない。きちんと無駄のない過程で作られることが重要で、添加物などが多く入っていると発酵のパワーが台無しになってしまうので、選び方には注意が必要だ。

2. 腐敗とは

腐敗とは、発酵と同じく、微生物によって、食品が変化することを指す言葉である。発酵同様、変化はさまざまだが、人間にとって有効でない、むしろ害を与える変化を腐敗と呼ぶ。

腐敗の例

たとえば、肉や魚を常温に置いておくと腐ることは容易に想像ができるだろう。これは、食品に含まれるタンパク質や炭水化物などが、微生物によって分解されることによって起こる。分解の結果、食品に微生物が増殖し、それまでの形や味わいとはまるで違う形に変化してしまうのだ。

3. 発酵と腐敗の違い

発酵と腐敗、最大の違いは、人間によって有益な変化であるか否かにある。変化に伴う現象は、どちらも同じである。人間目線で決められた区分けに過ぎないのだ。

注意したいこと

上記の説明を見ると糖を分解したものを発酵、それ以外を腐敗と分類したくなるが、そう簡単にはいかない。たとえば、納豆は大豆=タンパク質を分解することによって作られるものである。また有用であるといわれている乳酸菌であっても、清酒を作る工程においては、腐敗になりうる。

4. 発酵食品の上手な取り入れ方

少しずつ毎日

発酵食品といえど、偏って食すのでは本末転倒。なにごともバランスよくが基本で、発酵食品においても、バリエーションをもって摂取することが大切。乳酸菌は、動物性乳酸菌と植物性乳酸菌に分けることができるし、それぞれの発酵食品で活動する微生物には違いがある。そのあたりの調整をするのなら、今日は納豆、明日はヨーグルト、次はキムチのように、異なる食品を毎日摂取するのがおすすめ。さらに、塩分や脂質などのことも考えて、総じた栄養バランスを加味しながら食卓に取り入れる必要があるだろう。

結論

発酵と腐敗の違いは、紙一重。人間の身体にとって有用か、有害かという人間の目線で決められた差異なのである。本物の発酵食品には、古来の人々の叡智が詰まっている。その発酵食品を摂取することは、健康のみならず、地球との共存にも欠かせない一手かもしれない。
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  • 更新日:

    2020年8月16日

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