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発酵食品の酒粕と米麹の違いは?種類もさまざま

発酵食品の酒粕と米麹の違いは?種類もさまざま

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

鉛筆アイコン 2020年9月11日

スーパーの店頭で、板状になりパック詰めされている酒粕と米麹を見たことはあるだろうか。どちらも発酵食品で見た目は似ているのだが、甘酒の原料となる共通の利用法のほかには異なる使い方をする。今回は、酒粕と米麹の違いと、種類について紹介しよう。

  

1. 酒粕とは

酒粕は、日本酒の製造工程でできる搾りかすだ。日本酒は、米、米麹、水を原料にして作られる。丁寧に精米した米を蒸し、一部に麹菌を振り掛けて米麹にし、残りの蒸した米、水、酵母菌を混ぜる。それを発酵させてもろみを造るのだ。

時間を掛けて熟成したもろみは、搾ることで米や米麹が混じった搾りかすである酒粕と、日本酒である液体に分離される。液体を休ませ、不純物を沈殿させて上澄みを取り出してろ過し、加熱すると日本酒の完成だ。酒粕にはさまざまな種類がある。

■板粕

日本酒を搾ったあとの残りかすは、圧縮されて板状になっている。その板状になった酒粕が板粕だ。粘土のような固さで、水に馴染みにくい。スーパーなどでも手に入りやすい。

■ばら粕

板状にとれる酒粕が、崩れてばらばらになったものをばら粕という。柔らかいのは、酒の成分が多く残るためなど、さまざまな条件でばらばらになっている。

■練り粕

利用しやすいようにペースト状に加工した酒粕のこと。

■踏み込み粕

板粕、ばら粕を踏み込むことで空気を抜き、4~6カ月熟成させたもの。熟成することで、酒粕に含まれている糖分がアミノ酸に分解され、旨味成分が増して風味が良くなる。熟成しているため色が濃い特長がある。食酢の原料や、漬物に使われる。

■成形粕

ばら粕を練って、板状に成形したもの。練り込むことで酸化しやすくなり、ほかの酒粕よりも風味は落ちる。

2. 米麹とは

米麹は蒸した米へ麹菌を振り掛け、温度、湿度を管理して麹菌を増やしたものだ。大豆、米、麦などの原料と一緒に混ぜ合わせ、甘酒、酒、みりん、味噌などの発酵食品が造られる。できたての生麹は鮮度が落ちやすいため、店頭で売られているのは乾燥させた乾燥麹がほとんどだ。板状のものと、米粒がばらばらになったものが売られている。

■板状の米麹

米麹は、蒸した米を角形の麹箱へ広げて麹菌を増やす。麹菌は菌糸をのばしながら増えるため、米粒同士がくっつき合い板状になるのだ。そのため板麹と呼ばれる。麹菌が生きているため、生麹とも呼ばれる。また、板状の生麹を乾燥させ、麹菌の活動を止めたものもある。

■粒がばらばらになった米麹

板麹を利用するときは、手でほぐしてから使うことがほとんどだ。粒がばらばらになった米麹は、ばらばらにする手間を省略できるように作られたものだ。

3. 甘酒の作り方

甘酒には、原料に酒粕を使ったものと米麹のものがある。酒粕で作る甘酒は、発酵させる時間が必要ないため手軽に作ることができる。

■酒粕を使った甘酒

酒粕100gを水500mlに浸けて1時間以上置く。鍋に酒粕を入れて温め、砂糖、塩、ショウガをお好みの量入れたら完成だ。酒粕には
アルコールが含まれるため、十分加熱してアルコールを飛ばそう。それでも心配な場合は、子どもには飲ませず、また車を運転する前には飲まないようにしよう。

■米麹を使った甘酒

鍋にごはん200g、水600gを入れて温め、60℃に温める。火を止めて米麹を加えたら、保温ポットなどに入れて10~12時間置く。
炊飯器の保温機能で作ることもできる。米麹は60℃を超えると死んでしまうため温度には注意しよう。アルコールは含まれないため、子どもも安心して飲めるのが特長だ。

結論

酒粕は日本酒の製造工程でできる副産物である。米麹は、蒸した米に麹菌を振り掛けて増やしたものだ。どちらも甘酒の原料となる。酒粕にはアルコールが含まれるため、利用するときには注意しよう。

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  • 公開日:

    2018年10月29日

  • 更新日:

    2020年9月11日

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