1. 酒粕とは
酒粕は、日本酒の製造工程でできる搾りかすだ。日本酒は、米、米麹、水を原料にして作られる。丁寧に精米した米を蒸し、一部に麹菌を振り掛けて米麹にし、残りの蒸した米、水、酵母菌を混ぜる。それを発酵させてもろみを造るのだ。
時間を掛けて熟成したもろみは、搾ることで米や米麹が混じった搾りかすである酒粕と、日本酒である液体に分離される。液体を休ませ、不純物を沈殿させて上澄みを取り出してろ過し、加熱すると日本酒の完成だ。酒粕にはさまざまな種類がある。
時間を掛けて熟成したもろみは、搾ることで米や米麹が混じった搾りかすである酒粕と、日本酒である液体に分離される。液体を休ませ、不純物を沈殿させて上澄みを取り出してろ過し、加熱すると日本酒の完成だ。酒粕にはさまざまな種類がある。
■板粕
日本酒を搾ったあとの残りかすは、圧縮されて板状になっている。その板状になった酒粕が板粕だ。粘土のような固さで、水に馴染みにくい。スーパーなどでも手に入りやすい。
■ばら粕
板状にとれる酒粕が、崩れてばらばらになったものをばら粕という。柔らかいのは、酒の成分が多く残るためなど、さまざまな条件でばらばらになっている。
■練り粕
利用しやすいようにペースト状に加工した酒粕のこと。
■踏み込み粕
板粕、ばら粕を踏み込むことで空気を抜き、4~6カ月熟成させたもの。熟成することで、酒粕に含まれている糖分がアミノ酸に分解され、旨味成分が増して風味が良くなる。熟成しているため色が濃い特長がある。食酢の原料や、漬物に使われる。
■成形粕
ばら粕を練って、板状に成形したもの。練り込むことで酸化しやすくなり、ほかの酒粕よりも風味は落ちる。
2. 米麹とは
米麹は蒸した米へ麹菌を振り掛け、温度、湿度を管理して麹菌を増やしたものだ。大豆、米、麦などの原料と一緒に混ぜ合わせ、甘酒、酒、みりん、味噌などの発酵食品が造られる。できたての生麹は鮮度が落ちやすいため、店頭で売られているのは乾燥させた乾燥麹がほとんどだ。板状のものと、米粒がばらばらになったものが売られている。
■板状の米麹
米麹は、蒸した米を角形の麹箱へ広げて麹菌を増やす。麹菌は菌糸をのばしながら増えるため、米粒同士がくっつき合い板状になるのだ。そのため板麹と呼ばれる。麹菌が生きているため、生麹とも呼ばれる。また、板状の生麹を乾燥させ、麹菌の活動を止めたものもある。
■粒がばらばらになった米麹
板麹を利用するときは、手でほぐしてから使うことがほとんどだ。粒がばらばらになった米麹は、ばらばらにする手間を省略できるように作られたものだ。
3. 甘酒の作り方
甘酒には、原料に酒粕を使ったものと米麹のものがある。酒粕で作る甘酒は、発酵させる時間が必要ないため手軽に作ることができる。
■酒粕を使った甘酒
酒粕100gを水500mlに浸けて1時間以上置く。鍋に酒粕を入れて温め、砂糖、塩、ショウガをお好みの量入れたら完成だ。酒粕には
アルコールが含まれるため、十分加熱してアルコールを飛ばそう。それでも心配な場合は、子どもには飲ませず、また車を運転する前には飲まないようにしよう。
アルコールが含まれるため、十分加熱してアルコールを飛ばそう。それでも心配な場合は、子どもには飲ませず、また車を運転する前には飲まないようにしよう。
■米麹を使った甘酒
鍋にごはん200g、水600gを入れて温め、60℃に温める。火を止めて米麹を加えたら、保温ポットなどに入れて10~12時間置く。
炊飯器の保温機能で作ることもできる。米麹は60℃を超えると死んでしまうため温度には注意しよう。アルコールは含まれないため、子どもも安心して飲めるのが特長だ。
炊飯器の保温機能で作ることもできる。米麹は60℃を超えると死んでしまうため温度には注意しよう。アルコールは含まれないため、子どもも安心して飲めるのが特長だ。
結論
酒粕は日本酒の製造工程でできる副産物である。米麹は、蒸した米に麹菌を振り掛けて増やしたものだ。どちらも甘酒の原料となる。酒粕にはアルコールが含まれるため、利用するときには注意しよう。