1. ふきのとう味噌の特徴・歴史や由来
まず、島根県の郷土料理であるふきのとう味噌の特徴・歴史や由来について紹介しよう。独特の風味や食感をもつふきのとうとは、山間部の山林や田畑のあぜ道、市街地の土手、公園など、さまざまな場所で姿を見せる山菜だ。ふきのとう味噌は春の味覚としておなじみだが、とくに肥沃な大地と清らかな水に恵まれた島根県で親しまれている。
子どもが下校途中に摘んだり、年配の人が散歩途中に採ったり、いたるところに自生し春の訪れを告げるふきのとう。農園の一部を利用し栽培する農家も存在する。冷凍保存が可能なため、大量に調達し年間を通してふきのとう味噌のような料理を楽しむ家庭もあるという。味噌と和えたふきのとう味噌はごはんにのせて食べたり、アルコールのつまみで味わったりするのが定番だ。
2. ふきのとう味噌の主な使用食材と栄養
次にふきのとう味噌の主な使用食材と栄養を紹介しよう。ふきのとう味噌を調理するのに欠かせない食材がふきのとうだ。ふきのとうには、老廃物やナトリウムを体外に排出する働きのあるカリウムや、抗酸化作用のあるビタミンE、腸内環境を整える働きのある食物繊維などが含まれている。
ほかに、ふきのとう味噌に欠かせない食材のひとつが味噌だ。味噌は大きく分類すると米味噌・麦味噌・豆味噌・調合味噌の4つに分けられる。それぞれの特徴を紹介すると、米味噌は米・大豆・塩を原料に作られており白味噌は米味噌の一種だ。麦味噌は麦・大豆・塩が原料で、中国地方・四国地方・九州地方を中心に生産されている。豆味噌は大豆・塩が原料で主な生産地は中京地方だ。調合味噌は米味噌・麦味噌・豆味噌を2〜3種調合したものや、米麹・麦麹・豆麹を混合したものが使用された味噌、米味噌・麦味噌・豆味噌以外の味噌をいう。
味噌の主原料の大豆には良質の植物性タンパク質が多く含まれている。味噌は発酵により大豆にはない、あるいはあっても少量のビタミンやアミノ酸が多量に生成され、栄養的により優れるという。また酸素により加水分解されたタンパク質はアミノ酸になり、その中に生命維持に不可欠な必須アミノ酸が9種類すべて含まれている。
3. ふきのとう味噌の食習の機会や時季
次に紹介するのは、ふきのとう味噌の食習の機会や時季についてだ。春の味覚として親しまれているふきのとう味噌だが、ふきのとうは地域により1月頃からスーパーや八百屋に出まわり、4月に入ると間もなく出荷終期を迎える。
また、先述したようにふきのとうは田畑のあぜ道や山間の斜面に自生しており、地元の住民同士でおすそ分けすることもめずらしくないようだ。さらに同じ時期にタケノコやつくし、ぜんまいといった山の幸を楽しむ人もいる。ちなみに、ふきのとう味噌の主な伝承地域は出雲地方や石見地方だが、シーズン中であれば直売所や道の駅で販売されている。
4. ふきのとう味噌の作り方
次にふきのとう味噌の作り方を紹介しよう。ふきのとう味噌作りのポイントは、苦みが少なめのつぼみが小さく閉じたふきのとうを使用すること。独特の香りと苦みが特徴のふきのとうだが、摘み取ってすぐに調理すれば強い苦みが軽減される。
作り方はまず細かく刻んだふきのとうを塩と重曹を加えた熱湯で茹で、アク抜きし冷水にさらす。水気を絞り麦味噌・白味噌・炒りゴマ・酒・みりん・砂糖と合わせ、すり鉢でよくすり合わせたらふきのとう味噌の完成だ。ちなみに重曹を入れるのは色が抜けにくくキレイな緑色になるからだ。
5. ふきのとう味噌の食べ方
次に紹介するのは、ふきのとう味噌の食べ方だ。ふきのとう味噌に使用する味噌は麦味噌・白味噌と紹介したが、味噌の配分は好みで調節しても構わない。もし塩辛くなり過ぎたら、砂糖を加えて味を調えるとよい。
ちなみにふきのとうは調理する際、茶色に変色しやすいが、茹でた直後に冷水に浸すと鮮やかな緑色を保てるようだ。ふきのとう味噌を提供する飲食店では見ためを重視し、下処理を欠かさず行っているところもある。
結論
島根県の郷土料理であるふきのとう味噌について紹介した。ちなみにアク抜きしたふきのとうは水に浸したまま冷蔵庫で保存可能で、毎日水をかえれば美味しく味わうことができる。これまで食べたことがない人も、ふきのとう味噌を作ってみてはいかがだろうか。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 ふきのとう味噌
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/fukinotomiso_shimane.html
農林水産省 うちの郷土料理 ふきのとう味噌
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