1. いわし明太子の由来とは?
脂の乗ったいわしと辛みのある明太子の絶妙な美味は、発売後に瞬く間に人気商品の仲間入りをした。誕生以来、福岡県だけではなく料理愛好家の間でも愛されているいわし明太子。その由来をみてみよう。
「もったいない」から生まれたいわし明太子
いわし明太子が世に出たのは、バブル華やかなりし1985年のことである。博多の中島商店では、皮が破れて商品にならない明太子の消費方法に頭を悩ませた結果、脂の乗ったいわしの腹に明太子を挟んで焼いて食べる、という大胆な商品を生み出したのである。開発にあたっては、いわし以外にもアジやサンマや鯛などの魚でも試したという。しかし、結局はその美味から、いわしとの組み合わせで商品化された。もったいないの精神から生まれたことが功を奏し、現在は博多の名物としていわし明太子は定着している。ちなみに、いわしに明太子を挟むという作業は、いわしの身が柔らかいことから機械化は不可能で、現在も手作業で行っている。
料理人も太鼓判を押す絶妙な組み合わせ
いわしのお腹に明太子を詰めるという大胆不敵なアイデアであるが、プロの目から見ても絶妙な組み合わせだという。福岡の中州にある料亭でいわし明太子を料理し提供する料理長も、いわしの脂と明太子の塩味は相性が非常によいと太鼓判を押している。
2. 家で楽しむいわし明太子
いわし明太子は、福岡の料亭や居酒屋でも楽しめるほか、販売されているものを自宅で焼いて食べることもできる。さらに、いわしと明太子を自分で用意し、自宅で作ることもできる料理なのである。自家製いわし明太子を楽しむためのコツを紹介する。
いわし明太子を家で焼く場合
福岡から取り寄せたりお土産で入手したりしたいわし明太子がある場合は、どのように焼くと美味しいのであろうか。焼き方としては、グリルとフライパンを使用できる。グリルの場合は、裏表をそれぞれ10分焼くと美味しく火が通る。フライパンの場合は、薄く脂を敷いてふたをして片面8分ずつ火を通せばできあがる。
料理人の極意は
福岡の料理人は、いわし明太子をオーブンで焼くという。こうすると、パリッと香ばしい部分ができて美味しいのだという。また、強火のオーブンで調理することでいわしの甘みがより引き出される面もあるようだ。
1から家で作る場合は
自宅で1からいわし明太子を作る場合はどうだろうか。鱗、頭、内臓、血合いを除去したいわしはきれいに洗い、明太子の中身だけをその腹に詰めるのである。その際、明太子の中身にわずかに酒を加えて混ぜておくと、くさみ対策になる。お腹の部分に明太子を詰めたいわしは、グリルやフライパンで調理してできあがる。プロの料理人によれば、処理したいわしを明太子の液体に漬けて一晩ほど置くと、より味がなじむという。
3. いわし明太子アレンジ方法
いわし明太子は、それだけでも白いごはんが進むおかずであり、酒が進む肴となる。しかし、アレンジ方法もあるのだ。それは、いわし明太子を利用した混ぜごはんである。焼いたいわし明太をほぐして、炊き立てのごはんに混ぜる。すりごま、生姜、三つ葉などで、味や見ためにメリハリをつければ、丼で食べたくなるような美味となる。また、この混ぜごはんに出汁をかけてお茶漬け風にすれば、食欲が落ちる夏にもすいすいと食べられるだろう。まるでひつまぶしのような感覚で、豪奢なお茶漬けを楽しめるという趣向である。いずれにしても、ほどよい塩分、いわしの栄養などが摂取できる理想的な主食となることはまちがいない。
結論
福岡は博多の名物として定着しているいわし明太子。皮が破れた明太子を捨てないで商品に活用したことから生まれた料理であるが、その美味から福岡県外でもファンは多い。自宅でも挑戦できるいわし明太子は、おかずとしてもつまみとしても食卓で大活躍をしてくれるだろう。
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