目次
- 1. あずきバーとは?
- 2. あずきバーはサファイアよりも硬い?
- 3. あずきバーは人間の歯よりも硬い
- 4. あずきバーが硬い理由
- 5. 硬いあずきバーを美味しく食べるコツ
- 6. あずきバーの硬さにまつわる豆知識
- ※1:あずきバーの硬度をデジタルロックウェル硬度計で測定してみた - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=V4ghuROdifM
1. あずきバーとは?

そもそも「あずきバー」とはどのような商品なのか、簡単におさらいしておこう。
1973年から製造・販売されている井村屋の氷菓
あずきバーは、三重県に本社を置く井村屋株式会社が1973年(昭和48年)から製造・販売している氷菓である。登録商標もされている。「井村屋自慢のぜんざいをアイスにできないか」というコンセプトから誕生した商品で、あずきアイス市場のパイオニア的存在だ。
とにかく硬い!といわれる
発売以来、氷菓の売上シェアや人気ランキングで常に上位をキープしているあずきバーだが、いかんせん硬い。あずきバーの公式サイトやパッケージにも「固く凍っているため、歯を痛めないようにご注意ください」という注意書きがなされているほどだ。
2. あずきバーはサファイアよりも硬い?

「あずきバーはサファイアよりも硬い」と表現されることがある。果たして本当なのだろうか?その根拠は、岐阜県関市にある株式会社G・SAKAI(ジー・サカイ)がおこなった測定にある。
ロックウェル硬さが「HRC 320」以上を記録した
「ロックウェル硬さ」とは、主に工業材料の硬度を数値化する際に用いられることが多い単位のひとつ。略号は「HR」だが、実際には「HRC」または「HRA」などスケールを付記するのが一般的だ。
話を戻すと、上述したG・SAKAIがおこなった測定では、あずきバーの硬度が「HRC 320」以上の数値を記録した。(※1)では「HRC 320」とはいったいどれほどの硬さなのだろうか?
サファイアのロックウェル硬さは「HSC 227」である
鉱物の中でダイヤモンドに次ぐ硬さといわれているサファイアは「HRC 227」相当である。一方、あずきバーの硬さは上述のように「HRC 320」以上である。この結果がネットなどを介して広がり、「あずきバーはサファイアよりも硬い」と話題になったわけだ。
ただしサファイアの硬さを超えたのは「瞬間的」だった
あずきバーの硬さがサファイヤの硬さを超えたという事実はあるものの、実際には「瞬間的に超えた」というだけである。したがって「必ずしもあずきバーのほうがサファイアよりも硬い」と断定することはできない。
3. あずきバーは人間の歯よりも硬い

あずきバーの硬さがサファイアよりも硬いというのは、嘘ではないが真実とも言い難い。それよりも「確実」なのが、人間の歯よりも硬いということだ。
人間の歯(エナメル質)は「HRC 33.8」相当とされている
人間の歯(エナメル質)は、水晶などと同じくらい硬い。だが、それでも硬さは「HRC 33.8」相当とされている。「HRC 320」という桁違いの硬さを記録したあずきバーは、人間の歯よりも圧倒的に硬いことがわかるであろう。
4. あずきバーが硬い理由

なぜ同じアイスの中でもあずきバーはこんなにも硬いのだろうか?その理由を解説しよう。
気泡が少ないことに起因する
あずきバーが非常に硬いのは、気泡が少ないことに起因するといわれている。「ぜんざいをアイスにする」というコンセプトから誕生したあずきバーは、材料に砂糖・小豆・水飴・コーンスターチ・食塩を使い、添加物は不使用である。
これらの材料をギュッと詰めるようにして製造した結果、意図せずして「気泡が少なく硬いあずきバー」が誕生したというわけだ。
あずきバーの硬さに対する海外の反応は?
「外国人にあずきバーを食べてもらった」系の動画やニュースなどを見てみると意見はさまざまだ。硬いけど美味しい、食べると慣れてくる、クレイジーだ、など当然だが人それぞれの反応である。
そもそも、アメリカ人のほとんどは「カチコチに凍ったアイス」を食べる習慣がない。かき氷などふんわりした氷菓やソフトクリームなどの軟らかいアイスが主流だ。したがって「硬さ」を売りにあずきバーを海外で広めるのは難しいだろう、と考えられている。
5. 硬いあずきバーを美味しく食べるコツ

冷凍庫から出したばかりのあずきバーは「硬くて食べにくい」という方も多いだろう。そんなときは、ちょっとしたコツを覚えておくと食べやすくなる。
常温下や冷蔵庫に数分置いておく
カチカチに凍ったあずきバーを食べやすくするには、常温下や冷蔵庫に置いておくのがおすすめだ。常温なら5〜10分程度、冷蔵庫なら15〜30分程度を目安にしよう。それにより適度に溶け始め、カチコチよりも食べやすくなる。
ドリンクに浸して食べる
牛乳やホットミルク、コーヒーなどドリンクに浸しながら食べるのもおすすめだ。ドリンクに少し浸すだけで表面が溶けるため、歯で簡単にかみ砕けるようになる。すぐに食べたいときにはこのアイデアを試してみるのもよいだろう。
6. あずきバーの硬さにまつわる豆知識

あずきバーの硬さに関するエピソードは数多くある。ちょっとした豆知識として紹介しよう。
日本刀アイス「あずきバー」が作られた
刃物のまちとして知られる岐阜県関市では、毎年10月頃に「刃物まつり」が開催される。2017年に開催された第50回刃物まつりにて、刃の部分にあずきバーを使った「日本刀アイス あずきバー」が展示された。発案者は高校生という。刀身65cm程度、全体87cm程度と本物さながらの仕上がりだった。
あずきバー専用かき氷機が売られている
2017年6月、タカラトミーアーツから「おかしなかき氷 井村屋 あずきバー」というかき氷機が発売された。通常のかき氷機と異なり、あずきバーを固定するための装置を備えているのが特徴だ。あずきバーをセットしてハンドルを回せばシャリシャリのかき氷が作れる。現在も販売中なので気になる方はチェックしてみよう。
結論
硬くて有名なあずきバーは、瞬間的だが「HRC 320」以上となりサファイアを上回った。ただしあくまで「傷つきにくさ」の話であり砕けにくさ(靭性)ではない点は覚えておきたい。アイスバーが硬すぎて食べにくいときには、常温下や冷蔵庫に置いたりドリンクに浸したりすると食べやすくなる。
(参考文献)
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