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【あずき】の種類と特産地、旬の時期を解説。美味しい食べ方も紹介

【あずき】の種類と特産地、旬の時期を解説。美味しい食べ方も紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2020年9月 4日

鍋であずきを煮ると漂う甘く優しい香り…。手作りおやつの記憶は、もう遠い昔のこと。それでも、近年の健康志向に伴って、低カロリーで栄養価の高いあずきが見直されているという。この機会に、あずきについての薀蓄を紐解いてみよう。

  

1. あずきの種類

あずきの種類の中で、最も有名なのが「大納言」だろう。中には、あずきの別名が大納言と思っている人もいるくらい、その名は知られている。しかし、実際には「大納言」は、あずきの中で特定の品種を指す名前で、長時間煮ても皮が破れにくい品種であることから、ほかのあずきとは別格の扱いをされているものなのだ。そのほかの品種を含めて紹介しよう。

【大納言】

粒が大きく、煮崩れしにくい品種。あずきは流通や加工場の都合から、大納言とそれ以外の普通のあずきという扱い方をされている。ほかの品種でも大きな粒のあずきはあるが、皮が破れにくいという性質がないものは、大納言と呼ばれることはないという。
そもそも、大納言という名前は、切腹の習慣がない貴族の官位から来ているとか。「皮が破れない=腹切れがない」が由来だという説があるそうだ。じっくり煮込んでも煮崩れしないので、ぜんざいや甘納豆など、あずきの粒そのものを残したい和のスイーツに使われている。

【エリモショウズ】

現在、大納言以外の普通のあずきにおいて、約5割の栽培を占めている品種。昭和46年に北海道立十勝試験場で育成された。

【きたのおとめ】

昭和57年に北海道立十勝試験場で「エリモショウズ」と「2025(F5)」という品種から育成された。

【しゅまり】

平成元年に北海道立十勝試験場で育成された品種。病気に強い。

【白あずき】

あずきには、皮の色が赤のほかにも、黒、白、茶、灰色、白地に赤い斑紋などがある。ただし、国内で生産されているのは、赤と白だけ。白あずきの生産はごくわずかだが、岡山県「備中白あずき」や北海道「きたほたる」などがある。白あずきは市場で見かけることはほとんどなく、白餡として加工され和菓子の生菓子や羊羹、最中などに使われている。

2. あずきの特産地と旬

国内で生産されているあずきの約8割が、北海道産だ。

大納言には産地の名前が付いているものもある。一般にも知られているのが、京都府の丹波地方で生産されている「丹波大納言」。岡山県西部で栽培されている「新備中夢大納言」や兵庫県の美方郡周辺で生産される「美方夢大納言」、石川県能登半島の「能登大納言」などがある。

なお、乾物で一年中流通するあずきだが、秋に収穫され乾燥してから市場に新豆が出回るので、旬は10月〜2月くらい。その後は米と一緒で水分が必要以上に抜け、皮が硬くなっていく。

3. 美味しいあずきの選び方

一般的な野菜と違い、あずきを一粒一粒手に取ってチェックしながら買うわけにはいかないので、選び方といっても難しいのだが、袋詰めされているようなものであれば粒の大きさが揃っていて、ツヤツヤと光っているようなものを選ぼう。大納言という名称のあずきでなくても、粒が大きくてふっくらした豆の方が柔らかい。

4. 旬の美味しい食べ方

ふっくらと甘く煮た豆の食感と味を楽しむなら、やっぱりぜんざいだろうか。さらに、汁気がなくなるまで煮詰めて自家製の粒あんを作っておけば、白玉やアイスクリームに添えたり、あんバタートーストにしたりして楽しめる。

また、あずきは甘く煮るだけでなく、料理にも活用できる。乾物なので、料理する前に茹でておくという手間は必要だが、カボチャと一緒に煮たりご飯と一緒に炊いたりと、活用できる。

また、日本には古くから1月15日の小正月にあずき粥を食べる風習があり、地方によっては今でもそれを守っている家庭が少なくないようだ。そもそも、この風習は、赤い色に魔除けの意味があると信じられていた昔、邪気を払い、一年の無病息災を願うために始められたと考えられている。そうした日本の古き良き風習に習い、あずき粥を家族で食べてみてはいかがだろうか。

■あずき粥

【材料(4人分)】
あずき1/3カップ、米1カップ、もち2切れ、水8カップ、塩少々

【作り方】
1. 米は洗って分量の水を加える。
2. あずきを鍋に入れ、一杯の水を加えて火にかけ、沸騰したら湯を捨てる(あずきのアクを取る)。
3. 湯を捨てたあずきの鍋に水を加え、沸騰しないくらいの火加減であずきが柔らかくなるまで茹でる。
4. 茹で上がったらザルにあげる。
5. 鍋に1の米を入れ、強火にかける。沸騰したら4のあずきを加えて、ひと混ぜする。
6. 蓋を少しずらし、弱火で約50分くらいコトコト炊く。その間に一口大に切った餅を焼いておく。
7. 鍋の火を止め、焼いた餅と塩を加えて混ぜ、蓋をして5分くらい蒸らせば出来上がり。

結論

あずきを鍋にかけ、煮上がるのをゆっくり待つ、などということは、忙しい日常の中ではもはや贅沢なことなのかもしれない。けれども、あずきは昔から正月や祭りや神事などで食べられてきた食べ物のひとつ。家庭の食卓で子供たちに脈々と伝えていけたら、素晴らしいことかもしれない。

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  • 公開日:

    2020年3月29日

  • 更新日:

    2020年9月 4日

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