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【管理栄養士監修】ココナッツミルクの栄養を徹底解説|栄養図鑑

【管理栄養士監修】ココナッツミルクの栄養を徹底解説|栄養図鑑

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2020年10月 8日

濃厚で独特な風味が魅力のココナッツミルク。牛乳の代用品として、またカレーやお菓子作りの材料として使われることが多いが、栄養面に関しては詳しく知らないという人も多いのではないだろうか。本記事ではココナッツミルクに含まれる栄養成分について解説する。

  

1. ココナッツミルクの栄養について知りたい!

ココナッツミルクは、成熟したココナッツの種子に含まれる白い固形胚乳を削って粉砕し、水とともに煮込んで絞ったものだ。ココナッツミルク100gあたりに含まれる栄養成分値を見ていこう。

脂質が多い

食品成分表(※1)によると、三大栄養素では、たんぱく質1.9g、炭水化物2.8g、そして脂質が16.0gと圧倒的に脂質が多い食品である。水分量が100gのうち78.8gを占めるためカロリーも150kcalに留まっているが、飲みすぎると脂質の摂りすぎになってしまうため気を付けよう。

ミネラルが豊富

ココナッツミルクにはカリウムやマグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラル類が多く含まれている。カリウムが230mgととくに多い。

糖質は低いが加糖タイプは要注意

無糖のココナッツミルクに含まれる糖質量はわずか2.6g。炭水化物2.8gのうち残り0.2gが食物繊維となっている。しかし飲みやすくするため砂糖を加えて甘くしたタイプの商品も多い。こちらは当然糖質も高くなっているため、糖質が気になる人は無糖タイプを選ぼう。

2. ココナッツミルクの栄養:よく耳にする中鎖脂肪酸ってなに?

ココナッツミルクを積極的に飲んでいる人もいるが、その理由の一つが中鎖脂肪酸だ。油脂を構成する脂肪酸の一種で、ヤシ科の植物の種子に含まれる天然成分である。中鎖脂肪酸にはどのような特徴があるのだろうか。

中鎖脂肪酸は一般的な脂肪酸より分解されやすい

脂肪酸は炭素・酸素・水素からできており、炭素原子が鎖状につながった構造をしている。菜種油やごま油など一般的な食用油に含まれる脂肪酸は炭素原子が13個以上つながっており、長鎖脂肪酸と呼ばれる。一方ココナッツミルクに含まれる中鎖脂肪酸は、その鎖の長さが長鎖脂肪酸に比べて短い。そのため、摂取してから分解されるまでの時間が長鎖脂肪酸の4~5倍も速いといわれているのだ。

分解されやすいため脂肪になりにくい

なぜ中鎖脂肪酸が長鎖脂肪酸より分解されるまでの時間が短いかというと、長鎖脂肪酸はリンパ管や静脈を通り全身に運ばれて吸収されるのだが、中鎖脂肪酸は摂取したあと直接肝臓に吸収されて代謝されるからだ。そのため効率よくエネルギー源として利用され、身体に脂肪として蓄積されにくいというメリットがある(※2)。中鎖脂肪酸が豊富に含まれるココナッツミルクは体重減量目的として注目されがちだが、脂質が多く含まれカロリーも高め。いくら代謝されやすいといっても飲みすぎると余剰分は結局蓄積されてしまう。
厚生労働省の「食事摂取基準2020年度版」(※3)によると、30代男性(身体活動レベル普通)が1日に摂取すべき脂質は推定エネルギー必要量2700kcalのうち20~30%、つまり540~810kcal分となる60~93gだ。ココナッツミルクに含まれる脂質は100gあたり16gだが、ほかの食品からも脂質は摂取されるため、1日に飲む量はコップ1杯(100ml)程度に留めておこう。

3. ココナッツミルクの栄養:牛乳、豆乳と比較してみた

牛乳アレルギーの人やヴィーガン(絶対菜食主義者)は、ココナッツミルクを牛乳の代用飲料としても用いている。では、栄養面には牛乳や豆乳と比べてどのような違いがあるのだろうか。

カロリーはココナッツミルクが一番高い!

食品成分表(※4、※5)によると、100gあたりのカロリーは、牛乳が67kcal、豆乳が46kcalとなっており150kcalのココナッツミルクが圧倒的に高い。これは、脂質の量が違うからだ。牛乳は3.8g、豆乳は2gだがココナッツミルクには16gもの脂質が含まれているため、カロリーが高いのも当然である。

たんぱく質、糖質が低い

たんぱく質は牛乳が3.3g、豆乳が3.6gであるのに対しココナッツミルクは1.9g。また糖質は牛乳が4.8g、豆乳が2.9gでココナッツミルクは2.6gとなっている。たんぱく質と糖質の量はココナッツミルクが低いといえるだろう。

カリウム、マグネシウムが多い

ビタミン・ミネラル類はどうだろうか。100gあたり10mg以上カルシウムが含まれる牛乳に対し、ココナッツミルクや豆乳は微量。一方カリウムとマグネシウムはココナッツミルクに最も多く含まれる。また鉄分は牛乳には0.02gとわずかしか含まれないが、ココナッツミルクは0.8gと、豆乳(1.2g)には及ばないものの比較的多い。ちなみにビタミン類に関してはココナッツミルクよりも牛乳・豆乳のほうが全体的に多く含まれている。

結論

ココナッツミルクにはエネルギーに分解されやすい中鎖脂肪酸が含まれているというメリットがある反面、脂質が多くカロリーが高いため摂りすぎには気を付けよう。脂質が低くビタミンやたんぱく質が豊富な食品を組み合わせて、栄養バランスを整えるとよい。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)ココナッツミルク」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=07_07158_6

※2出典:(公財)日本健康・栄養食品協会「体脂肪が気になる方の食品と内臓脂肪が気になる方の食品」
http://www.jhnfa.org/syokugo-04.html

※3出典:厚生労働省「食事摂取基準2020年度版」
http://dm-rg.net/news/2020/01/020264.html

※4出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)牛乳」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=13_13003_7

※5出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)豆乳」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04052_7
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  • 更新日:

    2020年10月 8日

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