1. スーパーフードとは

スーパーフードとは、栄養バランスに優れ、なおかつ一般的な食品よりも栄養価が高い食品のことを指す。全体的な栄養価が高くなくても、ある一部の栄養成分や健康成分が突出して多く含まれている食品も、一般的にスーパーフードとして認知されている。
スーパーフードの始まりは1980年代頃。当時アメリカやカナダにて食事療法を研究している専門家や医師の間で、有効成分を非常に多く含む食品に対して「スーパーフード」という言葉が使用されるようになった。その名が広く知られるようになったのは、2000年に入ってから。まず、アメリカで低温調理法のロー・リビングフードが流行するのだが、この調理法がスーパーフードに含まれる成分を活かすのに最適である、ということが判明し、ロー・リビングフード愛好家の間でスーパーフードが人気となる。
さらに、2004年にアメリカのスティーブン・プラット医師著の「スーパーフード処方箋〜あなたの人生を変える14の食品」が出版されたことにより、スーパーフードの名前は広く知られるようになった。近年、ここ日本でも美容・健康に非常に役立つ食品として注目されているスーパーフードだが、栄養価が高ければなんでも当てはまる、というわけではない。
一般社団法人 日本スーパーフード協会によると、スーパーフード発祥の地であるアメリカ・カナダでスーパーフードとして認知されており、なおかつ人々の食歴が長く、何世紀もの間人類の健康に寄与した食品のみが、スーパーフードとして認められるのである。
2. おすすめスーパーフードの種類

おすすめのスーパーフードをいくつか紹介しよう。
もはやスーパーフードの定番、キヌア
スーパーフードの代表格ともいえるのが、キヌア。雑穀の一種で各種ミネラルやたんぱく質、数多くのビタミンB類を含んでいる食べ物である。さまざまな必須アミノ酸を白米以上に含んでおり、低糖質、低GIなので、糖質を管理している人は白米の代用食として食べるのもよいだろう。キヌア自体にはほぼ味がないのでどんな食材とも合わせやすい。口の中でプチプチはじける独特の食感が特徴だ。キヌアの基本的な調理法は茹でること。茹でたキヌアをサラダに混ぜたりスープに入れたりするとよいだろう。
2020年上半期ランキング第1位、青パパイヤ
一般社団法人 日本スーパーフード協会が発表した「2020年上半期トレンド予測 スーパーフードランキング TOP10」で見事1位に輝いたスーパーフードが青パパイヤである。中南米原産のトロピカルフルーツの一種である青パパイヤは、オレンジ色に熟す前の緑色のパパイヤのことを指す。果物、野菜の中で最も多く酵素を含んでおり、別名酵素の王様と称されるほどである。青パパイヤの酵素であるパパインは脂肪・糖分・たんぱく質の三大栄養素を分解してくれる働きがあり、100℃で加熱しても酵素が死なない、という特徴をもつ。果肉を千切りにしてサラダや炒め物に使用するのが一般的な食べ方である。
アメリカでトレンドになっているフォニオ
いまアメリカで注目されているのが西アフリカ食。なかでも「第二のキヌア」としてトレンド入りしているスーパーフードがフォニオである。アフリカでもっとも古い穀物であるフォニオはサバンナ地方で数千年前から栽培されていた。乾燥した貧弱な土地でも栽培でき、種をまくと数ヶ月で成長するので、食糧危機を救う食物として期待されている。またフォニオは栄養価が高いうえにグルテンフリー。とくに鉄分、たんぱく質、繊維質を多く含んでいる。フォリオは蒸して食べるのだが、パサパサした食感なのでスープや煮込み料理に合わせるのが一般的である。
3. スーパーフードの欠点

なんだかいいこと尽くめのように思えるスーパーフードだが、実は欠点もあるので注意したい。たとえばアサイーは鉄分が豊富だが、それゆえ肝機能が低下している人が摂取しすぎると肝機能障害を引き起こしてしまうおそれもある。また、オメガ3系脂肪酸が豊富なチアシードも食べすぎるとカロリー過多に。何事もほどほどに、ということだ。
また、いざ購入してもすぐに食べ飽きた、うまく料理できなくてなかなか使用できない、ついには使わなくなった...という人も多い。はじめてのスーパーフードは、できれば少量から取り入れるようにしたほうが無難だろう。また、妊娠中の女性や乳幼児が摂取する場合、注意が必要となるスーパーフードもあるので気を付けたい。
4. スーパーフードに詳しくなれる資格

スーパーフードについて詳しく勉強したい、スーパーフードを効果的に体内に摂り入れたい、という人は、資格を取得してみるのはいかがだろう。一般社団法人ホールフード協会が認定している資格「スーパーフードプランナー」は、スーパーフードを効果的に取り入れるために必要とされる栄養学や、素材ごとの食べ方、栄養素、おすすめの料理法を勉強することができる。
一般社団法人インターナショナルスーパーフード協会が認定する「スーパーフードアドバイザー」の資格を取得すれば、「食べることはどういうことか」という観点から、現代社会になぜスーパーフードが必要なのか、その時代背景まで広く学ぶことができる。JSFCA(日本安全食料料理協会)認定の資格「スーパーフードアドバイザー」やJLESA(日本生活環境支援協会)認定資格である「スーパーフードソムリエ」では、食材ごとの効果や理想的な料理方法を学ぶことができるだろう。
結論
もはや一過性のブームではなく、我々の食文化にしっかりと根付いたともいえるスーパーフード。しかし、その効果をきちんと理解し、最適な摂取方法で体内に摂り入れないと効果は半減してしまう。スーパーフードのメリットを最大限に活かすためにも、美味しく、健康な食べ方をきちんと勉強しておこう。
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