1. かに玉と天津飯の違いは?

かに玉と天津飯の違いを聞かれても、ごはんの上にかにの身を卵でとじたものをのせ、あんかけをかけたものが天津飯で、ごはんにのせていないものをかに玉と思っている人も多いだろう。しかし実際は、かに玉と天津飯は発祥に違いがあったのだ。どちらも中華料理店でよく目にするメニューなので、てっきり両方とも中華料理の1つだと思っている人も多いかと思うが、じつはかに玉は中国が発祥の料理で、天津飯は日本が発祥の料理なのだ。今回は同じようでちょっと違う、かに玉と天津飯の違いについて紹介していこう。
2. かに玉の特徴を見てみよう

かにのほぐし身と野菜などを卵に混ぜ、味付けをして焼き、あんかけをかけたかに玉は、家庭でも味わえる中華料理として人気だ。しかしじつはかに玉は中国で呼び名が異なり、広東語ではフーヨーハイ、北京語ではフーロンシェーと呼ばれている。中国でも大人から子どもまで愛されている定番の中華料理の1つだ。
中国語で蓮の花の意味をもつ
広東語のフーヨーハイは漢字で書くと「芙蓉」と書き、白い花を咲かせる蓮の花という意味をもっている。それは本格的な中国のかに玉は、卵白だけを使用することからその白い卵が蓮の花を連想させるからだ。日本のかに玉の場合は、卵黄も使うことから黄色いイメージがあるが、中国のかに玉は卵白のみを使用することから白いかに玉になっている。
3. 天津飯の誕生秘話

中国が発祥のかに玉に対して、日本が発祥の天津飯は1910年に浅草の中国料理店が作ったのが始まりだといわれている。早く食べられるものを作ってほしいと客からリクエストされたコックがかに玉をごはんにのせ、中華料理店の定番メニューでもある酢豚の甘酢あんをかけて出したのがきっかけなのだ。天津飯は、日本の中華料理店の思い付きから始まった料理で、いまでも全国の中華料理店などで、多くの人々に親しまれている料理の1つとなっている。
天津飯は地方によって味が違うのか!?
天津飯は関東では天津丼と呼ばれることもあり、東海より西では天津飯と呼ばれている。また天津飯の味には3種類の味が存在し、それぞれあんかけの味が異なる。甘酢あん、醤油あん、塩味あんの3種類があるのだ。主に関東では甘酢あんかけが主流で、関西ではあっさりとした醤油ベースの醤油あんかけが使われている。さらに関西の中には鶏ガラスープをベースにした塩味のあんかけもある。地域や店によってあんかけの味わいに違いがあるのも、天津飯の特徴だ。
4. 関東風と関西風の天津飯を比べてみよう

関東風の甘酢あんかけの作り方
天津飯は卵にかにの身を加えるのは同じだが、あんかけの味わいによって地域や店の違いが出てくる。関東の甘酢あんかけの作り方は、鍋に水、砂糖、醤油、酢、鶏がらスープの素、水溶き片栗粉を入れて混ぜながら火にかけてとろみをつける。ポイントは酢を入れていることで、あんかけの特徴的な甘酸っぱさを表現している。
関西風の塩味あんかけの作り方
関西風の塩味のあんかけは、さっぱり塩ベースなのが特徴だ。作り方は、鍋に水と塩、鶏がらスープの素、すりおろし生姜、水溶き片栗粉を入れてとろみがつくまで混ぜながら火にかける。ポイントは、塩とすりおろし生姜を加えることだ。生姜を加えることで、さっぱりとした味付けのアクセントになり、食欲がそそられる。
結論
かに玉と天津飯は発祥こそ違うが、どちらも日本人に人気の料理だ。天津飯は、日本発祥で地域によってあんかけの味わいが違うので、自分好みの味の天津飯を探してみるのもおすすめだ。大人から子どもまで愛されているかに玉と天津飯は、あんかけの味付けを変えるだけでもさまざまな味の違いを体験できるだろう。そんな味の違いをぜひ自宅で楽しんでみてもらいたい。
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