1. 山形の特産品1:さくらんぼ

さくらんぼと山形県には非常に深い関係がある。山形県がさくらんぼの栽培を始めたのは、1800年代の後半。さくらんぼの栽培は全国各地で試され、失敗する地方も多かったが、山形県では成功したため、その後もさくらんぼ栽培が加速する。山形のさくらんぼといえば、多くの人が「佐藤錦」を思い浮かべることであろう。佐藤錦は正真正銘、山形生まれ。佐藤栄助という果樹園農家が、品種改良を重ねた。味、風味のみならず、当時最大の問題であった日持ちがよく育てやすい木を作るために試行錯誤を重ね、ついに1928年佐藤錦が誕生した。
さくらんぼのシェア
初夏になるとスーパーに並ぶさくらんぼ。その多くは山形県で栽培されている。その割合は、なんと全国生産の75%以上。さくらんぼ栽培には非常に手間暇がかかる。そもそも春に霜が少なく、初夏に湿気と雨が少ない気候を好むさくらんぼであるが梅雨のある日本では、この条件に完璧に合致する地域はない。山形県が数少ない適作地であることは確かだが、それ以前にファンなどで霜対策をする、雨に当たらないようハウスを活用する、日陰を作ってしまう葉を手で摘み取るなど、まるで人を育てるように手間暇をかけているのだ。
新品種
ここ数年でよく知られるようになった「紅秀峰」。佐藤錦よりもやや大粒で甘みも強め。こちらは山形県の園芸試験場で生まれた品種である。より日持ちもよく、晩生種なので、佐藤錦よりもやや遅めに出荷が始まる。箱にぎっしり詰められたさくらんぼは、まさに宝石のような輝き。生の状態を食べることができるのは、ほんの一瞬だけ。短い旬を楽しむためにも農家からのお取り寄せなどを活用するとよいだろう。
2. 山形の特産品2:洋梨

洋梨は比較的、近年になってポピュラーになったフルーツのひとつ。ブームを迎えるまでの下積み時代を過ごした場所こそ、山形県である。そもそも日本で育てられていたのは、バートレットという品種。明治末期〜大正時代になるとフランスで大人気を博した、ラ・フランスがやってくるが、日本ではあまり需要がなかったため、受粉を促す受粉樹として活用されるだけであった。契機を迎えるのは、1970年代になってから。それまでのバートレットは缶詰用に使われるのがほとんどであったが、時代は生のフルーツブームを迎えており、ラ・フランスに白羽の矢が立ったのだ。生育期間が長く、とにかく手間がかかるラ・フランスをどうにか、栽培種にするために研究を重ねたのが山形県だったのだ。
追熟のコツ
収穫したばかりの洋梨は、デンプンとクエン酸を多く含む状態で食べても美味しいとは言い難い。これを追熟することで、でんぷんがショ糖などの糖分に変化、ビタミンなども増加して、食感もとろけるような状態に変化する。追熟のポイントは常温に置いておくこと。軸の周囲を軽く指の腹で押し、柔らかくなっていることが重要だ。ちなみに洋梨においても、全国シェアはNo. 1である。
3. 山形の特産品3:米

米どころとしても知られる山形。1800年代後半に愛されていた亀の尾という品種の生まれ故郷でもある。この亀の尾はこしひかりのルーツとしても知られている。
はえぬきとつや姫
1998年になると県内で品種改良が始まる。コシヒカリ系の父と母を掛け合わせ、試行錯誤ののちに完成した品種が「はえぬき」である。粒がしっかりとしていて歯ごたえがあることから、日本穀物検定協会のランキングでも最上級のランクづけがなされている。それを追うように2010年に登場したのが「つや姫」だ。コシヒカリを超える味わいと評されており、バランスが非常によい。冷めても美味しいので弁当にもぴったり。コシヒカリよりもあっさりとした味わいが現代向きといえよう。こちらも前出のランキングは、デビュー以来ずっと最高値。
結論
四季の自然の変化に富んだ山形県。山形には全国的に知られている特産品が多くあることがわかった。今回はフルーツと米を中心にお届けしたが、このほかにも山形牛や川魚など、多くの特産品がある。一度調べてみると訪れてみたくなるはず。
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