1. キューバサンドイッチとは

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』。この映画は、ハリウッドの大物映画監督、プロデューサーが製作、監督、脚本、主演を務めたことで知られる映画。料理を愛する一流シェフがオーナーと衝突して、店を辞めることから物語は始まる。失意の中訪れた故郷のマイアミで食べたキューバサンドイッチの美味しさに目覚め、キッチンカーでそのサンドイッチを売りながらアメリカを横断するロードムービーだ。旨そうなキューバサンドイッチとラテン音楽は、ベストマッチ。映画を観た人ならきっと「キューバサンドイッチを食べたい」と思うはずだ。そう、映画の影の主役ともいえるのが、キューバサンドイッチなのだ。
キューバサンドイッチとは
バゲットとコッペパンの中間くらいのパンを使うのが定番。フィリングに使われるのは、ローストポーク、ハム、ピクルス、チーズ。ローストポークは、柑橘とハーブでマリネした豚肉で作るのが基本。このひと手間が美味しさの決め手ともいえる。また、マスタードをしっかり効かせるところもポイントといえよう。
キューバのお国柄
キューバはカリブ諸国最西端に位置する国。ジャマイカやドミニカ共和国に囲まれたカリブ海諸国、最大の国だ。主食は米。首都であるハバナの旧市街には、ヨーロッパとラテンの文化が融合したカラフルな街並みが並んでいる。クラシックカーが走っていることでも知られている。しかし、キューバサンドイッチは、キューバで発展したわけではないようだ。発展したのは、アメリカ合衆国のフロリダ。キューバ人移民たちがアメリカで食すようになり、人気に火がついたとされている。
2. キューバサンドイッチの美味しさ

キューバサンドイッチの美味しさは、なんといってもローストポークにある。モホローストポークと呼ばれるもので、オレンジの果汁や皮を使用したさわやかなマリネ液に漬け込んだ豚肉を使用して作るのが特徴。またハーブをふんだんに使っているので、香りも高い。このローストポークをたっぷりと挟むことで、独特の旨味、美味しさが感じられるのだ。またパンも独特。バゲットとコッペパンの中間のようなルックスで、日本ではあまり見かけないものだ。パニーニ用のパンなどで代用するといいかもしれない。
カリカリの表面
キューバサンドイッチは、表面がカリッとしている。これは表面にバターを塗ったパンを焼くことによって、実現するもの。たっぷりと塗られたバターに、さすがアメリカ!といいたくなる。映画ではフライパンのようなもので両面焼かれている。このように表面を焼く工程は、チーズを溶かす効果もある。
ピクルスの酸味
全体をまとめるのが、マスタードとピクルス。酸味が加わることでぐっと味わいに締まりが生まれる。飽きずに食べるためには、この酸味が欠かせないのだ。
3. キューバサンドイッチの作り方

キューバサンドイッチを作る場合は、まずモホローストポークを作るのが先決。使用するのは、脂身と赤身のバランスがちょうどいい豚肩ロースの塊肉。これをオレンジ果汁やオレンジの皮、塩胡椒、ニンニク、ハーブ、オリーブオイルで作ったマリネ液に漬けて寝かせる。オレンジ果汁がない場合は、オレンジジュースで代用するといいだろう。あとは表面に焼き色をつけ、オーブンでじっくりと火を通せば完成だ。肉を焼くときは、常温に戻してから焼くと中までしっとりと火が入る。
挟む順番
まずパンの内側にバターとマスタードを塗り、モホローストポークのスライス、ハム、チーズ、ピクルスを重ねる。パンで挟んだら、フライパンにバターを入れて、両面をこんがりと焼き上げていく。このときヘラなどでパンの表面を押し付けるようにして焼くと、こんがり感がアップする。
結論
キューバサンドイッチは、フロリダで発展したサンドイッチ。映画が火付け役となりブームになったが、なかなか家で作るという人は少ないようだ。これから迎える冬休みや時間のある週末に、ぜひチャレンジしてみてほしい。国内にキューバサンドイッチを食べることができる店も存在するので、まずは味を確かめてから、自作するのもいいだろう。
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