1. 宇宙いもは山芋の仲間だった

宇宙いもは山芋の仲間で、ヤマノイモ科の野菜。自然薯や長芋なども同じヤマノイモ科の野菜だが、大きく違うのが食べる部分。山芋や長芋は地中に伸びる根を食べるのが一般的だが、宇宙いもは地上に伸びるツタにある「ムカゴ」と呼ばれる球状の芽を食べるのだ。普通ヤマノイモ科の植物のムカゴは小豆程度と小さいが、宇宙いもは大きいものになると掌におさまるほどのサイズになる。上へ上へと伸びるツタから吊るされたムカゴが、宇宙に浮かぶ隕石のように見えたことから宇宙いもと名付けられたのだ。原産国は東南アジアといわれていて、日本では京都府や徳島県などで栽培されている。スーパーなどにはほとんど出回らないが、直売所などで少量取り扱いがあるようだ。旬の時期は10~11月頃。美味しい宇宙いもは皮にハリがあり、表面がしっかり硬い。プニプニとして柔らかいものや、皮にシワがあるものは新鮮ではない可能性があるので注意しよう。宇宙いもは栄養が豊富で、食物繊維やポリフェノールが多く含まれている。カリウムも豊富で、栄養価は山芋や長芋のムカゴとほぼ同じといえる。
2. 味はまずい?宇宙いもの食べ方

宇宙いもはまずいといわれることも多いが、正しい調理法で食べればとても美味しい。まずいといわれているのは、山芋のようにすりおろすと色が黄土色で食欲をそそらないからだろう。生で食べられないわけではないが、色も食感もあまりよくないので宇宙いもは加熱して食べるのがおすすめ。
天ぷら
皮をむいて食べやすいサイズにカットした宇宙芋に衣をつけ、油で揚げれば天ぷらの完成。加熱するとモチモチした食感になり、とても美味しい。じゃがいもより少し甘みがあり、あっさりとした味わいが特徴。
豚汁やけんちん汁
汁物にする場合は、じゃがいもや里芋の代わりに使えばOK。柔らかくなるまで煮れば、ホクホクモチモチとした食感が楽しめる。宇宙いもは淡白な味わいなので、しっかり味がしみるように煮るのがおすすめ。
煮物
濃いめの煮汁で煮付ければ、宇宙いもの煮物が作れる。じっくり煮込むことで宇宙いもの甘みが引き出され、美味しく仕上がる。
3. 宇宙いもの育て方

スーパーなどではなかなかお目にかかれない宇宙いもだが、じつは家庭でも簡単に育てることができる。プランターに支柱をさして育てれば、日よけにもピッタリなグリーンカーテンにもなるのでとてもおすすめ。宇宙いもは夏頃に種芋を植え、秋の終わりから冬頃に収穫する。まずは種芋を暖かい場所に置いておき、芽出しをする。芽が出るまで種芋を置いておくことで植えたあとの成長がよくなり、たくさんの宇宙いもが収穫できる。芽出しをした種芋を土に植え、土の表面に芽が伸びてきたら支柱をさしておく。成長とともに支柱にツタが絡まりはじめ、数ヶ月経過するとムカゴが付く。出はじめのムカゴは緑色をしているが、成長とともに茶色くなっていく。収穫時期は本格的に寒くなってくる前の10~11月頃で、宇宙いもを軽くひねるとポロっと取れるのが目安。最初に伸びてくるツタを折らずに支柱に絡ませるのが重要なので、心配な場合は種芋を植えた時点で支柱をさしておくとよいだろう。
結論
宇宙いもはなかなか聞き慣れない珍しい名前の野菜だが、食べてみると意外な美味しさにビックリするだろう。汁物や煮物、天ぷらなどいろいろな食べ方を試してみてほしい。種芋を用意すれば、自宅でも栽培できるので興味がある人はぜひチャレンジしてみてほしい。たくさん植えて、キレイなグリーンカーテンを作ってみてもよいだろう。
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