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京都の年越しの過ごし方。名物【にしんそば】や【をけら詣り】とは?

京都の年越しの過ごし方。名物【にしんそば】や【をけら詣り】とは?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2021年1月20日

歴史的に有名な神社仏閣が数多く残存していることで知られる京都。1年を通して、神事に関するさまざまな行事が行われるが、とくに年末から正月にかけては、伝統的な行事が盛大に行われているようだ。今回は、古都京都の年越しの過ごし方や食の風習についてお伝えしよう。

  

1. 京都の年越しの過ごし方

京都では、12月13日の「事始め」から、新年を迎えるための本格的な準備が始まるようだ。事始めとは、江戸時代から京都に伝わる風習で、この日から、煤払いをして正月の支度を始めるので、正月事始め、正月起こしともいわれている。

この日はまた、祇園の芸妓や舞妓が、師匠やお茶屋に挨拶に出向くことが風習となっている。事始めに芸妓たちが交わす挨拶の言葉は「おことうさんどす」で、これは「お事多さん」が語源であり、「繁盛して、忙しいことで何よりです」といった意味がある。京都の人々は、挨拶に出向く芸妓や舞妓を目にすると、ああ年の瀬が訪れたと実感することになるようだ。

そして、おせち作りやお雑煮作りなど正月の準備を進めるために、錦市場に食材の買い出しに出かけることになる。錦市場とは、京都市内の中心街の錦小路通りにある、およそ400mに渡って長く伸びている市場のこと。京都の台所と呼ばれる観光名所でもあり、正月に必要な食材も、すべてそこで揃えることができる。

2. 京都の年越しはにしんそば

京都では、大みそかに年越しそばとして、にしんそばを食べる習慣があるようだ。 にしんそばは、京都が発祥の地で、京都の名物料理である。

にしんそばの発案者は、「松葉」2代目店主の松野与三吉氏。松葉は、1861年の創業から159年もの歴史を誇る老舗である。にしんそばの発案者である松野与三吉氏は、当時の京都の人々のたんぱく源であった身欠きにしんを、そばと組み合わせることで、栄養バランスをとろうとしたようだ。試行錯誤の結果、「棒炊き」と呼ばれるにしんの甘露煮をそばにトッピングすることで、味も栄養も申し分のない「にしんそば」を完成させた。

以来、松葉は、現在でも、にしんそばの総本家として、伝統の味を守り続けている。大みそかになると、多くの人が、年越しそばとして、松葉のにしんそばを食べているようだ。

そしてそばを食べた後、除夜の鐘を耳にしながら、最寄りの神社仏閣に、2年参りに出かけるのが年越しの恒例行事になっている。

3. 京都の年越し をけら詣り

「をけら詣り」とは、祇園の八坂神社で行われる年越しの伝統的な神事である。大みそかの夜から元旦にかけて、八坂神社の本殿で、御神火を炊くために、「をけら」が燃やされる。「をけら」は、薬草の一種で、独特のにおいを放つ。このにおいが、魔よけとなり、厄災から人々を守ると言い伝えられている。参拝客は、その御神火を、吉兆縄と呼ばれる火縄に移して、持ち帰ることができる。

自宅まで、火を絶やしてしまわないように、火縄をくるくると回しながら持ち帰ることになるようだ。持ち帰った火を神棚の灯明に灯したり、その火で雑煮を煮たりして、新年の無病息災を祈るのが風習となっている。残った火縄は、「火伏せのお守り」となり、台所に祀られる。

なお、「をけら詣り」は、北野天満宮でも行われていて、こちらも「天満宮のおけら詣」として知られ、大みそかの夜、多くの参拝客で大変な賑わいをみせる。

結論

いにしえの都である京都の年越しの過ごし方や食の風習についてお伝えしたが、いかがだっただろうか?ただ、今年は、多くの地域がそうであるように、京都も、年越しに行われる恒例行事に関して、新しい生活様式に即した形で行われることになるかもしれない。どのような形であれ、古きよき時代から続く年越しのさまざまな行事がこれからも守り継がれることを願わずにはいられない。
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  • 公開日:

    2020年12月31日

  • 更新日:

    2021年1月20日

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