1. おせちの中身一の重
おせち料理の中身は、「祝い肴三種」「口取り」「酢のもの」「焼きもの」「煮もの」に分類することができる。それぞれの種類はさらに重箱のどこに詰めるかも決まっている。
一の重の中身は、「祝い肴三種」「口取り」に該当する食材が詰められる。それぞれに該当する食材とその意味について見ていこう。
祝い肴三種
黒豆
マメに働けるようにという意味を持つ。関西では「年をとってしわが寄らないように」と丸くふっくらとしわをよらせずに煮る。関東では「しわがたくさんできるほど長生きできるように」とあえてしわが入るように煮る。
かずのこ
かずのこは、ニシンの卵として、非常にたくさんの卵が付いていることから、子孫繁栄を願うという意味を持つ。
田作り
田作りは、ごまめともいわれ、カタクチイワシの稚魚を乾燥させたものを、甘辛く煮付けたもの。畑の肥やしにすると豊作になることが多かったため、五穀豊穣を願うという意味を持つ。
たたきごぼう
関西地区で、田作りの代わりに使用されることが多い。ごぼうが、土の中に長く根をはることから、家が代々続くようにという意味を持つ。関西では、商売繁盛という意味もある。
口取り
紅白かまぼこ
紅白は、おめでたい色の組み合わせとして用いられる。赤は、邪気を払い、白は、心を清めるという意味を持つ。
栗きんとん
きんとんは「金団」と書き、商売繁盛や金運上昇の意味を持つ。
昆布巻き
昆布には、「喜ぶ」という意味が、巻には、学問が成就するという意味がある。
伊達巻き
見た目が巻物に似ていることから、知識が増えるように、教養が身に付くように、という意味を持つ。
2. おせちの中身二の重
おせち二の重は「酢のもの」「焼きもの」に該当する食材が詰められる。
酢のもの
紅白なます
その昔は、生の魚と大根とにんじんを酢で和えて作られていた。いまはにんじんと大根の酢のもの。紅白の見た目から、めでたいという意味を持つ。
焼きもの
ぶり
出世魚と呼ばれるぶりにあやかって立身出世を願うという意味を持つ。とくに西日本では欠かせない食材になる。
鯛
恵比寿様が持つ魚としてもおなじみで、おめでたいという語呂合わせにより、めでたいという意味を持つ。
海老
長いひげや、火を通すと背中が丸まることから、老人になるまで健康で長生きできることを願う意味がある。なお、現在は、焼き物でなく、うま煮にされる場合も多い。
3. おせちの中身三の重
三の重は、「煮もの」が詰められる。主に使用される食材とその意味は以下の通り。
れんこん
たくさんの穴が空いていることから、先々の見通しがよくなるようにという願いを持つ。
里芋
里芋は、親芋から子芋がたくさんできるため、子孫繁栄を願う意味を持つ。
くわい
冬野菜の一種で、大きな芽を出すことから、おめでたいという意味を持つ。
上記の、れんこんや里芋、ごぼうを使ったお煮しめや筑前煮が詰められることも多い。
結論
おせちの中身と、それぞれの中身の意味について紹介した。このほかにも、地域によって使われる食材が異なるようだ。いまは時代も変わって、おせちの中身は、定番を押さえつつも、洋食や中華の食材も使われ、自由度も高くなっているようだ。おせちのそれぞれの中身に込められた意味を感じながら味わってみてはいかがだろう。
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