1. 旧正月とは?

旧正月とは、その名が示す通り、旧暦である太陰暦で示される正月のことで、通常は、春節と呼ばれている。旧暦である太陰暦は、月の満ち欠けを基準にし、新月から満月を経て、また徐々に欠け、新月になるまでの期間を1ヶ月と定めている。
現在は、世界の基準として、太陽暦の一種であるグレゴリオ暦が用いられている。しかし、中国をはじめ、台湾、韓国、シンガポールなどでは、いまもなお、新暦の正月よりも、旧正月を重要視している。中国では、前日の大晦日を含めた7日間を、いわゆるお正月休みとしている。
新暦の正月の始まりは、毎年1月1日と決まっているが、旧正月の始まりは、それとは日にちがずれるため毎年異なっている。ちなみに、2021年の旧正月の始まりは、2月12日になるので、2月11日~2月17日までが、お正月休みということになる。
旧正月には、日本のおせち料理のような、新年を祝うための食べ物を食べる習慣がある。どんな食べ物を旧正月に食べているのか?これから一緒に見ていこう。
2. 旧正月に食べられる食べ物その1

日本のお正月に食べるおせち料理のように、中国では、旧正月に、新年のお祝いの食べ物として以下のような縁起がよいとされるものが食べられている。
魚
魚は、余りや豊かを意味する「余」と同じ発音であることから、縁起のよい食べ物とされている。「年年有魚(余)」といわれ、毎年、ゆとりある生活を送れるようにという願いを込めて食べられているようだ。旧正月の前日の大晦日の夕食に、さらに個々の地域独自のしきたりにのっとって魚を食べる習慣がある。
餃子
餃子は、その形が中国の昔の貨幣である「元宝」に似ているため、富をもたらすとされる縁起のよい食べ物になる。とくに中国の北方では、大晦日の夜に、家族みんなで餃子を作り、旧正月の始まりである子の刻の午前0時過ぎに餃子を食べて、新年を祝うという習慣があるようだ。まさに年越し餃子だ。
春巻
春餅と呼ばれ、中国の旧正月に欠かせない食べ物になる。春巻は、「終始一貫」という意味をもつ縁起のよい食べ物とされている。
臘肉(ラーロウ)
臘肉とは、塩漬けにして干し、燻製にした肉のこと。数千年という歴史のある食べ物でもあるようだ。
3. 旧正月に食べられる食べ物その2

年糕(正月もち)
もち米で作られる日本のお餅のような食べ物。日本のお餅と違い形は、長い棒状になっている。地域によって、食べ方が異なり、蒸し物、揚げ物、炒め物など、さまざまな調理方法と味付けで食べられている。出世や繁栄という意味があり、新しい年が、さらによい年であるようにという願いを込めて食べられているようだ。
元宵団子
元宵団子は、旧正月の最終日となる元宵節と呼ばれる祭日に欠かせない食べ物で、その日は、満月に該当するため、日本の十五夜で食べる月見団子のようなものだと考えられる。丸い団子には、家庭円満の意味があり、新しい1年の、家族が円満で幸せであるようにと願って食べられている。団子の中身は、砂糖、小豆、くるみ、ごま、肉などバリエーションはかなり豊富。
金柑&みかん
風水では、オレンジ色で形が丸く、甘みがある金柑やみかんなどの柑橘系の果物は、金運をもたらすとされ、旧正月に欠かさずに食べられるフルーツになる。
結論
春節と呼ばれる中国の旧正月に食べられている食べ物を紹介した。日本の正月に食べるおせち料理と同様に、旧正月に食べられるそれぞれの食べ物には、縁起のよい意味があり、新しい1年がよい年であるように願いを込めて食べられているようだ。餅や魚など、日本と共通している食べ物もあり、なかなか興味深い。
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